▼12月11日

○第7ランナー 東海道本線普通(321系) 高槻5:00 → 京都5:21

○第8ランナー 東海道本線普通(223系) 京都5:30 → 米原6:36

 まだ辺りは真っ暗な状態ながらも動き出します。まずは高槻の上り始発電車から京都の東海道本線上り始発電車へと乗り継ぎます。

 京都での乗り継ぎの間に、中線に留置されていた117系トップナンバー編成を撮影。1979(昭和54)年の登場で、関西地区で使用されていることを考えればそろそろ置き換えが近づいている頃でしょうか。

 こちらは終焉が近い、JR東海の117系(米原駅)。

 

○第9ランナー 北陸本線普通(521系) 米原6:49 → 敦賀7:37

 米原からは521系に乗り換え。敦賀までの直流化と同時に登場した車両で、沿線自治体が製造費を負担する形で導入されています。税金の受益者負担…というわけではないですが一応は理に適った負担方法ですね。
 さて、米原発車時は学生などで随分と混雑していましたが、長浜で半数近くが下車。そう言えば今日は木曜でしたね…。


○第10ランナー 北陸本線普通(475系) 敦賀7:41 → 福井8:33

○第11ランナー 北陸本線普通(475系) 福井8:41 → 西金沢10:05

 敦賀を過ぎ、いよいよ475系が幅を利かす区間に。特に敦賀から福井までは朝の通勤・通学ラッシュの時間でしたが福井で乗り継いで以降は割と空席が目立ちました。
 福井駅では乗ってきた左の編成とこれから乗る右の編成との並びを撮影。高架化され、非常に現代的な駅舎に35〜40年ほど経った車両というミスマッチが印象的でした。

○第12ランナー 北陸鉄道石川線普通(7000系) 新西金沢10:09 → 野町10:14

 金沢の1つ手前、西金沢で下車し北陸鉄道石川線へ。JR西金沢駅を出ると真正面を北鉄の線路が横切り、その左手に新西金沢駅があるという構図で、ダイヤ的な接続は無いものの簡単に乗り換えできます。

 一旦野町まで乗車し、「鉄道線全線1日フリー乗車券」を購入。1,000円とこの日乗車する予定の合計運賃と大差ないのですが、加賀の国らしく金箔を使用した豪華な作りのため、記念の意味合いも兼ねて購入し使用することにしました。

 野町から終点の加賀一の宮まで一気に乗車。今回北陸行きを決めた理由の1つがここで、つい先日、石川線の鶴来〜加賀一の宮の部分廃止届が当局に提出されたとの報道がありました。今年春の島原鉄道や西鉄の部分廃止では動きませんでしたが、この加賀一の宮駅の駅舎はご覧の通り非常に重厚な造りをしており、一度見ておきたいという気持ちが前からあったために今回の旅程に組み込みました。

 屋根などの造形を見ても、とても地方私鉄の小駅とは思えません。以前はここからさらに路線が分岐しており駅員もいたとのことですが、それでも豪華です。

 加賀一の宮駅舎が豪華なのはちゃんとした理由があり、駅名からも分かるとおり駅の近くに白山比刀iしらやまひめ)神社という加賀国一宮があり北陸鉄道がそこへの参詣鉄道という側面も持ち合わせているため。旧JR西日本大社線の大社駅などと同様の理由です。
 白山比盗_社は全国に約2000社ある白山神社の総本山とされ、観光客も多いのかなと思っていましたが意外とひっそりとしていました。それでも正月三が日などは大いに賑わいを見せるのでしょう。


○徒歩 加賀一の宮駅 → 鶴来駅

 さて、次の電車まで時間があったため計画を変更し鶴来駅までの約2キロを歩いてみることに。鶴来の街中には古そうな民家や商店が点在しており、落ち着いた雰囲気で好感が持てました。中には数軒、うだつの残る家も。装飾的ではない、実用的な作りに見えました。

