6.サイエンスミュージアム その1

(前回はここをクリック)
 ヴィクトリア&アルバート博物館を超特急で見学した後、道路を挟んで西側にあるサイエンスミュージアムへ。だいぶ暗くなってきました。今日は引き続いて、ロンドン自然史博物館も見ないといけません。まあ、とりあえずサイエンスミュージアムは雰囲気だけ堪能するぐらいかな?

 ・・・なんて考えていた私が甘かったです。見所満載過ぎて、もう凄すぎ。
 まず1階入口周辺は産業革命に使われた蒸気機関に関連した展示。どうやら、ジェームズ・ワットの蒸気機関を保存展示しているもののようです。

 V2エンジン(1944年製造)。

 RL−10エンジン。NASAが1962年に開発したもので、宇宙ロケットに搭載しました。

 J2エンジン。サターンVロケットに使用され、アポロ11号の月面着陸を実現させました。

 そしてアポロ11号(もちろんレプリカ)も展示。こんな大きさ・構造だったとは初めて知りましたし、そもそもこんな展示があると思ってもいなかったのでかなり感動しました。

 月面着陸の様子も再現されています。

 ここからは交通機関の展示。蒸気機関車に飛行機に車にと、所狭しと並べられています。昔の交通博物館を少し思い出しますね。サイエンスミュージアムの方が収蔵量は遥かに多いですが・・・。

 こちらはパッフィング・ビリー号。ウィリアム・ヘドリーが1814年に開発した蒸気機関車です。

 続いてロケット号。ロバート・スチーブンソンが1829年に開発した蒸気機関車で、1830年9月15日に開業したリバプール・アンド・マンチェスター鉄道(世界初の旅客鉄道)で使用されました。記念すべき、旅客用の蒸気機関車第1号!まさか、ここに実物があったとは思わず、先ほどのパッフィング・ビリー号共々、見られて感涙であります。

 こちらはグランド・ジャンクション鉄道が1845年に開発した、Columbine という蒸気機関車。ロケット号と比べていただければ解りますが、現在の蒸気機関車のデザインにより近づいているのが特徴。

 こちらはアヴェリング&ポーター社が1871年に開発した、蒸気機関で動く牽引車。

 牽引車といってもイメージがわかないと思いますので、説明板に添付されていた写真より。

 こちらは1895年に開発された、フランスのパナール・ルヴァッソール社のType Aという自動車。同年にフランスで開催された世界最初の自動車レースでエミール・ルヴァッソールが乗り、優勝しました。なお、それ以前にも1887年に自動車レースはありましたが、各車のスタートがばらばらで公平性に難があったようです。

 ・・・で、同じ年にイギリスに輸入され、これが最初の自動車の海外輸出となった・・・みたいなことが説明板に書いてありました。翻訳が間違っていたらごめんなさい。

 こちらはフォード・モデルT。フォード・モーター社が1908年に発売し、1927年までに1500万7033台も生産されたもので、ここに展示してあるのは1916年製です。自動車の大衆化はもちろんのこと、大量生産を実現したベルトコンベアによる流れ作業方式の採用など、製造工程にも革新的な変化をもたらした記念すべき自動車です。

 1931年に製造された Foden F1 ディーゼル貨物自動車。蒸気機関からディーゼル機関へと、自動車は進化を遂げました。

 なぜか突如として日野自動車のコンテッサ1300が展示。ここで多摩ナンバーを見るとは・・・。写真の車は1965年に製造されました。

 そして上にも自動車が沢山。コンテッサ1300の1つ上が、サーブ93(1956年製造)、次がフォルクスワーゲン1300(1965年製造)・・・と続きます。

 アブロ 504K複葉機。第一次世界大戦でイギリス海軍航空隊、空軍で使用されたアブロ製の単発複葉機アブロ504の最多量産機のK型で、1918年末までに8000機が生産されました。

 ロッキード L-10 エレクトラ。アメリカのロッキード社が開発した、全金属単葉のレシプロ双発民間旅客機。写真の機体は1935年に製造されました。

 ナチスドイツが第二次世界大戦中に使用したV2ロケット。世界初の軍事用液体燃料ロケット(弾道ミサイル)で、名前の由来は報復兵器第2号 (Vergeltungswaffe 2) より。宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスが命名しました。

 1950年製のACE (Automatic Computing System)。要するに我々のパソコンのご先祖様ということでしょうか。イギリスの国立物理研究所(NPL = National Pysical Laboratory)で組み立てられました。

 そして・・・なんとアポロ10号の司令船「チャーリー・ブラウン」 の実物が!!

 そのほか、いろいろな生活用品も多数展示。非常に見所満載の博物館でした・・・。
 ・・・なんて、これで終わりだと思ったら甘かった。まだまだ、今度は第一次世界大戦で使用された軍用機などが上の階で多数展示されているとか。自然史博物館も早く行きたいのは山々ですが、本やウェブでしか見たことの無い第一次世界大戦中の飛行機が見られる絶好のチャンス。というわけで、次回に続きます。