特急【あしずり】


今後の主力車両である2700系。
(写真:土讃線 高知駅/撮影:リン)

●基本データ

登場年:1990(平成2)年
運転区間:高知〜中村・宿毛
使用車種:2000系、2700系
元使用車種:キハ181系、キハ185系

●列車の解説

 1990(平成2)年に急行「あしずり」を格上げする形で登場したのが、特急「あしずり」である。当初は下り2本に上り1本という形で登場したが、その後、増発はされるものの、下り列車優勢のまま運転されていく。

 土讃線系統は高知での乗継についてはなぜかあまり積極的ではなかったようで、「南風」「しまんと」がそのまま直通していく形態が続いていた。このあたりは、松山の電化によって、松山で明確に運転系統が分かれ、ほとんどが松山で「しおかぜ」「いしづち」と「宇和海」の接続という形となった予讃線系統との根本的な差であった。

 このようなためか、「あしずり」はいまいち存在感のない列車となってしまい、その後は下りが5本もあるのに上りは1本しかなくなり、1999(平成11)年以降は上り列車がなくなるという事態にまでなった。そして、2003(平成15)年以降は下り列車1本だけという状態となり、列車の愛称を残すために残っているような状況となってしまった。また、このときから宿毛への直通も廃止され、存在感が限りなく無くなったのであった。

 しかし、2009(平成21)年3月改正で高知〜須崎を短距離運転する臨時特急「あしずり51号」が新設。臨時とは言え毎日運転の扱いになっているため、事実上は下り2本体制へと再び拡大するも、2010(平成22)年3月13日改正で「あしずり51号」は廃止され、また1本となった。

 ところが、2011(平成23)年3月12日改正で、中村→高知で運転される上りの「あしずり2号」が新設。さらに、毎日運転の臨時特急である下り「あしずり51号」(高知→宿毛)と、上り「あしずり54号」(中村→高知)が設定され、土佐くろしお鉄道乗り入れを再開するとともに、勢力を大きく拡大した。さらに、2012(平成24)年3月17日改正では、「南風」「しまんと」の中村駅・宿毛駅発着列車の一部を系統分割して、3往復が増発。

 2014(平成26)年3月15日改正では、毎日運転の臨時「あしずり」1往復(51・52号)が廃止される一方で、中村駅・宿毛駅発着の「南風」の一部を系統分離し、「あしずり」2.5往復(下り3本・上り2本)が増発されるなど、一時の縮小一方の傾向から、一転した状況になっている。

 2019(令和元)年9月3日からは一部列車に新型車両である2700系が投入された。

●2000系


(写真:土讃線 窪川駅/撮影:裏辺金好)

N2000系を先頭にした「あしずり」。
(写真:土讃線 高知駅/撮影:裏辺金好)

(写真:土讃線 窪川駅/撮影:裏辺金好)

増減を繰り返し、下り1本になることも多かったが、近年は増加傾向。
(写真:土讃線 伊野駅/撮影:デューク)

 「あしずり」の行先表示。2000系のため、列車名と行先が交互に表示される。
(写真:高知駅/撮影:デューク)

●2700系


トレインマーク
(写真:土讃線 高知駅/撮影:裏辺金好)
   

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