2012年10月17日〜18日 石北貨物を撮るために徳山→北海道へ

〇撮影&執筆:リン

 今回の遠征の話。目的は、石北貨物。札沼線電化関連も室蘭地区の711系も全スルー。石北貨物をベースにつまみ食いできる一部のネタだけ拾っていく計画でした。このつまみ食いも、サロンカーなにわの返却回送で減ることになり、ますます石北貨物のためだけに北海道入りをした感が強くなってしまいました。

 5時40分の福山始発の下り列車で行動開始。徳山にまっすぐ向かうだけならもっとゆっくりの出発でも良かったのですが、せっかく西に行くならついでにEF67形でも撮っとけというのが理由。

結果、上手い具合に3号機が来てくれました。ヘッドマークをつけた1号機が交番検査に入ったために運用入りしています。今年で製造から48年、JR線上に残る動態保存以外での車両ではもはや最古参レベル。  西条に1時間ほど滞在してEF67形を堪能し、広島からレールスターこだまで徳山へ。

所長からメールで教えていただいていた通り、徳山駅は橋上駅舎化に向け工事中で、昨年GCT甲種を撮影した2番線からではなく1番線から撮影。どのみち中線に入るので問題はありません。  悪天候のせいか入線を撮影する人はまばら。後続の普通電車で電車追っかけ組が降りてきましたが、それでも10人程度。関東や関西ではあり得ないほどののんびりした雰囲気での撮影でした。



 新幹線ホームから回送列車の発車を見送り、5分後のさくらで新神戸へ向かいます。出発駅を跨いでの遠征は大学時代に数回あったような気がしますが、福山に移ってからは初。そんなに東西のネタを掛け持ちする機会がありません。

 地下鉄、ポートライナーと乗り継いで神戸空港から新千歳空港へ。雨の中を離陸し、雨の中を着陸しました。新千歳に着いたのは午後4時前でしたが悪天候すぎて日没かと思うような暗さでした。ここからレンタカーに乗り込み一路遠軽へ。今回用意されたのはまたしてもフィット。ただ、今回のは三重以来となるECON装備車。おかげで燃費向上がちょっと楽しくなるドライブでした。

 岩見沢から雨の降りしきる道央道〜旭川紋別道路を一気に走り抜け、3時間半休憩なしで遠軽駅前のビジネスホテルに到着しました。ここまで急いでいたのは、石北貨物の上り便(荷主的には往路)の8074レを遠軽駅でバルブするため。20時04分着、09分発というダイヤのため、新千歳からのんびり走っていては間に合わなかったのです。

 ホームでは関東から来られたという先客2名の横で撮影。雨はほんの少しだけパラついている程度で、傘は要りませんでした。  遠軽方の牽引機はB更新色の1086号機で、明日はこれが遠軽〜北見で先頭を務めます。
 無事に撮影を終え、ホテルに戻って1日目終了。パ・リーグCS第1戦をテレビで中継していましたが、完全に日ハム寄りの実況なのは流石。解説の「まいど!」でおなじみの岩本さんも勝ってご機嫌の様子でした。それにしてもなんという長距離移動。位置ゲーのようなものをやっていないので具体的な距離は不明ですが、福山→徳山→神戸→新千歳→旭川→遠軽、と線を引けばだいたいの移動距離になるのではないでしょうか。

 さて翌日。朝5時半にホテルを出発。途中のコンビニで朝食を調達し、丸瀬布を過ぎ下白滝駅を少し過ぎたところにある「白滝発祥の地」に向かいます。後述の146kp(キロポスト)と並び石北貨物の撮影地として著名な場所です。

