第14回 戦前の円相場
担当:堤田倫太郎
普段考えたり気にしていないことでも、知ってしまったら結構ハマることってありますよね。今回お届けするのは、そういうネタなのですよ。そうは思いませんか?
と、いうわけで今回は
戦前の円相場の話。当たり前ですが、戦前にも円相場というものはありました。まず、円という単位を日本の通貨呼称として決めたのは1871年のこと。この時、1ドル1円としてスタートしました。また、「
変動相場制」を導入したため、1ドル2円にまで円安になったこともあります。
で、話は終わりませんよ。1897年に貨幣法が施行され、この時「
固定相場制」に変更になりました。すなわち、ドルと円の交換比率を固定したわけです。これで1ドルが2円の比率が確定。これが1931年まで続き、不況打開の一環(国際収支の改善)として、再び変動相場制に移行します。しかし、こうなると今の状況を見ても解るとおり、不況で戦争まで始めた日本の円は円安が進み、1941年には1ドルが4円26銭になってしまいました。
そして終戦。
GHQが1ドルを360円とし、そして1973年に再び変動相場制に。そして今に至っているわけです。なお、この戦後すぐの1ドル360円は輸出に大変有利で、日本の高度経済成長を支えました。これもあわせて覚えておきましょう。