HST / インターシティ125 

British Rail HST 'High Speed Train' / InterCity 125


ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト(VTEC)のHST。東海岸本線を経由してロンドンとイングランド東北、そしてスコットランドの都市を結ぶ。
(撮影:ハリンゲイ駅、Harringay Station)

●基本データ

デビュー年 1975年
製造会社 旧BREL(British Rail Engineering Limited、英国鉄鉄道工学部門)
営業最高速度 200km/h
運行会社 ファースト・グレート・ウェスタン(First Great Western, FGW
ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト(Virgin Trains East Coast, VTEC
グランド・セントラル(Grand Central, GC
イースト・ミッドランズ・トレインズ(East Midlands Trains, EMT
クロスカントリー(CrossCountry, XC
運行区間 FGW: ロンドン・パディントン(グレート・ウェスタン本線経由)〜
   南ウェールズ(カーディフ、スワンジー)、ブリストル、オクスフォード、イギリス南西の主要都市(エクセター、プリマス)など

VTEC: ロンドン・キングズ・クロス (東海岸本線経由)〜
   エジンバラ、スコットランド北部(アバディーン、インヴァーネス)など

GC: ロンドン・キングズ・クロス(東海岸本線経由)〜
   サンダーランド

EMT: ロンドン・セント・パンクラス(ミッドランド本線経由)〜
   ノッティンガム、リーズ

XC: エジンバラ・ウェーバリー(シェフィールド、リーズ、バーミンガム経由)〜
   プリマス
編成詳細

クラス43ディーゼル機関車 x197両 
マーク3客車 x848両


●英国鉄を支えた世界最速のディーゼル列車

 1970年、日本では東海道新幹線がすでに開通していて、フランスではTGVの開発が進んでいた。そんな中、老朽化した車両の置き換えや、鉄道の需要も高まってきたこともあって、イギリスも高速鉄道の必要性が高くなってきていた。しかし資金が限られているイギリス国鉄にとっては高速新線や本線電化などは高価過ぎて手が出しづらく、開発が決定したのが「HST」(High Speed Train、高速列車の意)。
 
 結果的に完成した列車は優秀で、グレート・ウェスタン本線や東海岸本線などの全国の非電化主要本線に投入され、クラス55などの前世代のディーゼル機関車を素早く置き換えていきました。HSTはディーゼル列車の世界記録保持者でもあり、1987年に238km/hを記録している。
 
 HSTの編成は クラス43ディーゼル機関車+マーク3客車+クラス43ディーゼル機関車となっている。運用会社によって中間車両の数は異なるが、基本的に6〜9両連結されている。動力集中方式のため、客車内の振動・騒音は低く快適で、乗客に人気である。
 
 InterCity 125は当時の英国鉄のHST用のブランド名で、「125」とは125mphの意味で、約200km/h相当する。デビューしてから40年たっても国鉄民営化後の複数の鉄道会社が運用している。 ちなみに海外にもHSTをベースにしたXPTがオーストラリアで運用されている。

(解説・撮影:秩父路号、2015年6月更新)

●ギャラリー


旧ミッドランド・メインラインのHST。これらの編成はEMTに受け継がれた。
(撮影:ラドレット駅付近)


旧GNERのHST。東海岸本線で運用される編成は現在VTECに所属している。
(撮影:ロンドン・キングズ・クロス駅)


リニューアル前のHST。
(撮影:ロンドン・パディントン駅)

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