禅林寺(永観堂)〜京都府京都市左京区〜
永観堂の通称で親しまれる京都市左京区の禅林寺は浄土宗西山禅林寺派総本山の寺院。古くから「秋はもみじの永観堂」として有名で、紅葉の時期には多くの人で賑わいます。なお、このページでは6月はじめに撮影した姿を紹介しますが、新緑の「もみじ」も非常に美しいです。
開基は、空海の高弟の真紹僧都。853(仁寿3)年に藤原関雄の山荘を買い取り真言宗の寺院としてスタート。863(貞観5)年に清和天皇より定額寺としての勅許と「禅林寺」の寺号を得ました。
永観堂の由来ともなった、7世住持の永観(ようかん)律師(1033〜1111年)は自らを「念仏宗永観」と名乗るほど浄土教に帰依したことから、禅林寺は三論宗系の浄土教寺院となり、さらに静遍僧都(じょうへんそうず 1166〜1224年)が、浄土宗の開祖である法然上人の死後に浄土宗に帰依し、以後は浄土宗の寺院として今に至ります。
境内は応仁の乱(1467〜69年)で灰燼に帰したことから、江戸時代を通じて再建が進められ、今も多くの歴史的建造物が残っています。上写真は総門。1840(天保11)年の建築です。
(撮影・解説:裏辺金好)
○地図
○風景
中門 【京都府指定文化財】
1713(正徳3)年築。薬医門形式です。
玄関
方丈 【京都府指定文化財】
1627(寛永4)年築。入母屋造、桟瓦葺きで、釈迦堂とも呼ばれます。
勅使門 【京都府指定文化財】
1830(文政13)年築。向唐門形式で、檜皮葺です。
臥龍廊
御影堂
1912(大正元)年築。禅林寺最大の建築で、宗祖法然を祀っています。
阿弥陀堂(本堂) 【京都府指定文化財】
1607(慶長12)年に大坂にある四天王寺の曼荼羅堂(1597年築)を移築したもの。入母屋造で本瓦葺きです。また、この近くにある鐘楼は1707(宝永4)の建立、御廟が1766(明和3)年の建立で、いずれも京都府指定文化財です。
開山堂
多宝塔
1928(昭和3)年築。
多宝塔付近からの眺め
放生池