 鶴来(つるぎ)横町うらら館。江戸時代の商家を無料観光案内所としたもので、「うら」とは鶴来の方言で私という意味。

 あれこれ見ているうちに鶴来駅に到着。こちらの駅舎は加賀一の宮駅とはまた違った趣ですが、これはこれで素敵な駅舎だと思っています。

 そして駅付近の留置線にいる車両を撮影。巨大な黄色いスノープラウが目立つED20形で、除雪用に残る凸型電気機関車です。

 こちらはモハ3750形。東急から譲受した7000系などの増備により予備車に回っていますが、最近は運用に就いていないらしくご覧の通り痛みが激しい状態に。北陸鉄道自社発注の客車として最後の存在なだけに動向が注目されるところです。

○第13ランナー 北陸鉄道石川線普通(7000系) 鶴来12:57 → 新西金沢13:21

 さて、鶴来を後にし西金沢に戻ります。右の7201は中間車を先頭車化改造したものですが、行きも帰りも同じ車両に乗る形になりました。

○第14ランナー 北陸本線普通(413系) 西金沢13:33 → 松任13:38

 西金沢から2駅だけ乗り、松任で下車。この駅のすぐ近くにJR西日本金沢総合車両所松任本所があります。かつては松任工場と呼ばれ車両の整備のみならず改造まで幅広く手がけた一大工場で、現在でも北陸本線で使用される自社車両の点検の他、JR貨物の貨車の点検も受託しています。

 残念ながら近場から見える範囲にはコンテナ車や長物車が点在する程度でしたが、片隅にキハ28 2466が留置されていました。越美北線での応援運用を最後に運用を離脱したとの話で、既に助士席側の前面窓や尾灯が外されていましたが、その一方で側面にはパテか何かで補修したような跡がありました。一体どうするつもりなのでしょうか…。


 また、この松任本所までJR貨物の配給列車が1往復設定されており、ちょうどこれに当たる時間だったのですが機関車がEF81 301でした。

 門司機関区所属の車両で、塩害防止のためステンレス外板にコルゲートが特徴的。九州地区では既に運用離脱とされていましたが、北陸地区での車両不足に伴い復帰、貸し出されています。1日で富山機関区に戻る運用にほぼ限定して投入されているらしく、この日もその運用に就いていました。


○第15ランナー 北陸本線普通(475系) 松任14:22 → 福井15:30

 松任から引き返す形で福井に向かいます。ここから乗る普通電車は松任で後続の特急に追い抜かれるため数分間の停車があるのですが、6両編成の最後尾2両がなんと471系のトップナンバーユニット。サハ455形組み込みの増結編成のため6連運用だけ狙っていれば撮影はできるだろうと思っていましたが乗車まで出来るとは!1962(昭和37)年製、今年で46年目ですがまだまだ頑張ってくれそうです。

○第16ランナー えちぜん鉄道三国芦原線普通(MC6101形) 福井15:40 → 福井口15:44

 福井には福井鉄道・えちぜん鉄道の2社が乗り入れていますが、今回はえちぜん鉄道へ。福井鉄道も西武生駅など魅力的ではあるのですが少々時間がかかることもあり今回はパスしました。

 福井口で下車し、近くにある車両基地へ。ここへ来た目的はこのML6形を撮影するため。このML6形は1920(大正9)年製という非常に古い電気機関車で、梅鉢鉄工所(→帝國車輌工業→東急車輌製造)で作られた全長7mほどの小柄な車両。現在は車籍の無い機械扱いとして構内での入換作業に従事していますが、それでも動ける状態にあるのは素晴らしいと思います。

 その脇では阪神5231形の車体を載せたMC2101形が入換中。各地からの譲受車両で構成されるえちぜん鉄道の車両ですが、車体だけ載せ替えたり足回りだけ交換したりと各車両の来歴は複雑なものになっているようで、このMC1201形も足回りは南海の車両のものを使用しているのだとか。

