クラス800/801 

British Rail Class 800/801


2019年6月に登場したLNERのClass800。通称「Azuma」で、HSTとIC225を置き換えるECMLの次世代都市間特急列車として導入された。
(撮影:エディンバラ ウェイバリー駅 Edinburgh Waverley Station)

●基本データ

デビュー年 2015年(営業運転開始は2017年)
最高速度 200km/h(電気モード)
製造会社 日立レールヨーロッパ
運行会社 グレート・ウェスタン鉄道(GWR)、ロンドン・ノースイースタン鉄道(LNER)
運行区間 ロンドン・パディントン駅〜ヘレフォード駅
ロンドン・パディントン駅〜スワンジー駅
ロンドン・パディントン駅〜ウェストン・スーパーメア駅
ロンドン・キングスクロス駅〜ドンスター駅〜エディンバラ ウェイバリー駅〜アバディーン駅
ロンドン・キングスクロス駅〜ドンカスター駅〜リーズ駅〜ハロゲート駅など
編成詳細 クラス800/0 5連x36本
クラス800/1 9連x13本
クラス800/2 5連x10本
クラス800/3 9連x21本
クラス801/1 5連x12本
クラス801/2 9連x30本

●日立が製造するイギリス向け次世代車両

 クラス800とクラス801は、日立製作所のイギリス向け「A-Train」の1つで、在来線高速列車の位置づけである「AT300」の一員。

 クラス800は、架線電化区間では従来通りパンタグラフで集電するが、非電化区間でも発電機でモーターに電力を供給して走行できるバイモード技術を搭載しており、イギリス初の動力分散式のバイモード車両として誕生した。
 クラス801は、クラス800の電車タイプとして設計され、中間車両の1両に非常用ディーゼル発電機を搭載。非常時には外部からの電気供給がない場合でも走行が可能である。

 さてクラス800とクラス801は、イギリス運輸省が先導したIEP(Inercity Express Programme/都市間高速鉄道計画)で発注され、IET(Intercity ExpressTrrain/都市間高速列車)と総称。別ページで紹介するディーゼルモードの走行に特化したクラス802は、TOCが自主的に発注した車両のため、契約上はIEPとの関連はない。

 さて、2017年10月16日にグレート・ウェスタン鉄道(GWR)でクラス800がデビュー。それ以来、順次増備が続けられて、GWRでは2019年5月、ロンドン・ノースイースタン鉄道(LNER)では同年12月にHSTを置き換えた。また、クラス802はGWRのほか、トランスペナイン・エクスプレス(TPE)とハル・トレインズ(HT)で運行されており、クラス800系列はイギリス全土で運行されるフラッグシップ車両となっている。
(解説・撮影:秩父路号、2020年3月更新)

●GWR運行車両


日立製AT300シリーズの中で初めてイギリスで営業運転を開始したクラス800/0。

普通制御車の側面。こちらの800004編成には試験走行中にイギリス運輸省、日立、ネットワーク・レール、アジリティ・トレインズ(車両の保有会社)のロゴが貼られていたが、営業運転投入の際には外されている。

中間車の側面。26m級の車体だが、台車間の中心距離は17mなので、車端部のオーバーハングが目立つ。

●LNER保有車両


ロンドン・キングスクロス駅に停車中のクラス800



ヴァージン・トレインズ・イースト・コート(VTEC)が広報用に自社塗装を施したクラス800/1の800101編成。側面には平仮名で「あずま」と表記。本来は2018年にVTECが営業運転をする予定だった「あずま」は、VTECの財政破綻によりLNERに運営権が移ったため、この塗装は幻に。


ここからは、あずま乗車レポを開始します。


新型あずまで走る列車は案内板に「LNER Azuma」の文字が。 ※LNER・・・London North Eastern Railway

駅の広告スクリーンもあずま一色で同社の気合の入り方が伺えます。

乗車列車は11:03キングズ・クロス発リーズ行ですが、前の運用がハルからのあずま一番列車でスタッフが記念撮影を行なっていました(Azuma箱欲しい)。

あずま乗車に関して荷物案内もホームに。HSTやIC225のように編成端に荷物室がないので注意が必要です(LCCのあれっぽいが、そういうわけではありません)。

普通席の様子。座席は相変わらずのFainsa製。HSTやIC225と比べてやはり固めですが、GWRのClass800などの乗車経験からすると人間工学的デザインで悪くないのかも。


そして何より嬉しいミニビュッフェ!これはGWR編成にはないLNER向け編成特有の仕様。長時間乗車でも食料と紅茶には困りません。

一等席の様子。こちらもすでに登場したGWR向け編成の色違いバージョン。簡易リクライニングだが広々としています。

LNERの一等席では無料で食事が提供され、テーブルにセットされたあずま導入に合わせた新メニューとマグカップが食欲をそそる。



ドアステップには日立製作所のロゴマークが。


IC225やHSTの荷物室に格納されていた自転車は車内の専用ラックに収納するようになりました。


普通席含め全席無料Wifiとコンセントを設置、だが座席下の真ん中という少々届きにくい。

リニューアルされた路線図も。

座席予約表示。イギリスでは日本の特急あずさのような指定された席以外は座ってよいというシステムであずま(紛らわしい)では色で空席が一目で分かるようになっている。空席は緑、指定席は赤でこれから先の区間で指定される場合はオレンジとなり当該区間も表記される優れもの。



バリアフリー設備。制御車(普通車1両と一等車1両)はバリアフリー対応で車椅子駐輪スペースと車椅子対応トイレが備わっている。



車外の様子。ドア付近には試運転時にはなかった座席番号表示があります。一等席は白地にマルーン文字で普通席は赤地に白文字。ピクトグラムで自転車置き場やバリアフリー設備の位置を表記。

というわけでこれにて乗車レポは終了。ピーターバラの駅表示には「Welcome to AZUMA!」の文字が。今はまだ姿が珍しいですがこれからどんどん増えていくことでしょう。

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