特急【あけぼの】


2009年3月改正で、上野〜長岡はEF64形による牽引となった。
(写真:高崎線 熊谷〜行田/撮影:リン)

●基本データ

登場年:1970(昭和45)年
元運転区間:上野〜青森
過去の使用車種:20系、24系、583系など

●列車の解説

 1870(昭和45)年7月1日に東北本線〜奥羽本線の寝台特急として登場したのが「あけぼの」であった。当初は毎日運転の臨時列車であったが、10月1日に急行「おが」を格上げする形で定期運転を開始。「はくつる」「ゆうづる」といった列車の補完的役割も担っていた。

 登場以後、20系客車での運転であったが、14系や24系といったより居住性を向上させた車両が登場したが、「あけぼの」は20系での運転が続けられ、1970(昭和55)年になってようやく24系に置き換えられた。「あけぼの」は定期寝台特急としては最後まで20系を使用した列車となった。そして運転本数は奥羽本線の需要旺盛により、最大3往復運転まで成長。秋田行きも登場した。この状態でJR時代を迎えた。

 JR化後最初の1988(昭和63)年のダイヤ改正で2往復になり、青森行きのみとなった。なお、1往復減とはなったものの、臨時便でしばらくは残っており、しかもこの臨時列車には583系が使用されるなど、運転区間が上野〜弘前であったことなどを含めて、特異な存在であった。

 「あけぼの」はこの後、運転経路等が大きく迷走していく。最初の転機は1990(平成2)年のことで、山形新幹線の工事が本格化したため、小牛田まで東北本線を北上し、陸羽東線を経由して奥羽本線に抜けるルートに改められた。これに伴い、1往復減便となっている。この措置の結果、小牛田から新庄までは非電化区間を走行することになったが、DD51形の配置がなかったため、DE10形が重連で牽引するという珍しい形態となり、注目された。

 この運転形態はそのまま定着したが、1997(平成9)年になり、再び転機が訪れる。秋田新幹線の開業だった。この改正で、「あけぼの」は廃止されることになった。ところが、「あけぼの」の愛称が秋田以北では定着していたことなどもあり、上越線〜羽越本線を経由していた「鳥海」の愛称を「あけぼの」に改称するというウルトラQを行い、列車は廃止となったが、愛称は存続するという結果となった。

 こうして「あけぼの」は新幹線の影響の少ない路線にシフトしながら運転が続けられていて、その後も東北方面の寝台特急が次々と減便される中で、運転が続けられていた。しかし、2014(平成26)年3月15日改正で、ついに定期列車としての運転を終了してしまった。

●ギャラリー(20系)


20系時代の寝台特急「あけぼの」。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:照山様 禁転載)

20系時代の寝台特急「あけぼの」。機関車交換の1シーンだと思いますが・・・。
(写真:場所不明/撮影:照山様 禁転載)

次の運用に向けて整備中の20系時代の寝台特急「あけぼの」。
(写真:尾久客車区/撮影:照山様 禁転載)

同じく20系時代の寝台特急「あけぼの」。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:KIX様 禁転載)

●ギャラリー(24系)


上野駅で出発を待つ「あけぼの」。
(写真:上野駅/撮影:デューク)

カニ24を最後尾にした「あけぼの」
(写真:羽越本線 秋田駅/撮影:ひょん君)

(写真:奥羽本線 碇ヶ関駅/撮影:リン)

(写真:奥羽本線 新青森駅/撮影:裏辺金好)

青森駅に到着した「あけぼの」。
(写真:青森駅/撮影:デューク)

(写真:奥羽本線 青森駅/撮影:裏辺金好)

B寝台ソロの上段。
(撮影:リン)

開放B寝台車内。羽後本荘から立席特急券で乗れる4号車は、早々にお片付け。
(撮影:リン)

「あけぼの」方向幕
(写真:東北本線 上野駅/撮影:リン)

「あけぼの」方向幕。こちらは奥羽線経由の文字が併記。
(撮影:デューク)

●583系


 2012(平成24)年12月29日から30日にかけて上野〜弘前間で臨時寝台特急「あけぼの81号」が、2013(平成25)年1月3日にかけて弘前〜上野間で臨時寝台特急「あけぼの82号」が運転。583系での運転は17年ぶりであった。トレインマークは24系「あけぼの」にイメージを合わせているが、下部が黒地に「AKEBONO」の文字。
(写真:奥羽本線 弘前駅/撮影:国鉄車両好)

●ギャラリー(EF64形)


EF64形による牽引になってから、茶色のEF64が登板することも。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:裏辺金好)


211系との並び。
(写真:東北本線 上野駅/撮影:裏辺金好)


(写真:山手線 鶯谷駅より/撮影:裏辺金好)


(写真:高崎線 赤羽駅/撮影:リン)

●ギャラリー(EF81形)


上野駅で出発を待つ「あけぼの」。2009(平成21)年3月14日までは、EF81形が全区間けん引していた。
(写真:上野駅/撮影:デューク)

(写真:東北本線 大宮駅/撮影:裏辺金好)


バッチリとメイクされた、EF81 81号機による「あけぼの」。
(写真:奥羽本線 上飯島駅/撮影:ネオン)

(写真:奥羽本線 大釈迦〜鶴ヶ坂/撮影:リン)

(写真:奥羽本線 新青森駅/撮影:裏辺金好)

(写真:奥羽本線 新青森駅/撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(EF65形)


EF65形牽引による「あけぼの」。
(写真:東北本線 大宮駅/撮影:daikiti)

●ギャラリー(EF71形)


山形新幹線の開業前、板谷峠に挑む「あけぼの」。*下写真に続く
(写真:庭坂〜赤岩/撮影:daikiti)

先頭をEF71が務め、進んでいく。この時点で対向線路はすでに改軌が終わっている。
(写真:奥羽本線 庭坂〜赤岩/撮影:daikiti) 

●ギャラリー(ED75形)


JR発足間もない頃、東北本線経由だった頃の「あけぼの」のひとコマ。
(写真:金谷川〜松川/撮影:daikiti)

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