○ローマ:フォロ・ロマーノ

 世界遺産、イタリアの首都ローマのフォロ・ロマーノ。
 フォロとは広場(英語のフォーラムの語源)、すなわちローマ市民の広場を意味する場所で、紀元前6世紀頃から、ローマが実質的に都としての地位を失う3世紀末頃まで、古代ローマの中心部として数々の歴史を刻んできた場所です。元老院があったほか、定期的に民会も開催されていました。
 現在、その繁栄の跡が僅かに見られる風景は、ユリウス=カエサルが改造に着手し、オクタヴィアヌスこと初代皇帝アウグストゥスが受け継いで一新させたものがベース。それに、この後の歴代皇帝たちが自らの権力を後世に誇示すべく、様々な建築が造られています。
 しかしローマ帝国が東西に分離し、西ローマ帝国の首都がラヴェンダとされると、略奪に遭うようになり、そして西ローマ帝国滅亡とともに、次第に土砂の下に埋もれていきました。
 カストルとポルクスの神殿。
 アントニウス・ピウスとファウスティーナの神殿
 アントニウス・ピウス帝が、亡くなったファウスティーナ皇后を偲んで141年に建設させたもの。

 セプティミウス・セウェルスの凱旋門
 セプティミウス・セウェルス帝のパルティア遠征勝利記念に、203年に建てられた門。高さ23m、幅25mです。なお、写真右手後ろに少しだけ写っているのが元老院。現在の建物は20世紀に復元されたものです。

 サトゥルヌス神殿
 8本の円柱部分だけが現存しています。なお、サトゥルヌスはローマ神話に登場する農耕神で、英語ではサターン。

 フォロ・ロマーノの風景。