特急【文殊】


大阪から天橋立を目指す特急列車だった
(写真:東海道本線 新大阪駅/撮影:デューク)

●基本データ

登場年:1996(平成8)年
運転区間:新大阪〜天橋立
元使用車種:183系

●列車の解説

 大阪から宮津線を通って天橋立方面に向かう列車は古くから設定されていたが、JR化後宮津線が第三セクターに移管されると直通列車がめっきり減り、臨時扱いの急行「みやづ」が運転される程度となっていた。

 1996(平成8)年に山陰本線の園部〜綾部間や北近畿タンゴ鉄道の一部が電化された際に、京都・大阪からの優等列車の大幅な見直しが行われ、この際に大阪から天橋立に向かう特急列車が設定されたが、これが「文殊」であった。運転本数は上下とも午後(夕方)に始発駅を出発する1往復であった。

 これは、同時に登場していた「タンゴディスカバリー」なども同様の性格を有した列車であったといたこと、そして、福知山線には既に「北近畿」が多数設定されていたことが原因であった。特に下りは天橋立到着が19時を回ってしまうため、観光列車としてはあまり機能していないのが現状であるようだ。

 その後、特に増発されることもなく、ひたすら1往復で運転されていて、イマイチマイナーな存在となっている。案の定、2011(平成23)年3月12日改正で廃止された。

●ギャラリー


 なんちゃって国鉄色の「文殊」1号。
 「北近畿」で採用された国鉄色の下にラインが入る塗装で運転される。
 それにしても、「文殊」は一往復しか走らないのに律儀に号数指定されている。なかなか面白い。
(写真:新大阪駅/撮影:デューク)

 西日本標準色の183系で運転される「文殊」。山陰本線園部〜綾部間が電化した際に登場した塗装で、当初は山陰線特急の塗装かと思われたが、実際には共通運用状態で、「文殊」でも使用される。
(写真:福知山線 尼崎駅/撮影:デューク)

 西日本標準色の183系で運転される「文殊」。山陰本線園部〜綾部間が電化した際に登場した塗装で、当初は山陰線特急の塗装かと思われたが、実際には共通運用状態で、「文殊」でも使用される。
(写真:東海道本線 塚本駅/撮影:リン)

(写真:福知山線 尼崎駅/撮影:デューク)

(写真:福知山線 尼崎駅/撮影:裏辺金好)


(写真:北近畿タンゴ鉄道 天橋立駅/撮影:裏辺金好)

 「文殊」の行先方向幕。西日本標準の黒幕で、いわゆるビッグXの一員として愛称の部分に「文殊」のヘッドマークの色であるエメラルドグリーンが配色されている。
(撮影:リン)

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