2013年5月9日・10日 山から山へ!喫茶マウンテンと黒部アルペンルートを堪能する

〇撮影&執筆:リン

 月前半の連休で立案から遂行までが少々急だったものの、元々選択肢がそんなに無い行程なだけに大したことはありませんでした。
 連休で中京地区に出向き貨物の撮影とか喫茶マウンテンの訪問とかやろうと考えていたのは以前からだったので、それを短縮させつつ「雪の大谷」で名高い立山黒部アルペンルートの訪問を組み込みました。
 北からか南からかについては、北からのルートではまず富山に行くまでに時間を消費してしまうということで南からとしました。

 5月9日午前4時48分。いつもの普通電車に乗って福山から岡山へ…となるはずだったのですが、西阿知駅で抑止。どうやらこの日の午前1時半頃に庭瀬〜中庄で人身事故が発生したらしく、それの現場検証などが長引きまだ運転再開となっていなかった模様。結局、岡山へは32分遅れて6時19分に到着しました。

 これでは当初予定していた「のぞみ104号」はもちろん6時20分発の「のぞみ106号」も間に合わないと考え、たまたま居合わせた津山線のラッピング車を撮影。

 案の定と言いますか、もう1両のラッピング車とは切り離されて運用入りしていました。

 さて、新幹線ホームに向かうと先述の「のぞみ106号」がまだいました。どうやら私の乗っていた電車か他の電車からの乗換客を待っていたらしく、4分遅れでの発車に間に合ってしまいました。これは不幸中の幸いです。
 若干混み合い始めたあたりで名古屋駅に1分遅れで到着。


 ここで少々撮影。中央線は今でも211系が充分に幅を利かせているといった程度に残留しており、運用次第ではこのような3+3+4の10両編成も朝夕には見られます。
 もっとも、少しずつ313系も進出しているようですが。

 その一方、今春のダイヤ改正で「セントラルライナー」が廃止され微妙な存在の313系8000番台。現在は共通運用なのか依然として独立運用なのかは不明ながら普通電車に混じっていました。ちょっと豪華な作りの313系という程度で一般運用にも充分応えられるのですが、少なくとも塗装は一般車と同じになってしまいそうな気がします。

 適度な間合いで清洲へ。

 到着早々に貨物線で待機していたキヤ97系を撮影。名古屋駅で撮影中に稲沢方面に走り去るのを目撃していました。撮影済みなので躍起になることはありませんが見かけられれば嬉しいもの。

 1653レ。EF64形の運用ということで、マウンテンに向かう前のメインターゲットです。
 何の変哲もない大宮更新色のEF64形ですが、既にEF64形ってだけで狙う価値があるような気がします。

 この貨物はちょうど普通電車の発車直後に清洲駅脇を通過するので、そのまましばらく待機するつもりでしたが、乗客に急病人が出たために清洲を4分遅れて発車。おかげで1653レの撮影後素早く清洲を離れられました。というかあちこちで遅延多すぎ。


 途中で追い抜いてしまったので、せっかくだからと名古屋駅でもう1回撮影。

 ここから喫茶マウンテンに向かうべく地下鉄桜通線に乗車し、御器所駅で鶴舞線に乗り換えていりなか駅で下車。八事日赤からの方が微妙に近いようですが、私はこちらのルートですな。わかりやすいですし。
 あとmanacaエリアでICOCAが使えるのはやはりありがたいです。

 さて、2年ぶりとなる喫茶マウンテン。知る人ぞ知る名店もとい迷店。マトモなメニューもあるのですが一部のぶっ飛んだメニューのインパクトが強すぎてそっち方面で全国的にその名を轟かせています。


 店舗外観。普通の小綺麗な喫茶店ですが、数年前に改築したおかげでこの状態なのだそうで、それ以前は非常に………な状態だったそう。
 上の写真からも分かる通り、客はそんなに多くありませんでした。時間も午前10時、朝飯の時間帯を過ぎ実際に暇な時間です。


 席に着き、一応メニューを確認し注文。既に注文する品は決まっていましたが、念のため。

 厨房も暇していたようでそんなに待つことなく注文した料理が運ばれてきました。


 その名も「甘口いちごスパ」。1000円。冬〜春の限定メニューと言うことで2回目の登山ながら挑戦することにしました。
 太めのスパゲッティをいちごシロップと小さめのイチゴと一緒に炒め、キウイフルーツと生クリームと生のイチゴを盛りつけたインパクト抜群の一品。
 …と言いたいのですが、インパクトは前回登山時に制覇した「甘口小倉抹茶スパ」の方が上かと。

