旧三井銀行小樽支店〜北海道小樽市〜
旧小樽銀行三井支店は、かつて「北のウォール街」と称されるほど金融が栄えた小樽市色内に、1927(昭和2)年に建築されました。 曾禰中條建築事務所の設計で、小樽市初の鉄筋鉄骨コンクリート造り。外観は岡山県北木島産の花崗岩を積み、軒には植物をモチーフにした装飾を施しています。また、正面の5連の大きなアーチとファサードが美しい姿を形成しています。
帝国銀行小樽支店、三井銀行小樽支店、太陽神戸三井銀行小樽支店、さくら銀行小樽支店、三井住友銀行小樽支店と、合併等により銀行名を変えながら使用されてきましたが、2002(平成14)年11月15日に閉店し、同時に小樽市から都市銀行が姿を消しました。
建物はしばらく活用されていませんでしたが、2017(平成29)年に2月に小樽市文化財へ指定。さらに同年9月から、「旧北海道拓殖銀行小樽支店」「旧高橋倉庫」と共にニトリ小樽芸術村として活用され、内部が一般公開されています。さらに、2022(令和4)年2月に国の重要文化財に指定されています。
(撮影:リン)
○地図
○風景
外観
カウンター
ヒーター
2階から
書庫
契約書などの重要書類を保管していた場所です。現在は過去の看板を公開しています。
金庫室
旧三井銀行小樽支店では、金庫、書庫、地貸金庫の全てにアメリカのモスラ―・セーフ・カンパニー製の大金庫が使用されています。同じ金庫を採用した旧三井銀行広島支店では、原爆の爆風にも耐え中も無事であったことから、冷戦時には対被ばく用の施設に用いられるようになったとか。
支店長室
地下1階
貸金庫室
貸金庫回廊
夏の結露を防止するため、タイル張りの回廊を設けています。防犯のために鏡も設置され、回廊のどこにいても映り込むのが特徴です。
第五応接室
2階には賓客用の応接室が3室あり、第5応接室には木製の棚に商品サンプルが今も置かれています。
第四応接室
会議室