中川船番所資料館〜東京都江東区〜


 中川船番所資料館は、2003(平成15)年にオープンした江東区立の資料館で、中川番所の実物大ジオラマなどの展示が特徴です。
 中川と小名木川は江戸時代、関東一円と江戸を結ぶ水運の大動脈でした。1661(寛文元)年に小名木川(おなぎがわ)の東端に中川番所が設置され(明暦の大火を受けた都市計画の見直しで、深川の万年橋のほとりにあった深川船改番所を移転)、江戸〜行徳 (ぎょうとく) 間を往来する船を取調べ、幕末まで存続しました。
 江戸からの夜間の出船禁止、女子は必ず証文を持つべきこと、鉄砲などの武器の往来に関することの注意など、まさに箱根関所の水運バージョン。
 中川番所に努めた役人は、「中川番」と呼ばれ、職制上は若年寄の下。なんと3000石から8000石という、高禄の旗本が任命され、3人〜5人が5日交替で勤務していました。もっとも、実際に詰めたのは家臣で、将軍の御成りなど、特別な時以外は詰めなかったようですが。
 中川番の下には番頭2名、添士2名、小頭2名が置かれ、その下に下役人がいました。
 このページでは近くにある、旧小松川閘門、荒川ロックゲート(閘門)も併せて紹介します。
(撮影・解説:裏辺金好)

○地図



○風景








旧・小松川閘門
1930(昭和5)年築。中川船番所資料館のすぐ近く、大島小松川公園にあり、荒川と中川の両放水路開削により水位調整を図るために設置されたものです。



荒川ロックゲート(閘門)
2005(平成17)年築。荒川と旧中川の最大で3.1m異なる水位を調節するために設置されました。




江戸から現代にかけて、水運に関する様々な施設をこの付近で見ることが出来る、見ごたえのあるエリアです。

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