 さっさと食べないと熱々パスタのせいで生クリームが溶けるので、写真を撮ったらすぐいただきまーす。


 4分半経過。既に半分といったところ。
 先述の抹茶よりも難易度がかなり低く感じられたのは「ただ甘い」から。抹茶の方は甘さもありましたがそれ以上に抹茶の苦みが強烈でした。それに対してこれはただただ暴力的な甘さ。キウイフルーツや生のイチゴの酸味が良い変化球となることもあり食べやすいです。
 ただ、やはりシロップの糖分が結晶化して麺にこびりついている部分や油でギットギトになっているあたりはマウンテンのクオリティがしっかり出ています。


 結果、7分半で難なく登頂。…と書くと簡単そうですが、甘党でなければ逆に遭難する危険性が高いです。あと、ノンビリ食べていると満腹中枢が拒否反応を起こすので、そうなる前に腹にブチ込む戦法を採ったというのもあります。

 意外と呆気なかったので、デザートを追加しようかとも思いましたが、貨物の時刻が迫っていることと、何より直後に何ともなくても後からジワジワ効いてくるのでここで下山。再び清洲へと戻りました。

 ちなみに、この間合いで妙な方向に重たい食事をしたせいでこの日の食事のリズムは崩壊。清洲での撮影を終えて名古屋駅に戻った午後4時前にきしめんを食べるまで何も食べず、ホテルに着いてからもLチキとおにぎり1個で済ませました。きしめん直前の空腹感が来てようやく消化しきれたことを実感したほどでした…。

 清洲に戻って早々に背後からキハ11形の試運転がやってきました。


 さっさと戻ってきて撮影したかった79レ。本日は891号機と893号機の更新色+原色の重連。この後も何度か凸凸は撮影したものの全て更新色同士か原色+更新色でした。今月末の岡見貨物は果たして…?


 この日は時間帯のせいかやたらとEF66形が多く、EF210形よりも圧倒的に多い撮影回数でした。こんな感じで単機回送までやってくる始末。
 0番台は来ませんでした。27号機も36号機も西の方で元気に運用入りしていたそうです。


 毎回被られそうになり、毎回それを失念して撮影に臨む81レ。この日は機次位3両が空車で残念!

 この後もしばらく清洲で撮影を続け、頃合いを見て隣の枇杷島へ。
 美濃赤坂へ向かうホキ貨物が旅客線経由だったことを思い出し、撮影しづらい清洲よりも多少はマシな枇杷島で撮影することにしました。

 まずは試し撮り。6両ならホームや信号に被らず割と綺麗に撮影できるようです。というかバリ順になるんですね。


 程なくして定刻に現れた5783レ。標準レンズで他の障害物もまとめて写し込むのであれば全部入るのですが、敢えて望遠レンズで後ろを切り捨てました。


 こちらの試2754レはできれば清洲で側面に日が当たる状態で撮影したかったのですが、5783レから時間が空いていなかったのでそのまま枇杷島で撮影。といっても条件が悪いわけではないようです。
 ただ、原色の853号機充当ならやっぱり多少なりとも光線の良いところで撮影したかったかも。

 それにしても始終甘い匂いがあたりに漂っていたのが気になりました。すぐ横に某お菓子メーカーの工場があり、風向き次第では駅の方に工場から出る甘味料の匂いが流れてきているようです。さっき甘いものを食べたばかりで割と堪えますね…。

 枇杷島で撮影したい列車はこれで終了。またまた清洲へ戻ります。

またまた戻ってきた清洲。もうちょっと撮影したい列車があります。


 3084レ。沿線でカメラを用意している人がいたのですが、これがお目当てだったようです。1047号機が大宮色になったことから、この1056号機もいずれ塗り替えられるんでしょう。元の国鉄色を思わせる色で好きなんですがねえ。


 チェックしていないタイミングで何か来たと思いカメラを向けるとDD51 1801とEF66 119の重連単機でした。EF66もちゃんとパンタを上げての走行でした。朝方に1本あった同様の形態の貨物はEF66の単機牽引に切り替わりましたが、今でもこの重連が見られるんですね。

 これでようやく清洲での撮影が終了。次の電車まではまだまだ時間があり、その間に凸凸が数本あるのですが、運用を確認したところ原色重連は無いということで名古屋で軽く撮影することにします。

