ラーメンのお話

○はじめに

 ラーメン。実はこれ、中華料理ではないことをご存じの方、いらっしゃいます?うすうす感じている人は結構おありだと思います。ところが、このラーメンの歴史について知っている人は余りいらっしゃらない。というより、実際のところよく解っていないのです。よく解らないが、いつの間にか普及しちゃった、というような感じなのですね。

 まずラーメンの語源ですが、中国の麺類の一種である拉麺(手で引き延ばして作る麺)であるといわれていますが、いやそうで無いという人もいます。もう既に、この時点で詳細不明となっています。恐るべし、ラーメン・・・。

 では、ラーメンがいつ頃から登場したのか。1665年、水戸黄門こと徳川光圀が、中国より招いた儒学者・朱舜水の作った「汁そば」を食べたといいます。これをラーメンだ!と言う人もいますし、違うという人もいます。残念ながら、今の日本のラーメンでは無いでしょう。前述のように、日本的なラーメンは中国に存在しなかったのですから。

 それに、これは普及しませんでした。私の予想では、黄門様のお口に合わなかったか、彼が食に興味がなかったかどちらじゃ無いかと思うのですが・・。

 それで、今のラーメンが登場するのが1884年・・かもしれないらしい。当時の函館新聞によると、函館の「養和軒」という店が、広告欄に「南京そば」発売と宣伝してあった。南京とは、中国の南京からきていますね。でも、これが今のラーメンかどうかは解らないようです。広告だけじゃ判断できませんよねえ。

 しかし、確実に解るのは明治中期頃から横浜で次々と「南京そば」の屋台が開業した頃からのようです。屋台で気軽に食べられる中国風そばと言ったところだったのでしょうね。そして1910年、浅草の「来来軒」が、店舗の中でラーメンを発売しました。当時は人気だったけど、今はないとのこと。それから、札幌ラーメンは1923年、「竹家食堂」の創業で始まります。ただし、これは味噌ラーメンではなく、醤油ラーメンがメインだったとか。この竹家食堂は、神戸市で「竹家」として続いているとか。のれん分けですかね。なぜ神戸市に移転しているのかは私は解らない。

 また、1925年には喜多方で「源来軒」が(これが喜多方ラーメンの最初)、そして1937年には九州で「南京千両」が開店。こちらは屋台で、しかも今も屋台で続いているとか。南京千両、すなわち南京占領とかけた名前ですね。1937年ですし。で、この頃から戦中・戦後すぐにかけて京都や高山や和歌山、尾道でラーメン店が次々と開業。いずれも有名なラーメンどころですね。

 そして、これは有名な話ですが、1955年に札幌の「味の三平」で、大宮守人氏味噌ラーメンを開発し、これが今の札幌ラーメンにつながります。開発エピソードがよくテレビで特集されますね。

 また、同じ年に、中野「大勝軒」にて、山岸一雄氏がつけ麺を開発します。その後、東池袋大勝軒で「もりそば」と言う名で大ヒットし、その後数十年にも渡って行列を維持しているとか。

○インスタントラーメンの誕生

 で、1953年に初のインスタントラーメン「日清チキンラーメン」が発売されます。日清食品会長の安藤百福氏による開発です。革命的!お湯を入れたら2分。また、今まで、「支那そば」とか「中華そば」と言われていたラーメンですが、この時に「ラーメン」という呼称が全国的に広まった。では、なんで「日清」はラーメンという名称を使ったのだろう?

 さらに1971年、日清食品からカップヌードル発売。これも安藤氏による開発品。すごいなあ。そして、92年には日清より「ラ王」が発売。こちらは、「生タイプ麺」という種類だそうです。

 現在、ラーメンはさらに進化中。89年に袋入りの麺、すなわち家で鍋に入れて真面目に作る麺が、カップ麺に抜かれたのですが、今、そのカップ麺の味を、限りなくラーメンの達人の味に近づけようと開発競争が起こっているそうです。カップ麺というと、どうしても安物、代用品みたいな印象ですが、それが払拭される日が来るのか。21世紀、いよいよカップ麺の時代になるのでしょうか!ゴーゴー、ラーメン!

 なお、ラーメンについて研究し、さらに様々な味を食したい方は、新横浜駅近くにある、ラーメン博物館に行かれるといいでしょう。横浜の町並みを再現してあったりする、一大テーマパーク兼ラーメン8店が貴方を迎えます。

住所
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 TEL:045(471)0503(代表)

営業時間
11:00〜23:00(入場は22:00まで また、基本的に無休)
日曜祭日は10:30に開館。
ラストオーダー21:45より(ラーメン店により異なる)

入場料 おとな300円 こども(小学生)100円 小学生以下は無料

交通
電車の場合 新横浜駅(JR東海道新幹線・JR横浜線、横浜市営地下鉄線)より徒歩5分
横浜市営地下鉄8番出口より徒歩2分 (執筆担当:裏辺金好)

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