2013年9月24日・25日 小浜の文化財と福井鉄道・えちぜん鉄道の旅

〇撮影&執筆:リン


例によって夜中に移動を開始し、翌朝到着したのは餘部。旧橋梁が「空の駅」という展望施設として整備されたとのことで向かったのですが、入れるのは9時半から(季節によって変動あり、とのこと)。仕方ないのでこちらも整備されたお馴染みのお立ち台から撮影。


丹後あかまつ1号をどこで撮るか悩んだ結果、天橋立駅で迎え撃つことに。見事な水戸岡センス炸裂ですが、乗ってみたいと思わせるのが氏の凄いところ。


 せっかくなので登ってみました。18年ほど前にも来たのですが、その際も今回と同じ南側からでした。北側の笠松公園にはケーブルカーもありますし、これはまた行かねば。
 ちなみに股のぞきは腰痛のため断念。

 クルマを走らせて、午後2時半に小浜市に到着。今回の旅行では、小浜市にあるという福井県で唯一の国宝建築を見るというのが当初から予定に入っていましたが、詳細な場所までは見ていなかったので休憩と情報収集を兼ねて道の駅若狭おばまに立ち寄りました。
 続いて向かったのは、「鵜の瀬」と呼ばれる場所。東大寺二月堂の修二会で行われる「お水取り」に対して「お水送り」を行う場所。東大寺と小浜の意外な接点です。


 遠敷川のそばに位置しています。先日の台風の際には濁流と化していたとのことで、橋脚に流木が引っかかったままになっているなど爪痕生々しい状態でした。
 ちなみに、現在のお水送りは後述の若狭神宮寺が主体となって行われています。


 その若狭神宮寺は鵜の瀬から車で数分下った場所にあります。現在はひっそりとした雰囲気ですが、国重文の建造物を2件擁しています。
 写真の仁王門がその1つで、鎌倉末期の築。その他の伽藍は全て失われており、仁王門から参道までがまるで田んぼ道のようになってしまっています。




仁王門に安置されている金剛力士像。南北朝時代の作ということで、仁王門建築当時の像ではないようです。長年の風雪のせいでかなり痛みが激しいですね。


 本堂は室町時代に朝倉義景の寄進により再建されたものが現在に伝わっており、国重文。堂内には本尊の薬師如来座像を始め、脇侍の日光菩薩・月光菩薩、十二神将などが安置されています。拝観は可能ですがもちろん撮影不可。

 続いては、山一つ挟んで隣の谷にある明通寺へ向かいます。若狭神宮寺からは農道のトンネルで抜けられるので車だと10分弱。


 明通寺は坂上田村麻呂が創建したと伝えられる古刹。やはり雰囲気が違いますね。
 まずくぐる山門は江戸中期に再建されたもの。ただ、安置される金剛力士像は鎌倉中期の作で、こちらも神宮寺と同様に痛みが激しいものの市指定文化財です。

 拝観料を払い、石段の参道を進むと本堂が見えてきます。


 この本堂と、後述の三重塔が福井県に存在する国宝建築。どちらも鎌倉時代に、衰退しかけた寺を立て直した僧頼禅により建てられたもの。
 度重なる火災で創建当時の伽藍や仏像・書物などが全て灰燼に帰してしまっており、寺勢も衰えていたところで建てられたもので、同時代の建築に共通してみられる檜皮葺の軽快な屋根と、装飾の少ない堂内という特徴を備えています。

 本尊はこちらも薬師如来。ただ、脇侍が日光・月光菩薩ではなく向かって左に深沙大将、向かって右に降三世明王となっているのが特徴的。いずれも平安後期か鎌倉初期の作と見られ国重文。本堂よりも古い制作年代なので、出自が気になりますね。
 こちらは若狭神宮寺と違い、諸仏を間近に拝観できるのでお勧めです。


 こちらが三重塔。通常の仏塔であれば心柱が初層から伸びるのが普通ですが、この塔では初層は四天柱を組みそこに仏壇を備え釈迦三尊像と阿弥陀三尊像を安置するという仏堂風の作りになっています。
 さらに四天柱と四面8カ所の壁面の計12カ所には十二神将を描いています。建立当時から描かれていたようですが、現在の彩色は元禄年間の補修の際のものとのこと。それでも非常に綺麗で見応えがあります。
 普段は三重塔初層は公開されておらず、前述の三尊像も秘仏扱いなのですが、現在は期間限定で公開されています(外から見るだけで塔内は立入不可)。


 明通寺では信楽焼のタヌキが托鉢してました。

 本来はもっとたくさんの寺を巡ってみたかったのですが、時間の都合もありこの2カ所で小浜を離れました。


 おまけ。申し訳程度の小浜での鉄道要素。

 翌朝は福井鉄道の撮影に挑戦。





 200形自体は3編成とも動いていましたが、朝ラッシュ時ということもあり併走する車に泣かされてばかり。大柄な車両が軌道区間を行くというのがここの醍醐味でもあるのですが、やはり車両を重視したい身としては鉄道区間でキッチリ撮影しておきたいものです。


9FUKURAMを市内で撮影する予定でしたがパスし、代わりに越美北線の普通列車を1本だけ撮影。2本目は数時間後ですし…。


 さらに勝山へ移動し、勝山駅に保存されているテキ6形を撮影。



 勝山駅舎。国有形文化財ということで、これも今回の旅で撮影した歴史的建造物に入りますね。


再び福井鉄道へ。

 市内で諦めたFUKURAMは、福井を離れる前に三十八社駅で撮影しておきました。車内ガラガラ。


途中の北陸本線は全て省略し、新疋田駅へ。到着間もなくしてトワイライトエクスプレスが札幌に向けて通過していきました。最近はEF65形で見慣れているので妙に新鮮です。


サンダーバードの離合


 そのまま湖西路を走れば福山に近いのですが、この後の予定もあり米原経由で。
 もちろん、ここ柳ヶ瀬トンネルも通過しておきました。幸か不幸か信号待ちの先頭だったので、撮影も楽に済ませられました。洞内の撮影は流石に無理でしたが。


締めはここ、豊郷小学校旧校舎。もはや説明不要。


 前回の訪問がいつだったかは忘れましたが、私自身2回目なので大した驚きもないのですが、前回は超広角レンズを持っていない頃に訪問したので、来た意味は多少なりともあります。やはり室内の撮影には持ってこいのレンズですね。

 そんなわけで、16時30分に豊郷を出発し、途中栗東のガソリンスタンドで今回の旅行唯一の給油をし、下道の渋滞を嫌って瀬田西ICから名神に入り、さっさと帰りたくなったのでそのまま福山まで高速を乗り通し22時過ぎに無事に帰宅しました。

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