 まあ、こんなもんでしょう。後補機の825号機が先頭だったらもうちょっと場所の選定に迷ったとは思いますが。


 名古屋駅は夕方になると下り列車が順光で撮影できるということで、313系や「しなの」などを撮影。うむ、良い日当たりです。


 ふと新幹線ホームに目をやるとピカピカのN700系が。単なる全検後の試運転だろうと思っていたのですが、車両番号が2000番台になっていた上に側面のロゴにも変化が。
 調べてみると、在来のN700系0番台(Z編成)に定速走行装置などN700Aに採用された技術の一部を追加した編成らしく、そのために改番と編成番号のアルファベットがZ→Xに変更されたようです。
 いずれ各編成に施工される工事なので焦る必要はありませんが、改造1本目の出場試運転なら撮影しておきたかったかな…。

 この後ドクターイエローもやって来ていましたがこちらは完全にスルー。


 さて、ただ早めに清洲を引き揚げてきたわけはなく、ちゃんと目的もあります。
 それがこの5767レで、岡見貨物と同じく炭酸カルシウムとフライアッシュを輸送しています。
 この日は原色の1040号機の牽引ということで、順光で狙える場所として名古屋駅をチョイスしました。
 編成後部に影がかかりましたが、良い感じに決まりました。


 あとは私の乗る「しなの21号」まで時間潰しに撮影…と思っていたところに211系10両編成が入線。慌ててカメラを向けたせいでやや露出アンダーになってしまいました。


 折り返しの間にきっちり撮影。朝も同じカットで撮影しましたが、撮れる時に撮るのが一番。

 17時40分発の「しなの21号」で名古屋を後にし今夜の宿のある松本へ。先月28日以来の長野県入りです。今年に入って既に3回目。東京よりも地理的に近くて時間的に遠い場所だと言うのにどういうことなのでしょうか。

 翌朝。6時過ぎにホテルをチェックアウトし、駅前の松屋で朝飯。…旅先でぐらい良いものを食べたいのですが、やはり財布の中身を気にしてしまいます。


 さて、ホームに降りると電留線に211系と115系が並んで留置されていました。211系の顔はどう塗っても無難なデザインとして収まりますね。


 「しなの2号」。この後の「おはようライナー」さえ撮影できればそれで良く、時間潰しではあるのですが、来るならキッチリ仕上げておきましょう。


 で、お目当ての「おはようライナー」。松本駅では2番線の到着で、影に目をつぶればなかなか良い感じに撮影が可能でした。


 この日はN103編成。両端のクハ188形はサハ481形の先頭車化改造車ということで、種車時代のままのステップ付き乗降扉が特徴。
 国鉄色よりもまずは長野らしいこちらの方が撮影できて良かったかも。


 さて、松本駅構内の案内表示ですが…まだ「松本電鉄」。まあ、いきなり横文字の名前では通りづらいのかも知れませんが、2年前の話ですよ…?


 その松本電鉄上高地線は大糸線とホームを共有。改札すらなく、そのままJR線に乗り入れていきそうです(線路が繋がっていないので無理)。


 3000形の運転台に掲出されていた案内板。上高地線のイメージキャラクター「渕東(えんどう)なぎさ」だそうで、上高地線の「渕東駅」と「渚駅」が名前の由来となっている様子。その命名センスは鉄道むすめと同じですが、こちらは完全オリジナル。何やらラッピング電車も存在するようで、これはまたしても長野行きフラグが…。


 115系と211系は先程とは別の編成がホームでも並んだので改めて撮影。115系がどの程度の勢いで置き換えられるのかにもよりますが、過渡期の貴重な記録ということで。

 さて、7時48分発の大糸線の電車で信濃大町へと向かいます。車内は通学の高校生で混み合ったものの、穂高駅を出る頃にはガラガラに。

 途中の信濃常盤駅ではE127系と交換。こちらはしばらく続く光景でしょうな。

 さて、いよいよ立山黒部アルペンルートへと進んでいきます。

 信濃大町駅で降りてどこで立山までのきっぷを買うのか探そうとしたところ、改札の真横でJR東日本の方々が販売してらっしゃいました。もちろん即購入。ちゃんと現金を用意していたので慌てずに済みました。

 まずは右に写っているバスで扇沢駅へ向かいます。


 少々の早着で扇沢へ。最初のバスこそガラガラでしたが、ここからツアー客も混じるようになりいきなり混雑。そして日本語が聞こえねえ。中国・韓国・台湾からの観光客が大半と、僅かながら欧米の方も混じるという状態。しかもアジア圏の方々はツアーなのでその一団があちこちに、という感じでした。


 というわけで、関電トンネルトロリーバスは4台のバスが続行運転。尤も、信濃大町側の起点に当たるこのトロリーバスは朝方が混みやすいとのことで、きっといつものことなのでしょう。
 全く調べていませんでしたが今年は黒部ダムの完成から50年の節目の年らしく、車体にはラッピングが施されていました。ただし、正面と左側面の2面のみ。普段見えない右側面と後部には何も貼られていませんでした。