 それから気になったのがこれ。車庫から頭を覗かせていた貨車で、「トラ106」という車両番号とえちぜん鉄道の前身に当たる「京福電気鉄道」の車名が見て取れます。台車を見る限り戦前製なのは間違いないのですが、無蓋車を表す「ト」を冠しながらあおり戸は全て撤去されてしまっているなどかなりの手が加わっています。インターネットで検索してもめぼしい情報が見つからなかっただけに余計に気になります。

○第17ランナー えちぜん鉄道永平寺線普通(MC6101形) 福井口16:09 → 福井16:13

一通り撮影を終え、福井に戻ります。往復ともMC6101形でしたが、新しい車両だけに車内の仕様もグレードが高いですね。座席配置は113系などと同様のセミクロスシートでした。

○第18ランナー 北陸本線普通(419系) 福井16:17 → 金沢18:33(48分遅れ)

 予定より1本早い電車で福井口を出発できたため、ギリギリの間合いながら直江津行きの普通電車に乗り継げました。今回の旅行では初となる419系に乗車。数年前に琵琶湖の湖北路で乗って以来でしたが相変わらずの内装ですね。足下も奥行きも広い座席や異様に高い天井、狭い扉など良く今まで使用してきたなという感じです。

 さて、これに乗っていれば18時前には金沢に到着できる予定だったのですが、途中の加賀温泉駅でこの先の粟津〜笠間が強風により運転見合わせとなっているとの車内放送があり、しばらく足止めを食らってしまいました。程なくして運転再開となったものの、特急が大量に行き交う区間のため、粟津や松任で特急を先行させることになり私の乗る普通電車の遅れはみるみる拡大し、金沢に到着した時には50分近く遅れていました。ちょうど夕方の帰宅ラッシュと重なり金沢駅のホームは人で溢れかえっていました。そこに扉の狭い419系というのを見ると早期整理の対象になるのも仕方ないと思ってしまいました。

 宿へのチェックイン時刻を19時にしていたため特に問題はありませんでしたが、酷い目に遭いました。

○金沢駅で撮影した列車たち

 ホテルにチェックインし一息ついた後、午後9時ごろにカメラと三脚と貴重品だけ持って金沢駅へ。金沢駅は今や日本で最多の定期夜行列車が発着する駅の1つで、今回撮影した「日本海」「能登」「北陸」と深夜帯の「きたぐに」の4本の列車が金沢にやって来ます。うち「きたぐに」以外の3列車は上下とも比較的まとまった時間帯に設定されており撮影しやすいのも特徴です。
 ということでホームに上がると、既に「北陸」編成が待機していました。と言ってもこれは回送扱いで、このあと駅西方に引き上げて機関車を長岡方に付け替えて戻ってきます。
 ヘッドマークが付いていない姿ですが、これはこれで国鉄時代の夜行を思い起こさせます。

 青森行き「日本海」が到着。「日本海1号」だった去年の暮れにシングルデラックスに乗車していました。その時はトワイライトエクスプレス塗色のEF81 104でしたが、この日はローズピンクのEF81 108が牽引していました。

 こちらは七尾線用の415系800番台。和倉温泉の開湯1200周年を記念したヘッドマークが全編成に掲出されているようでした。

 さていよいよメインの「能登」と「北陸」です。入線と発車がそれぞれ3分差のため、「能登」発車までの20分間はこうした並びが撮影し放題です。
 運転区間も経路も同じ列車がこうして2本とも残っているのはまさに奇跡としか言えない光景です。

 電車9両の「能登」と機関車+客車8両の「北陸」では編成の長さが割と同じくらいで、先頭側で「能登」が若干前に出ているため最後尾でも並んでいるのが特徴です。車両に明るさを合わせるとトレインマークが白飛びしてしまうのが難点ですが、それでも見応え充分な並びです。

 「能登」が後に入線し先に発車するため「能登」のみの写真は撮影できませんが、その分「北陸」のみの撮影時間が入線直後と発車直前に3分ずつあります。いやー…何という贅沢な時間でしょうか。この日の撮影はこれで終了し、ホテルに戻って就寝。この翌日、凄まじい巡り合わせに驚かされ続けることになりますがそれはまた後ほど。