東京ジャーミイ〜東京都渋谷区〜
○解説
2000(平成12)年6月30日(金)に開堂した東京都渋谷区にあるイスラム教の寺院。正式には東京ジャーミィ・トルコ文化センターといい、オスマントルコの装飾様式と、現代の建築技術の融合のもとに完成したものです。建設にあたり、水とセメントと鉄筋以外のものすべてを日本に送り、トルコ本土から100人近い建築や芸術職人が送られるという、正真正銘のトルコのモスク。その起源は1917年、ロシア革命が起こるとロシア在住の多数のトルコ人が各地へ避難を始めます。その中で、満州経由で日本に移住した人も多く、さらに東京へ住んだ人が多かったとか。
そこで1922年、彼らはメハッレイ・イスラミイイェ協会(後の東京トルコ人協会)を設立。1938(昭和13)年に現在地へサラセン式ドームを持つ礼拝堂が完成しました。これは老朽化によって1984(昭和59)年に閉鎖され、1986(昭和61)年に取り壊されます。その後、東京トルコ人協会は「ジャーミイ再建」を条件に、トルコ政府に土地を寄付。
そして1997(平成9)年 、トルコ共和国宗教庁長官メフメット・ユーリ・ユルマズを総裁とする「東京ジャーミイ建設基金」が設立され、トルコ全土からの資金の寄付と資材が集められ、現在の寺院が完成しました。
(撮影・解説:裏辺金好)
○地図
○風景
戦前に建てられた木造の建物が現存しています。