ボーイング787
     Boeing 787


世界の航空会社からの期待を一身に集める787。
(写真:伊丹空港/撮影:デューク)

●基本データ・就航区間
登場年:2009年
使用航空会社:全日空・日本航空・カタール航空・ユナイテッド航空等
就航路線:羽田〜岡山・広島、成田〜ボストン等

●機体の解説
 ボーイングが高効率をうたって開発を行うことにしたボーイング7E7。ボーイング767やエアバスA300といった中型機の後継機として計画していたが、2004年にANAが50機を発注したことで開発がスタート。後に形式名はボーイング787となった。
 787は従来の767等に比べて20%の燃費改善を目指しており、自重の低減やエンジンの効率アップなどを含めて従来機とは一線を画す機体となっている。
 機体の素材には炭素繊維素材を多く利用し、軽量化と強度の確保を実現。さらに腐食しない炭素素材を多用することで、キャビンの湿度を保てるようになるなど、居住性の改善も実現した。
 ボーイングは767・777で日本やイタリアなどの企業と共同開発を行ってきたが、787ではさらに一歩踏み込んでより多くの国の企業に開発に参加を依頼。リスクヘッジなども含めてよりグローバルな開発体制をとった。
 当初2007年中の初飛行、2008年にはローンチカスタマーのANAへの引渡しが予定されていたが、数々のトラブルが重なり、初飛行で2年、引渡しで3年の遅延となっている。
 しかし、原油価格の高騰が続く中、多くの航空会社がボーイング787に期待を集めていることに変わりはなく、その就航が待たれていた。
 2011年11月より、ANAで定期運航に就航し、国際線での就航も開始されている。
 運航開始後の実績では、運航コストに低減が認められ、導入への追い風となっている。

●ギャラリー

 検証プログラムのために羽田空港へ初飛来した787。
 タッチダウンした瞬間。
(写真:羽田空港/撮影:デューク)

 伊丹空港に到着する787。
 767に比べるとずんぐりした印象がある。
(写真:伊丹空港/撮影:デューク)

 ANAの初号機と2号機は特別塗装機。
 暫定国内線仕様として活躍中。
(写真:岡山空港/撮影:デューク)

 トリトンブルーの787。ただし、787の文字が前部に大書きされている点が異なる。
(写真:伊丹空港/撮影:デューク)

 ボーイング社の飛行試験用の787 。
(写真:中部国際空港/撮影:デューク)

 日本航空の787。成田〜ボストン線を皮切りに国際線に集中投入。国内線を中心に展開するANAとの方針の違いがわかる。
(写真:成田国際空港/撮影:デューク)

 ユナイテッド航空の787。デンバー線等で就航中。
(写真:成田国際空港/撮影:デューク)