6時42分に通過。山深い渓谷に沿うS字カーブを、コキ11両をプッシュプルで牽引する2両のDD51形…格好いいですね。露出が上がらず苦労しましたが、何とかなったかな、と。  実はこの日までの運用ではこの撮影時に先頭に立っているのはA更新色の1146号機だったのですが、今日から運用変更となり、B更新色同士でのPP運転になりました。 現時点では北海道でしか見られないB更新色が味わえるのは私にとっては嬉しい誤算。遠目に見れば国鉄色っぽいですし。
 尤も、運用をループさせている残りの1両は国鉄色の1056号機だったので、これが来なかったのは少々残念。ま、運用に休みを合わせられないので仕方ありません。撮れるだけでも万々歳。
 さて、ここから遠軽まで8071レはノンストップ。発祥の地を早々に撤収し、国道をぶっ飛ばせば丸瀬布の国道クロスなどで追い抜けるのだそうですが、そこまで手荒なことはせず、遠軽・安国の停車時間を利用してしっかり先回りできる146kpへ向かいます。
 正直、酷道を走り慣れている私でもダートは別。2WDのフィットで万が一にも脱輪などして立ち往生したらどうしようかという不安はありましたが、結局のところ杞憂に終わりました。
 先に話をしてしまうと、146kpでの撮影後、そのまま林道を道なりに進み金華駅の近くまで走破しています。途中、大きめの石を跳ね上げて足下から堅い金属音が響くことも何度かありましたが、パンクさせたりレンタカーに傷をつけることなく無事に脱出できました。
 さて、ここでの撮影者は10人ちょっと。天候は、まさかの快晴。先ほどの発祥の地では曇り、そこに向かうまでには小雨もパラつく撮影には不向きな天候だったのですが、146kpに着く頃には朝日が眩しいほどに。気温も昨夜から続いてこの時期としては非常に暖かく、夜でも10℃を下回らなかったようです。

 遠くからDD51形のエキゾーストノートが聞こえてきて、それがだんだん大きくなり、そして木の陰から朝日に照らされたDD51形が登場!

 速度が非常にゆっくりということで、三脚にムービーを載せてカメラは手持ちで撮影。
 続けて縦に持ち替えてもう1ショット。

さらに再度横に持ち替え、手前に引きつけて1ショット。

 地元在住で頻繁に通えるのならまだしも、遠方から来ている以上、多少のブレやピン甘を出してでも枚数をこなさなければ…という気持ち故の手持ち撮影でした。 天候が悪ければ、このまま遠軽方面へ撤収するつもりでしたが、予想外の好天だったので欲が出、さらに追いかけることに。と言っても、東相内までは追いつけないので東相内〜北見のどこかでの撮影になります。
 結局、東相内からほど近い踏切で無難に撮影。

 ご覧の通りの曇り!直前まで日が差しており、列車後部も薄日が当たっているのですが…ちょっと残念でした。
 今回の遠征の最大の目的、石北貨物の撮影はこれで終了。すぐさま遠軽方面へ引き返します。 それにしても…一般道を高速で走行しているせいか感覚が鈍って仕方がなかったのですが、各撮影地点の間が離れすぎ。先ほどの白滝発祥の地にしても、遠軽から30kmは離れており、追っかけるという距離ではありません。軽々しく北見の手前まで来てますが、ここにしても遠軽まで小1時間はかかる場所。北海道って広いですね…。


 そんなこんなで遠軽を過ぎ、丸瀬布まで来たところで特別快速きたみと交換したオホーツク1号を後追いで撮影。スラントノーズは無骨な感じがいいですねー。

 さて、丸瀬布と言えば雨宮21号。もちろん、これを撮影するために丸瀬布まで来ました。これが無ければR39を旭川まで走るのが近いですし。そんなわけで、いこいの森まで来たのですが…

 雨宮21号は車庫の中。他の客車も見事に車庫に収まっており、閑散とした状態。運転が土日だけというのは把握してましたが、それ以外の日でもせめて屋外に出してあるぐらいはしてあるのかな、と思っていましたが甘いようです。
 仕方なく、敷地の片隅にある旧型客車だけ撮影してさっさと撤収。旭川紋別道路を一路西へ走ります。 丸瀬布で空振りに終わった後、旭川紋別道を一路西へ。次の目的地へは道央道旭川鷹栖ICが最寄なのですが、有料区間を嫌って比布北ICで一般道に降り、R40〜R12旭川新道経由で向かいます。
 市街地を抜けほどなく行った場所にあるのが次の目的地、旧神居古潭駅跡。

