日本丸メモリアルパーク〜神奈川県横浜市西区〜
横浜市中区の「みなとみらい21」地区にある日本丸メモリアルパークは、大型練習帆船「日本丸」(にっぽんまる/初代)と旧横浜船渠株式会社第一号船渠、横浜みなと博物館から構成される公園。日本丸及び横浜船渠第一号船渠は国の重要文化財に指定されています。
さて、日本丸は1930(昭和5)年に川崎造船所で竣工した鋼製帆船で、文部省が船員養成用の練習船として発注したもの。以後、戦時中に内航物資輸送、終戦後に引き揚げ、特殊輸送等へ従事したほかは、1984(昭和59)年まで船員養成のための実習用帆船として使用されました。その後、横浜市へ譲渡され、(公財)帆船日本丸記念財団が管理保存しています。
日本丸が係留されている旧横浜船渠株式会社第一号船渠は、1898(明治31)年に完成したもので、海軍技師の恒川柳作が設計。当初は総長約168m、上幅約34m,渠底幅約23m,渠内深さ約11mの規模でしたが、大正期に改修され、渠頭部方向に拡張して総長約204mとなりました。
また、隣接するランドマークタワーには旧横浜船渠株式会社第二号船渠が残り、こちらも国の重要文化財に指定されています。1896(明治29)年に完成したもので、やはり海軍技師の恒川柳作が設計。現在はイベントスペースとして活用されており、こちらは注水されていないので、ドックの下部まで見ることができます。
横浜みなと博物館は1989(平成元)年に横浜博覧会開催に合わせ、横浜マリタイムミュージアムとして開館したもので、当初は港湾や船舶を扱う博物館でしたが、2009(平成21)年4月に現名称へ変更されるとともに、横浜港の歴史や役割に特化した展示内容に刷新されています。残念ながら写真撮影が禁止されていたので、ここでの掲載は割愛します。
(撮影・解説:裏辺金好)
○地図
○風景
旧横浜船渠株式会社第二号船渠 【国指定重要文化財】
周辺はドックヤードガーデン(みらい横丁)となっており、様々な飲食店が入居しています。
帆船日本丸&旧横浜船渠株式会社第一号船渠 【国指定重要文化財】
以後、日本丸の内部をご紹介していきます。
前部航海船橋
バウスプリッド
揚錨機
錨を巻き上げる装置で、蒸気を動力としています。25tの重さを1分間で9m巻く能力を持っています。
きせる型通風筒
船内を換気するための空気の取口。
実習生室(7号室)
1部屋8人が生活する場所。7号室が公開されているほか、その他の部屋も宿泊研修で実際に使用することが出来ます。
機関室
操機長室
ジャイロルーム
調理員室
調理手室
看護長室
病室
診察室
15号室
調理室
第一教室
船長公室
船長がお客さんをもてなしたり、航海士から報告を受ける設備もあります。
船長浴室
一等航海士室
通信長室
三等航海士室
士官サロン
士官が食事や会議をする部屋
配膳室
士官サロンに接する配膳室。
事務長事務室
船医室
海図室
無線室