1-a.はじめに

 2010年の8月、裏辺研究所所員一行で青森旅行を敢行した際、なんとイギリス在住ながらもこの旅行に参加した秩父路号所員は、帰りの列車の中で所長にこう言ったそうな。
「こんど是非、(私が住む)ロンドンに遊びに来てください。」

 普通であれば社交辞令で終わるのが世の常ながら、旅行好きの裏辺所長の反応は違ったそうな。
「そうか、彼に全てを任せれば英語が話せなくてもヨーロッパを観光できる!」

 これまでの海外旅行の実績は、台湾を皮切りにソウル、大連&瀋陽(中国東北部)、北京、香港&マカオと、日本の近所しか行ったことがありません。ここで一気に中央アジア、中東をすっ飛ばしでイギリスにまで行ってしまえと、決意したのでありました。ついでに、なかなかヨーロッパ圏に行く機会も無いわけですから、花の都であるパリも見てしまえ、と密かに決意するのでありました。


 さて、そうすると出発日の設定ですが、仕事の都合上なかなか長期間の休暇は取れません。必然的に年末年始にせざるを得ませんでした。太陽が出ている時間が短いのは残念ですが、極端に日本と日の出・日没が違うわけでは無いようなので、効率よく回ればよいでしょう。


 そして旅の道連れをもう一人・・・と、白羽の矢を立てたのが大学時代からの友人、味野源次氏。香港・マカオ旅行で所長の弾丸旅行ぶりは経験済みですし、この世界の旅コーナーで掲載しているとおり、10年前にロンドンもパリも行ってられます。当時、行きたかったけど行けなかった場所も多々あるそうで、快く同行を承認していただけました。


 さらに秩父路号所員は我々の旅行全ての日程にお付き合いいただけるとのこと。インターネットで連絡も簡単に取り合えるので、ロンドン・ヒースロー空港での集合時間と場所や大まかな観光の日程、当方のホテルの場所も打ち合わせし、年末年始を待つのでした。新年を海外で迎えるのは初めて!


1-b.成田出発〜イギリス入国

 さて、2010年12月28日。藤沢の自宅を出て向かった先は京成電鉄の上野駅。偶然にも3300形のリバイバルカラーが停車していたので撮影しました。そして我々の出発を、なんとグロッグフロッグ所員が成田空港まで見送ってくれるとのことで、合流します。

 成田空港へはグロッグフロッグ所員の事前手配で、京成電鉄の新型スカイライナーに初めて乗車します。いやはや、とにかく速い!神奈川県に住む身としては、大船まで直通してくれるJRの特急成田エクスプレスも捨てがたいですが、ともあれ京成の新型車両と新路線「成田スカイアクセス」の威力を見事に感じました。

 車内の様子。床がまるで宇宙のような色合いで凄いですね。

 空港第2ビル駅に到着。随分と明るいホームですね。

 そして成田空港駅の改札を出たところのauショップで海外用携帯電話のレンタルの手続きをし、続いて成田空港でチェックイン。その後、しばしグロッグフロッグ所員と成田空港で飛行機を撮影します。ただ、意外と撮りにくく、収穫も少ないものでした。

 数少ない成果の中から。JALのこの塗装を見たのは初めてでした。

 ブリティッシュ・エアウェイズのボーイング747。我々はJALでロンドンに行くので、今回乗るわけではありません。

 成果は以上(笑)。とりあえずグロッグフロッグ所員に年末年始の裏辺研究所ホームページの管理を任せるにあたっての簡単な引継と、グ所員と味野さんがアニメトークで盛り上がる時間が取れたのは良かったですね。

 さて、グロッグフロッグ所員の見送りを受けた後、出国ラッシュ1日前のためか、出国審査は意外なほど空いていて直ぐに終了。私としては久しぶりの日本航空に乗って、いよいよ出発します。


