3.アムステルダム:「レンブラントの家」


 南教会からさらに少し東へ、我々はレンブラントの家に到着します。1639年、33歳の画家レンブラント(1606〜69年)が絶頂期に購入し、1658年に困窮のために売却するまで使用した住居兼アトリエです。現在は、レンブラントハイス美術館として、レンブラントを中心とした作品の数々を展示しています。


 レンブラント?誰?という方もいらっしゃるかもしれませんが、この絵をご覧いただければ、ああ…!という方も多いのではないでしょうか。原題は「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊」、通称は夜警(オランダ語で、De Nachtwacht/英語でThe Night Watch)です。また後ほどあらためて紹介しますが、アムステルダム国立美術館で展示されています。

 絵についての詳しい解説は、アムステルダム国立美術館で改めて紹介するとして、レンブラントと言えば、「光の画家」「「光と影の魔術師」との異名があるような、明暗を効果的に使用した、非常に迫力と威厳に満ちた絵でお馴染みです。


 ちなみにレンブラントの姓名は、レンブラント・ファン・レイン。名字で呼ばれることは少なく、レンブラントとして親しまれていますが、レインの発音は本来、ラインに近く、実はファン・レインとは「ライン川」を意味します。


 それでは、1階から見ていきましょう。住居として使われていた部分で、この部屋はキッチン。・・・なぜベッドがあるのかというと、メイドさんがここで寝たそうです。


 こちらは玄関。現在はレンブラントやほかの画家の作品が飾られています。が、音声ガイドが無いと、どれがどれだかわかりません。日本語はないそうで・・・。


 これはレンブラントの自画像でしょうか?


 これもレンブラントっぽい感じがしますが・・・。


 こちらはサロンという名称で紹介されていたレンブラントの居室。


 こちらは2階にある、レンブラントのアトリエ(ラージスタジオ)。右にいる人たちは、当時の絵の具を再現する実演に見入っている方々です。


 レンブラントの美術コレクション室(アートキャビネット)。ローマ皇帝の胸像や武器、動物のはく製、そしてレンブラントが特に好んだ貝やサンゴのコレクションがあります。レンブラントはこうしたコレクションに多額の費用を投じ、この浪費癖のために生活が困窮しました。


 さて、レンブラントの家で充実しているのがエッチング。エッチングとは銅版画技法のひとつで、15世紀以降に聖書の挿絵として、オランダやドイツで発達したものです。

 上写真はレンブラントの作品、Christ Preaching


 ところで17世紀、他の芸術家の作品を「俺の方がうまく描ける!」と、敢えて同じ要素で描くことが一般的でした。ということでレンブラントの家では、レンブラントの作品と、その元ネタになった作品が比較展示されています。

 こちらはヘンドリック・ホルツィウス(Hendrik Goltzius, 1558年〜1617年)の作品。
 The Circumcision in the Temple (1594年製作)


 ところで17世紀、他の芸術家の作品を「俺の方がうまく描ける!」と、敢えて同じ要素で描くことが一般的でした。ということでレンブラントの家では、レンブラントの作品と、その元ネタになった作品が比較展示されています。

 こちらはヘンドリック・ホルツィウス(Hendrik Goltzius, 1558年〜1617年)の作品。
 The Circumcision in the Temple (1594年製作)


 一方こちらがレンブラントの
 The Circumcision in the Temple (1626年製作)


 こちらはルーカス・ファン・レイデン
 The Rset on the Flight into Egypt (1506年製作)


 こちらはレンブラントによる
 The Rset on the Flight into Egypt (1626年製作)


 こちらはJan van de Velde (1593〜1641年)による
 The Good Samaritan at the Inn (1620/30年製作)


 こちらはレンブラントによる
 The Good Samaritan at the Inn (1633年製作)


 こちらはアルブレヒト・デューラー(1471〜1528年)による
 The Death of the Virgin (1510年製作)


 こちらはレンブラントによる
 The Death of the Virgin (1639年製作)


 こちらはJacques de Bie after Maarten de Vosによる
 Simeon's Hymn of Praise in the Temple (1610年製作)


 こちらはピーテル・パウル・ルーベンスの
 The Descent from the Cross (1620年製作)


 そしてこちらが、レンブラントによる
 The Descent from the Cross (1633年製作)

 というわけで、エッチングを中心にしたレンブラントと、元ネタになった様々な作品群を見ていきました。現地にはこのほかにも多数展示されていますが、気になったものだけ抜粋してここに掲載しております。「夜警」以外、あまり触れることが無かったレンブラントの作品でしたが、大変良いものを拝見できました。


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