特急【とかち】


帯広特急として「おおぞら」から独立して誕生した「とかち」。「スーパーとかち」と共に札幌〜帯広の都市間輸送に活躍していた。
(写真:石勝線 新夕張駅/裏辺金好)

●基本データ

登場年:1990(平成2)年
運転区間:札幌〜帯広
使用車種:キハ261系(2020年から)
元使用車種:キハ183系

●列車の解説

 特急「おおぞら」は国鉄末期から増発されていたが、ほとんどが釧路行きで1往復だけ帯広発着であった。ほかに急行「狩勝」などがあったが、こちらは滝川経由で札幌までの時間はかなりかかっていた。
 JR北海道は平成2年、札幌〜帯広間に特急を新設し、「おおぞら」から分離することにした。同時に「狩勝」は快速に格下げされている(滝川止)。

 このとき誕生したのが「とかち」である。当初はモノクラスでの運転で、さらに1年も経たないうちに観光特急として2階建車両(キサロハ182形)を連結することに伴い、「スーパーとかち」と名前を変更したため、シンプルな「とかち」の名前はしばらくお蔵入りすることになった。

 その後、1997(平成9)年にキハ283系が登場した際に、「とかち」の名前が復活している。このときはキハ183系の「スーパーとかち」も健在で、しかも「とかち」でありながらキサロハ182を連結する列車もあるなど愛称がわかりにくくなった嫌いもあった。その後2000(平成12)年に、キハ283系が「スーパーとかち」に使用されることになったため、愛称が整理され、キハ183系を使用する列車はすべて「とかち」となり、2001(平成13)年にはキサロハ182が編成から外されている。

 なお、2007(平成19)年10月改正で0番台は基本的に運用を外れ、500番台以降のキハ183系での運用になった。さらに2009(平成21)年10月改正で261系が追加投入されるとともに、全列車が「スーパーとかち」化され、愛称が消滅した。

 2020(令和2)年3月14日改正では、「スーパーとかち」が全て「とかち」に改称されることになり、愛称が復活。キハ261系が使用される。

●ギャラリー


0番台の先頭車を定期運用で連結していた頃の姿。
(写真:函館本線 苗穂〜白石間/撮影:デューク)

0番台。キハ183系「スーパーとかち」の頃の名残なのか編成内に0番台と500番台が混在しているのが特徴だが、0番台側を撮ってみた。なお、「オホーツク」を含めて0番台は近いうちに全廃の可能性がある。
(写真:函館本線 白石駅/撮影:デューク)

先頭車改造された車両が先頭をつとめる「とかち」。普段の6両編成から、増結され堂々たる8両編成で運転されていた。額部分のヘッドライトが上に移って運転室の下の部分にもヘッドライトが設置されたが、基本的なデザインはキハ82に近いものがある。
(写真:千歳線 新札幌駅/撮影:デューク)

 「とかち」の行先方向幕。JR北海道の特急列車の標準的な方向幕。それにしても・・・北海道の特急は行先別の愛称を使っていて、「とかち」の場合札幌⇔帯広しかないのだから、JR西日本のように起終点を表記してしまえば1枚ですみそうな気も。
(写真:帯広駅/撮影:デューク)    

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