川崎市立日本民家園〜神奈川県川崎市多摩区〜


 1967(昭和42)年に開館した、川崎市が誇る東日本の古民家を集めた野外博物館。国指定重要文化財7件をはじめ、文化財に指定された25の建物が展示されており、その規模と魅力は計り知れないほど大きいもの。新宿から小田急線で向ヶ丘遊園で下車し、徒歩で十分アクセス可能。近代建築を集めた東京都小金井市の江戸東京たてもの園と合わせて必見の建築群です。
 用途やエリア別に建物が配置されており、宿場→信越の村(北陸を含む)→関東の村→(地元である)神奈川の村→東北の村→その他、とこんな感じで旅行気分で歩くことができます。
 それでは、見ていきましょう!
(解説&撮影:裏辺金好)

○場所



○宿場ゾーン



原家住宅 【川崎市重要歴史記念物】/旧所在地:川崎市中原区小杉陣屋町
1911(大正2)年築。入り口からすぐの場所にある建物で、宿場ゾーンの建築には含まれませんがここで紹介。
明治24年より22年の歳月を経て完成した力の入った古民家。



井岡家住宅 【神奈川県指定重要文化財】/原所在地:奈良県奈良市下高畑町
 17世紀後半〜18世紀初頭築。柳生街道沿いに建っていた油屋。

鈴木家住宅 【神奈川県指定重要文化財】/原所在地:福島県福島市松川町
  19世紀初期の建築。奥州街道の八丁目宿にあった「馬宿」で、市に向かう馬とその馬方が泊まる宿屋。
土間に内馬屋を設け、そこには12頭の馬がつなぐことが可能。



佐地家 門・供待 【川崎市重要歴史記念物】/原所在地:愛知県名古屋市東区長塀町
  18世紀中期の建築で、尾張藩250石取りの武家屋敷の入り口部分。
門の形式は切妻屋根の棟門。
供待とは、門番部屋であると同時に、主人のお供が、主人の帰りを待つときの控え部屋だった場所。



三澤家住宅 【神奈川県指定重要文化財】/原所在地:長野県伊那市西町
19世紀中ごろに建築された、伊那街道の伊那部宿にあった薬屋。屋根が板葺の石置きです。

○信越の村ゾーン


水車小屋 【川崎市重要歴史記念物】/原所在地:長野県長野市上ケ屋
19世紀中頃の建築。


佐々木家住宅 [国指定重要文化財]/原所在地:長野県南佐久郡八千穂村
 18世紀初期の建築。名主の住宅で、東側の屋根が半切妻(「兜造り」の構造)となっているのが特徴。
また、降雨の少ないところに建築されたため、使用されている建材が細い。




江向家住宅 [国指定重要文化財]/原所在地:富山県南砺市上平細嶋(旧:東礪波郡上平村)
 17世紀後半〜18世紀初頭の建築。越中五箇山の合掌造りの家。



山田家住宅 【神奈川県指定重要文化財】/富山県南砺市桂 
18世紀中期の建築で、こちらも同じく越中五箇山の合掌造りの家。
最後の写真は、外便所を当時と同じ配置で復元したもの(骨組みは当時のものを再利用)。




野原家住宅 【神奈川県指定重要文化財】 原所在地:富山県南砺市利賀村  18世紀後期の建築で、これも越中五箇山の合掌造りの家。ほかの合掌造りの家が庄川本流域に存在し、4間取りなのに対し、こちらは庄川支流域に存在し、3間取りであるなどの差異があります。


山下家住宅 【神奈川県指定重要文化財】/原所在地:岐阜県大野郡白川村
 19世紀初期の建築。飛騨白川郷の合掌造りの家で、川崎市内で料亭として移築されていたものを、ここに再移築。

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