クラス380 

British Rail Class 380 'Desiro'


3連のクラス380/0。塗装はスコットランド国旗をモチーフにしている。
(撮影:ヒリングトン・イースト駅、Hillington East Station)

●基本データ

デビュー年 2010年
最高速度 160km/h
製造会社 シーメンス
運行会社 アベリオ・スコットレイル(Abellio ScotRail、ASR
運行区間 エアーシャー・コースト線(Ayrshire Coast Line)
●グラスゴー・セントラル(Glasgow Central)〜アンドロッサン・ハーバー(Androssan Harbour)
●グラスゴー・セントラル〜エアー(Ayr)

インヴァークライド線(Inverclyde Line)
●グラスゴー・セントラル〜ウィーミズ・ベイ(Wemyss Bay)
●グラスゴー・セントラル〜グーロック(Gourock)

ノース・ベリック線(North Berwick Line)
●グラスゴー・セントラル〜カーステアズ(Carstairs)〜エジンバラ・ウェイバリー(Edinburgh Waverley)〜ノース・ベリック(North Berwick)

ペイズリー・カナル線(Paisley Canal Line)
●グラスゴー・セントラル〜ペイズリー・カナル(Paisley Canal)

アーガイル線(Argyle Line)
●グラスゴー・セントラル〜ラナーク(Lanark)
編成詳細

クラス380/0 3連x22本
クラス380/1 4連x16本


●スコットランド待望の新型電車

 シーメンスの交通部門が製造している次世代車両、通称デジロUKシリーズの最終形式。デジロには初代の直流型クラス450やクラス185気動車などの派生型が存在し、ボンバルディア製のエレクトロスターに並び国鉄民営化後に大量導入された車両シリーズである。

導入背景と運用
 元々クラス380はグラスゴー空港連絡線用に2008年に発注された車両であった。政府からの援助金削減のため2009年に路線の建設計画は中止なったが、車両の発注はそのまま続行し、合計38編成が製造された。そのうち3連x22本がクラス380/0と称され、4連x16本がクラス380/1となった。

 グラスゴー・シールズ・ロード車両基地(Glasgow Shields Road Depot)に全編成が在籍し、エアシャー・コースト線、インヴァークライド線を中心とするグラスゴー近辺の路線、そしてカーステアズ経由でエジンバラへの列車を担当し、それまで主力だったクラス334クラス318を置き換え、それらは他路線の担当に移った。エジンバラ付近のノース・ベリック線ではクラス322を置き換え、2012年からは新規に電化されたペイズリー・カナル線でも運用開始となった。

 2016年12月からはグラスゴーとエジンバラをフォルカーク経由で結ぶ路線の電化が完了する予定で、同時期にクラス380が導入される予定だ。

クラス380の仕様
 車両前面のデザインは過去の電車デジロとは異なり、ライト回りはクラス185のものを流用している。そして特徴的なのが流線型と貫通扉を両方盛り込んだこと。併結時に幌が垂直になり、編成間の往来ができるようになる。車内は普通車のみの2+2列配置で、各座席にはコンセントも設置してある。

(解説・撮影:秩父路号、2016年4月更新)

●ギャラリー


4連のクラス380/1。
(撮影:ヒリングトン・イースト駅、Hillington East Station)


普通車の車内は近郊型仕様の2+2配置。


デッキ付近の様子。奥には優先席と身体障害者用のトイレが見える。


パンタグラフが設置されている中間車。

●参考文献・ウェブページ

・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2
ScotRail's AT200 EMU interior unveiled at Edinburgh Waverley
Eversholt Rail: Class 380 Electric Multiple Unit

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