第2回 飛行機なぜ飛ぶ?

今回の登場人物
裏辺金好所長
 我らが裏辺研究所を束ねる御方。最近はデューク所員の飛行機攻勢に頭を悩ませる日々が続く。
デューク
 自称航空研究局局長。
 鉄道から飛行機へ方向転換を図っているが、その過程で所長をも引きずり込もうと日夜謀略を企てているとかいないとか・・・

1.ジャンボ機が飛ぶのは不思議
 羽田空港の展望デッキで、飛行機の撮影に熱中しているデュークと所長・・・。

裏辺金好所長(以下「所長」)
 しかし・・・考えてみると不思議なものだな。
デューク  何がです?
所長 ジャンボ機がなんでああも軽々と浮き上がることができるのかだよ。あんな金属の塊が飛べるなんて不思議だとは思わないか?
デューク うーん・・・まあ、そういわれれば不思議と思わないわけではありませんが。理屈を考えると別に不思議なわけでは・・・ないですが。
所長 ほう、では理屈で納得のいく説明をしてもらおうか。
デューク ギクッ(余計なこと言ったかも)。
所長 まさか説明できないわけではあるまいな???んん??
デューク いや・・・そんな、滅相もありません。
所長 よし、ではしてもらおうか。
デューク (うわぁ・・・どうしよう)

2.ボーイング747は紙飛行機より軽い?
デューク とりあえず・・・これをみてください。
所長 潜水艦とボーイング747じゃな。
デューク このふたつ、大きさ自体はそれほど変わりません。ところが、重量は潜水艦がおよそ3000トン(満載状態)、それに対してボーイング747が型にもよりますが、平均330〜400トン(最大離陸重量)ですから、ボーイング747は潜水艦の1割強程度の重さしかないわけですね。
所長 ・・・。
デューク しかも、ボーイング747を紙飛行機と同じくらいの大きさに小さくすると、紙飛行機よりも軽くなったりします。それに、飛行機は金属の塊とはいっても、金属の中でも軽いアルミを使用しているため、見た目以上に軽いわけですし、最近では炭素素材を使用する機体も登場しています。
所長 だが、それでも400トンもあるような機体が飛ぶのは簡単には納得できぬぞ。
デューク なるほど、では離陸するときのボーイング747の速度ってどの程度かご存知ですか?
所長 200〜300km/hくらいかね。
デューク だいたいその程度だと思っていただければ。300km/hで離陸するとして、仮に無風状態でも、風速83.3m/sという台風でもありえないような風を受けていることになります。
所長 うへぇ。
デューク 台風の際に傘をさしていたら、人間でも吹き飛ばされそうになりますよね。傘の強度がないため、途中で傘が壊れてしまいますが、傘の強度が十分にあったら、風速30m/sでも傘が受ける風で人間は飛ばされてしまうかもしれません。
所長 確かに・・・それはそうだ。
デューク で、飛行機が離陸するときというのは、いわば翼が傘の役目になるわけで、その翼が風速80m/sの風を受けたら、浮かび上がらない方が不思議なわけですね。まあ。。。極論をしている部分もあるので、そんな簡単な話ではありませんが。


3.飛行機は揚力によって浮かび、飛ぶ
デューク この浮かび上がる力のことを「揚力」といいます。

所長 そういえば、飛行機はエンジンを利用し、翼に発生する揚力で飛ぶ航空機ということであったな。
デューク さきほど台風の例を出しましたが、傘を風下の方に真横にすると吹き飛ばされそうになりますが、斜めにするとどうでしょう?上に持ち上げられそうになりますよね?あれが揚力です。
所長 なるほど・・・あれが揚力なわけか。
デューク この揚力という力は、傘の例で言えば、傘の上の部分と下の部分の圧力差によって生じます。どういうことかというと、傘の下の部分は風を受け止めるため、流速が遅くなり、傘にかかる圧力が強くなります。それに対して、傘の上の部分は、逆に流速が速くなり、圧力が弱くなってしまいます。
所長 その差し引きした分が揚力となる・・・。

デューク そういうことになりますね。で、飛行機の場合は、主翼の下部にかかる圧力と上部にかかる圧力をうまく調節することによって飛行中も必要な揚力を得ることができます。そのために、飛行機の主翼はとても綿密な計算をして設計され、また、揚力を調節するためにさまざまな装置を備えています。

所長 どんな装置があるのだね?

デューク このあたりの解説を次回以降していこうと思います。お楽しみに。

所長 もったいぶらないで一気にやれ〜。

デューク いいじゃないですか〜。ネタ切れを防ぐためにもったいぶらせてください(爆)。



棒