伊納と納内の間に位置していたものの、1969年に函館本線が複線電化されるにあたりルート変更となり廃駅となりました。廃線跡はサイクリングロードとして転用され、駅舎は当時のまま保存され現在は旭川市指定文化財。駅一帯はサイクリングロードの休憩所として整備されています。



ここには3両ものテンダー式蒸気機関車が保存されています。かつてはこれらの大型蒸機が行き交っていたのでしょう。まずは9600形29638。大正時代に製造されながらSL末期まで生き抜いた名形式。

C57 201。C57形のラストナンバー機。

 D51 6。こちらはD51形の中でも初期車ということで、ボイラー上の長いキセから「ナメクジ」ともあだ名される車両です。
 3両とも保存状態は抜群。特にD51形は修繕された直後なのかピカピカでした。保存車両と駅舎以外特に何もないですが、これは来て正解の場所です。また、周辺も石狩川の急流を望める景勝地として知られる場所。アクセスはクルマでないと少々難しいですが、お近くにお出での際は是非。
 このあと、時間的に近かったオホーツク4号を納内駅近くの踏切で適当に撮影し、三笠町へと向かいます。ここでガソリンが尽き、給油。 寄り道が少々過ぎたのでやむを得ず道央道でショートカット。三笠ICから三笠市街へ向かうものの、ここでまさかの夕立。一瞬にして土砂降りとなり、仕方なく駐車場に着いたところで待機。遠くの空が明るかったので15分ほど止むのを待ちました。

駐車場、とは三笠鉄道村クロフォード公園の駐車場のこと。ま、三笠に来たらやっぱりコレですよね。4年前の訪問時はだいぶ痛んでましたが綺麗に整備されたということで見に来てみました。やっぱり編成での保存は綺麗で良いですね。

こちらはDD51など。

幌内ゾーンは足早に撮影。

何両かが行き場を失って(?)駐車場の片隅に並べられていましたが、展示車両自体が何か目新しいというわけでもないので、本当にあっさりと撮影するのみでした。


ここまで急いでいたのはレンタカー返却の時間と、あと1カ所残っていた訪問予定地をうまく回るため。寄り道やら夕立やらで意外と時間が削られてしまっていました。

そんなわけで次に向かったのは旧万字線朝日駅。ここは万字線鉄道公園として整備され、梅小路にもいるB20形1号機が静態保存されています。  幌内とは山1つ挟んだ隣ですが、大きく回り道しなければならないので意外と距離がありました。  さて、事前情報では保存状態は今ひとつとのことでしたが、現在の姿は…


冬・支・度。確かにこの日の夜は一気に冷え込み平野部でも積雪だったとのことでしたが…ちょっと早すぎないですか?  まあ、大事にされているということで好意的に受け止めておきましょう。来年もし来ることがあれば再訪ですね。そんなこんなで僅かながら時間が余ってしまい、千歳市内に到着してももうちょっと時間がありそうだったので、ちょうど通りかかったサッポロビール庭園駅でちょっとだけ撮影。

 15分ほどの滞在だったので789系エアポートすら来ないほどでしたが、733系は来ました。731系と似てますが帯色やLED表示器など違いが結構ありますね。
 千歳市内のセルフスタンドで満タンにし、無事に定刻にレンタカーを返却。2日で755kmの走行でした。空港に移動後、「新千歳なう」なブログエントリーをして19時10分に出発。しかし、この時は知らなかったのですが、台風が急に速度を上げていたために南に向かう飛行機に対して向かい風となり、着陸前にしこたま揺さぶられつつ定刻から15分遅れでの到着となりました。
 現地での移動はともかくとして、北海道に行くまでの旅費が往復35000円ほど。東京に行くのとさほど変わらず、これは今後「札幌でネタがあるからちょっと日帰りで行ってくるわ」などというのが冗談抜きで可能になりそうです。待ったなしの各地のDD51形、2012年は徹底的に追いかけてきました。鷲別・愛知・門司。貨物機は各地をきっちり制覇できたのは嬉しい限りです。

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