宮浦石炭記念公園〜福岡県大牟田市〜


 福岡県大牟田市・みやま市及び熊本県荒尾市に広がる三池炭鉱。
 主力坑口の1つであった宮浦坑は1888(明治21)年に操業を開始し、約4,000万トンの石炭を産出。1968(昭和43)年に閉坑しますが、一部が宮浦石炭記念公園として公園化され、宮浦大斜坑坑口と地底への往復へ実際に使われていた人車とプラットホーム、採炭機械を保存展示。また、1888(明治21)年に完成したボイラー排煙施設の煙突(煉瓦造り、高さ31.2m、上部直径2.9m、基部直径4.3m)が残り、国の登録有形文化財に指定されています。
 なお、宮浦石炭記念公園の東側では三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)が2020(令和2)年5月まで運用され、広い鉄道敷地を有していました。こちらも併せてご紹介します。
 (撮影:リン、裏辺金好)

○地図



○風景





大斜坑跡と人車、プラットホーム



材料降下坑口跡と抗具車、抗木車、タンク車
石炭を採掘するための道具を運んでいた抗口です。


サイドダンプローダー ME632H型
抗道を掘るときに出た土や岩を積み込む機械で、バケットが横に回転します。全長4.2m、全幅1.5m、高さ1.5m。また、その後ろに見えるのは運搬車である2立方メートル炭車です。


フェースローダー MFL120-S15型
ダイナマイトで砕いた石炭をかきよせ、コンベアーに積み込む機械です。全長6.9m、全幅1.3m、全高1.4m。



ドリルジャンボ TYCJ-2XE型
坑道を掘る途中に出てきた岩を砕くためのダイナマイトを仕掛ける穴を掘る機械です。全長7.05m、全幅2.05m、全高2.215m。


第一立坑跡
石炭を掘るため地上から垂直に掘られた坑道です。


三井化学専用線 宮浦駅
元々は元々本線、勝立線、旭町線の3線が分岐する拠点駅であったことから、広い敷地を有します。1997(平成9)年に三池炭鉱が閉山すると、1.8kmのみ現在の三井化学に譲渡。JR大牟田駅近くの仮屋川操車場まで、製品を運搬していましたが、2020(令和2)年5月に廃止されました。


20t B形電気機関車(11号)
11号は1917(大正6)年に三菱造船で製造。

20t B形電気機関車(12号)と電源車デ-4
12号は1917(大正6)年に三菱造船で製造。。引火性の強い物質を扱う工場内を通行するため、一部が非電化区間になっていることから、電源車からの電気供給で運転されていました。


部品取り用に留置されていた45トン級B-B形(20号)と、20トン級B形電気機関車(2号・4号)。

45トン級 B-B形電気機関車(19号)
1936(昭和11)年に芝浦製作所にて製造

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