コンベア880
     Convair 880


黎明期の日本航空を支えたCV880。
(写真:福岡(板付)空港/撮影:鉄の鳥(禁転載))

●基本データ・就航区間
登場年:1959年
使用航空会社:日本航空・キャセイパシフィック航空等
就航路線:羽田〜札幌・福岡〜香港等

●機体の解説
 アメリカの富豪ハワード・ヒューズの意向を受けたコンベア社が開発した中型旅客機。
 ヒューズのスピードに対する執着を体現した機体とも言え、コンベア社は世界最速の旅客機として触れ込んだ。
 機体の大きさは当時開発が先行していたボーイング707やDC−8よりも小型となり、マーケットを分けようとしていた。
 開発は使用するエンジンの採用がなかなか許可されないなど、大きく手間取り、さらに空気抵抗の増大で、計画していた速度が出ないという問題も発生。しかも、エンジンの整備に大きな手間がかかるなど、使い勝手の悪い機材となってしまった。
 その上、いざ就航してみると、この程度の機材では、増大する旅客需要にはとても追いつけないことも判明し、結局65機を生産しただけで生産停止となってしまった。
 日本では、日本航空が南回り欧州線に投入することを前提に発注。しかし、国内線でのANAとの競合が激しくなり、ANAがバイカウント828を投入したため、急遽コンベア880を国内線デビューさせるという奇策に出た。
 そのため、コンベア880は日本国内線ではじめて就航したジェット機という栄誉を手にすることになった。
 日本航空はこのコンベア880をエンジンの故障に悩まされながらも10年ほど使用し、レシプロ機時代は赤字が当たり前だった東南アジア線の黒字化に大きく貢献するなど、その貢献度は地味ながらも大きいものがあった。
 なお、日本国内航空(後の日本エアシステム→日本航空)も幹線に進出する際にコンベア880を1機導入している。

●ギャラリー


 キャセイ・パシフィック航空のCV880。
 同社の日本線を始めとしてアジア線を中心に活躍した。
(写真:福岡空港/撮影:鉄の鳥(禁転載))