特急【さくら/さくら・はやぶさ】


「はやぶさ」と併結運転を行った晩年の姿。
(写真:鹿児島本線 博多駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:1959(昭和34)年
運転区間:東京〜長崎
使用車種:14系、20系、24系
最終時のダイヤ:下り:東京(18:03)〜長崎(13:05)、上り:長崎(16:50)〜東京(11:33)

●列車の解説

 1959(昭和34)年、前年に登場した寝台特急「平和」を20系に置き換えるにあたって、東京〜長崎に登場した。愛称は1929(昭和4)年に登場し、1942(昭和17)年に廃止された「櫻」、1951〜1958年に東京〜大阪で不定期運転された「さくら」に由来している。

 1965(昭和40)年には、佐世保行きの編成も連結されるようになり、ブルートレインの花形列車の1つとして人気絶頂に。さらに1972(昭和47)年には14系客車が投入され、グレードアップされた。しかし、山陽新幹線の開業や飛行機網の発達に伴い乗客は次第に減少。1985(昭和60)年には本州の牽引機をEF66に変更し、スピードアップを図った。

 JR化後、九州方面のブルートレインが整理される中、1999年に佐世保行きが廃止。同時に、東京〜鳥栖が熊本行きの「はやぶさ」と併結運転が実施されるようになり、A寝台も廃止。挙げ句の果てに、東京では通勤電車と並行ダイヤ、深夜帯は貨物列車優先で途中退避、九州では曲線の多い長崎本線に於いて、振り子式で曲線を高速で走るようになった特急「かもめ」に「さくら」は対応できず、3本も抜かれるようになり、東京を18時に出ておきながら、長崎に13時過ぎに到着するという信じられないダイヤになってしまった。あげくに高い寝台特急料金に老朽化した客車。

 これでは乗客を獲得する方が無理というものだが、それでもしばらくは運転が続き、2005(平成17)年3月改正でついに廃止となった。そして「さくら」の名前は、なんと驚きの山陽新幹線・九州新幹線直通列車へと抜擢。今度は鹿児島行きの列車として復活する。

●ギャラリー


国鉄時代の寝台特急「さくら」。こちらはEF65 500番台。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:daikiti)

国鉄時代の寝台特急「さくら」。こちらはEF65 1000番台。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:daikiti)

同じく国鉄時代の寝台特急「はやぶさ」「さくら」。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:daikiti)

(写真:京浜東北線 浜松町駅/撮影:裏辺金好)

「さくら・はやぶさ」最終列車。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

「さくら・はやぶさ」最終列車。「さくら」の行先は鳥栖までだった。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

終点東京へ到着。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

EF66を切り離し、客車の「さくら」マークが登場。
(写真:東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

(写真:鹿児島本線 門司駅/撮影:ひょん君)

(写真:田端運転所/撮影:裏辺金好)

(写真:高崎駅構内/撮影:裏辺金好)

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