 黒部ダムに到着。当初は晴れ予想でしたが天候の悪化が早まり薄曇りの状態に。加えて水位も低く、決して最高の眺めというわけではありませんでしたが、眼下に広がる巨大建造物にはただただ圧倒。そして広角レンズで背後の山々まできっちり写し込めて満足。


 ダムの上から。つくづく青空が見たいと思いました。これで抜けるような青空だったらさぞ感動的な絶景となるのでしょう。


 お次は黒部ケーブルカー。ケーブルカー自体、小学生の頃に天橋立に行った時に乗って以来でした。


 ちょうど最後に乗り込んだため、発車前に一旦外に出て側面を撮影。勾配に合わせた車体は面白いですが、これを工場で作る時ってどうしてるんでしょうね?


 黒部平駅に到着し、乗換までの待ち時間に一旦外へ出てこれから乗ることになる立山ロープウェイを撮影。
 …スケールがデカ過ぎて何が何だか。一応、ゴンドラも写ってはいるのですが。


 乗り込む前に撮影が出来なかったので、大観峰駅に着いたところで立山ロー-婦ウェイのゴンドラを撮影。2012年大阪車輌工業製との銘板が車内にあり、アルペンルート内で最新の車輌ということになります。
 余談。
 大観峰駅に設置されていた公衆電話。ケータイの普及で公衆電話自体がレアなのにこの機種は本当に久々に見ました。
 さて、大観峰駅からは立山トンネルトロリーバスでの移動。

 ここで本来であれば11時45分の便まで待たされるのですが、室堂側からの客を捌くためなのか、11時30分発の臨時便が運転されていたので展望台をパスしさっさと乗車。おかげで車内は驚くほどガラガラ。最前部の席も余裕で確保できました。


 ただ、車両の全景は少々撮影しづらい場所に停車したせいでごれが限度。


 8000形の検査表記。トロリーバスも一応は電車なので全般検査なんですね。検査周期は3年ですか…。

 室堂駅に着くともの凄い人。ちょうど雪の大谷ウォークの開催直後で最も積雪が多い時期だったせいでしょうか。


 それでも、見て回るのには不自由しない程度の人出でした。
 両側にそびえる雪の壁は圧巻の一言。


 こちらは雪のカレンダーということで、昨年秋の積雪開始から節目ごとに旗をつけ、いつ降った雪がどこにあるかを示したもの。ところどころ、一旦溶けてザラメ状になっているところもありました。


 ここが雪の大谷の最終地点にして最深地点。この日の積雪は何と17m。脇をすり抜けるバスと比べても圧倒的な雪の壁。元々豪雪地帯なのに加えて吹き溜まりとして余計に雪が溜まる場所なんだそうですが…そりゃ夏まで消えずに残ります。

 一旦室堂駅へ戻り、みくりが池の方へ。こちらは見渡す限りの大雪原。日本の屋根とも称されるアルプスの山々がすぐ目の前にあります。

 尾根付近ではハイマツが雪の下から顔を出しています。このハイマツ林の中にライチョウが棲息しているとのことで、実際この日もこの写真に写る木々の中にライチョウがいたそうです。ただ、その写真が無いことからもお分かりの通り、私がいる間は出てきてくれませんでした。

 あとは下るだけ。バスで標高差1,500mを駆け下り、立山ケーブルカーを経て富山地方鉄道に乗車。ここでの接続便は1日1本だけの特急「アルペン」。立山を出ると寺田までノンストップです。

 寺田からも普通電車に接続しており、無事に電鉄富山に到着。京阪色の10030系は、稲荷町を出た直後にすれ違ってしまい撮影できませんでした。


 市内線は華麗に無視してさっさと富山駅構内へ。小1時間程度ですが撮影に臨みます。
 …521系はどこへ?普通電車は全部475系でした。


 高山本線のキハ120形。2両目は沿線の名物が描かれていました。


 私の乗る「サンダーバード」の2本前を走る「北越6号」は3000番台でした。「北越」は折に触れて狙っていますが、いつも1000番台なのでたまには3000番台もアリでしょう。

 いつも富山から帰る時は18時前のサンダーバードなのですが、今日は16時11分発のサンダーバードで早めに大阪へ。
 大阪駅でキハ189系「はまかぜ」だけ撮影し、こだまを乗り継いで福山へと帰りました。のぞみで一気に帰るのも悪くありませんが、ガラガラで広々とした座席のこだまも良いものですね。

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