 なお、慢性的に下痢気味の私は通路側に座席を確保したため、空からの風景の写真は殆ど撮影できず。フィンランド上空にて、ようやく1枚撮影しました。もっとも、それ以前に飛行機の全ての窓が閉められ、食事の時間以外は機内は真っ暗。読書灯を使える雰囲気ですらなく、せっかく買ったポメラというポータブルワープロも、原稿執筆を考えていた日本史関連の本も全く役に立たず、無駄に荷物を増やす結果になりました。

 ちなみに読書灯、周りの迷惑を顧みずに付けてみたところ、背の高い味野さんに光がモロに当たるだけで、私の手元には光が届かないというオチが待っていました。


 こちら1食目の機内食。

 フィンランド上空で、ようやく1枚外の風景を撮影。さ、寒そう・・・。

 パスタを主体とした2食目。とても美味しかったのですが、到着2時間前に出てきたので、空腹が半端じゃなかったです。なにしいろ、半日近いフライト時間ですからね・・・。

 現地時間で12月28日の午後2時30分ぐらいに到着。

 イベリア航空!初めて見ました。
 ヒースロー空港で撮影タイムも悪くないなあ、と思いつつも秩父路号所員の待つ場所へ向かいます。そして入国審査や預けて置いた荷物を受け取りのに時間がかかり、30分以上経ってから、ようやく秩父路号所員と合流します。この合流が上手く行くかが不安要素の1つでしたが、あっさりとクリアしました。

 いやあ、とうとうイギリスに上陸です。感慨深い・・・。2階建てバスだらけ。

 さて、それではホテルに案内していただこうか・・・と思いきや、「来る途中で、ブリティッシュ・エアウェイズの保存機、コンコルドが間近に見られる場所を発見しました!」と秩父路号所員から報告が。では、バスで行くとしましょう。

 バスで空港の周りを進み、降りた場所に・・・いました!コンコルド!!
 窓が小さい!そして、先端が非常に尖っています。

 さらにボーイング757も近くに留置されていました。もちろん、両方とも初めての撮影。秩父路号所員もコンコルドを見たのは初めてだそうです。というわけで、記念すべき初ヨーロッパの写真、1つ目はコンコルドと相成りました。

 そして、ここから地下鉄ピカディリーラインに乗って宿泊先へ向かいます。

 ホテル最寄り駅であるハマースミス駅に到着(滞在中、ずっとハンマースミスと勘違いしていましたが、正しくはハマースミスだったんですね。まあ、正しい発音としては両者の中間みたいな感じでしょうけど)。

 そしてご覧ください、こちらが地下鉄でございます。

 こう、何ともいえない不思議な形状の列車。車内はかなり狭く、日本で言えば大江戸線を想像していただければ解りやすいと思います。大柄の西洋人の体格には不思議な構造なのですが、地下鉄の開業が非常に古いことが原因のようですね。

 ちなみにハマースミス駅は地下鉄ディストリクトラインと同一ホームで乗り換えが可能。こちらの車両は、それほど狭くなさそうですね。

 で、お分かりになるでしょうか。ピカディリーライン(左)の車両は、ホームより車両の床が低く、ディストリクトライン(右)の車両は、ホームより車両の床が高い状態でございます。

 さて、ホテルにチェックイン。JTBに手配してもらった宿泊チケットを見せるだけでOK!
 ・・・という話だったのですが、現実的には色々と説明があったり、朝食をどうするのかなど、質問も。そして・・・いくらリスニングが苦手とは言っても、ゆっくり聞き取れば何とかなる!と思っていたのが甘かった。フロントの方は、ものすごい流暢な本場の英語。顔は笑っていましたが、意味がわからず混乱する所長&味野のために「ゆっくり」と喋ってくれるような気はナッシング。

 ということで、先生よろしくお願いします。
 もう早速、秩父路号所員に全てを託したのでありました。ええ、これは一人ではイギリスには二度と行けません。