本山寺〜香川県三豊市〜


 本山寺(もとやまじ)は高野山真言宗の寺院で、本尊は秘仏馬頭観音菩薩。四国八十八箇所霊場第70番札所。寺伝によれば、807(大同2)年に平城天皇の勅願寺として、空海(弘法大師)が創建したと云われます。元々は長福寺と称していましたが、19世紀に本山寺と称されるようになりました。
 1300(正安2)年建立の本堂(国宝)、室町時代中期建立の仁王門(国指定重要文化財)など、古建築の宝庫であるのが特徴です。
(撮影:リン)

〇地図



○風景



本堂 【国宝】
1300(正安2)年築。奈良興福寺系統の工匠・棟梁である藤原国重により建てられたものです。屋根は寄棟造で、本格的な密教本堂。2枚目写真左後方に見えるのは大日堂。江戸時代中期(1661〜1751年)築で、太い円柱や実肘木付三斗は風食などから室町期の材と判断され、古材を用いて建てられたと考えられます。こちらは国登録有形文化財。


仁王門(二王門) 【国指定重要文化財】
室町時代中期(1393〜1466年)築。三間一戸八脚門、切妻造、本瓦葺です。


大門 【国登録有形文化財】
江戸時代後期(1751〜1830年)築、1914(大正3)年に岡山県から移築。大師堂南脇の八脚門で、入母屋造の本瓦葺、軒は二軒繁垂木。


五重塔
1910(明治43)年築。14年かけて建築されたもので、初重部分は総欅、高さは約30m。


大師堂 【国登録有形文化財】
1795(寛政7)年築。方三間の入母屋造、一間向拝付で本瓦葺。


十王堂 【国登録有形文化財】
1759(宝暦9)年築。桁行五間梁間三間、寄棟造、三間向拝付の本瓦葺。

鎮守堂 【香川県指定有形文化財】
1547(天文16)年築。檜皮葦屋根。

鐘楼 【国登録有形文化財】
江戸時代中期(1661〜1751年)築。乱石積基壇に建つ方一間吹放し形式の鐘楼で、鐘は戦時中に金属供出によって取られ1949(昭和24)年に再鋳造されています。


冠木門 【国登録有形文化財】
1910(明治43)年築。間口四・四メートルの石造冠木門で、頂部には唐破風造の屋根を載せたほか、両側に潜門を付属し、本堂東辺の入口を雄大に構成しています。

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