東京大学本郷・弥生キャンパスの近代建築〜東京都文京区〜


 東京大学は1877(明治10)年4月12日に東京開成学校と東京医学校が合併したもので、1897(明治30)年6月22日に東京帝国大学に改称。1947(昭和22)年9月30日に東京大学に再び改称し、現在に至ります。
 今回ご紹介する本郷キャンパスは加賀藩上屋敷、弥生キャンパスは水戸藩・安志藩(あんじはん/兵庫県)の屋敷地であった場所で、多くの建物は関東大震災による倒壊後に、内田祥三(うちだよしかず/工学部教授、後の総長)の設計によって復旧した建築が大半を占め、「内田ゴシック」といわれる重厚なデザインパターンの建築で占められているのが特徴です。このページではこれらの近代建築をご紹介します。
(撮影:裏辺金好)

○地図



○風景


旧加賀屋敷御守殿門(赤門) 【国指定重要文化財】
1827(文政10)年築。元加賀藩上屋敷の御住居表御門で、江戸幕府第11代将軍である徳川家斉の第21女、溶姫が、加賀藩第13代藩主前田斉泰に輿入れした際に建てられたもの。


本郷正門及び門衛所 【国登録有形文化財】
1912(明治45)年築。伊東忠太(東京帝国大学教授)による設計で、花崗岩製の正門と、むくり屋根の妻を見せる門衛所が特徴です。

旧附属図書館製本所(現・コミュニケーションセンター)
1910(明治43)年築。


伊藤国際学術研究センター内レストラン
1916(大正5)年築。現在はホテル椿山荘東京のグループレストラン「レストランカメリア」が入居し、フランス料理を提供しています。


理学部化学館東館
1916(大正5)年築。

ベルツ像・スクリバ像
1907(明治40)年築。

大講堂(安田講堂) 【国登録有形文化財】
1925(大正14)年築。ここからご紹介する建築は、特記を除いて東京帝国大学総長の内田祥三(よしかず)が関東大震災後の復興で設計したもので、内田ゴシックと呼ばれるデザインで統一されているのが特徴です。


安田講堂前などに広がるイチョウ並木は、関東大震災後の復興で計画されたもの。


総合図書館
1928(昭和3)年築。


法文1号館 【国登録有形文化財】
1935(昭和10)年築。

法文2号館 【国登録有形文化財】
1928(昭和3)年築。

法学部3号館 【国登録有形文化財】
1927(昭和2)年築。


工学部列品館 【国登録有形文化財】
1925(大正14)年築。内田祥三による震災復興計画に符合する形で完成した最初の建物です。

工学部1号館 【国登録有形文化財】
1935(昭和10)年築。

工学部2号館
1924(大正13)年築。一部取り壊しの上で高層ビルが建てられています。

工学部3号館
元々の建物は1929(昭和14)年築で、2013(平成25)年に外観を復元した上で建て替え。

工学部4号館
1937(昭和2)年築。


工学部6号館
1940(昭和15)年築。

工学部船舶試験水槽室
1937(昭和12)年築。

工学部13号館


第2食堂

附属病院 管理・研究棟
1934(昭和9)年築。

附属病院 南研究棟
1925(大正14)年築。

医学部1号館
1931(昭和6)年築。

医学部2号館
1936(昭和11)年築。

理学部2号館
1934(昭和9)年築。

育徳堂(弓道場)
1935(昭和10)年築。

農学部1号館
1937(昭和12)年築。農学部は弥生キャンパスにあります。

農学部2号館
1936(昭和11)年築。

農学部3号館 【東京都選定歴史的建造物】
1941(昭和16)年築。

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