リンスとシャンプー、そして・・。
担当:裏辺金好

 シャンプーというのは、髪の毛の汚れを落とすのに使用します。ただし、髪にある脂肪分も一緒に落とすため、髪がガサガサになります。一方、リンスというのは髪に脂肪分を与えてサラサラにするのに使用します。

 と、いう話はご存じですよね。常識です。でも実は、所長は知らなかった(笑)。漠然としか知らなかったのです。そういう知識って、皆さんもよく持っていると思います。

 で、今回の話はもう少し奥につっこんだ話をします。リンスinシャンプーの話です。でも、この話をする前にリンスとシャンプーの成分の違いも言わねばなりません。リンスは陽(プラス)イオンという有効成分があって、これが髪に潤いを与えてくれる分子にくっつくことで、髪にまとわりついてくれるのです。で、脂肪分がつく。

 また、シャンプーは陰(マイナス)イオンが有効成分で、こいつが髪から汚れと脂肪分までとってくれる分子にくっつくことで、髪からそれらをとって、さっさと流れ落ちてくれるのです。

ですから、この2つの性質を利用しながら、ただし脂肪分を落としてもらっては困ると言うことでリンスinシャンプーが登場したのですが、陽イオンは陰イオンとくっつき沈殿してしまいます(陽は電子が余分にあり、陰はそれが不足している。だから、2つが出会うとくっつくのだ)。ですから、ただ単純にリンスとシャンプーを混ぜるだけでは意味がないのです。お互いに効力を失うだけですから。

 そこで、考えられたのが分子の大きさを互いに変えることです。シャンプーの陰イオンを持つ分子を直径1ミリの10万分の1〜100万分の1という小さい形(ミセル)にします。そして、リンスの陽イオンを持つ分子は、それより1000倍から1万倍にします。

 そうすると、髪を洗う時にシャンプー部分が先に働いて流れてくれて、その後を大きなリンス部分が働いてくれるという算段なのです。

 とはいえ、それも苦肉の策に近いものがありまして、本当は別々に使った方がいいらしいです。でも、面倒でしょ。まあ、そんな話です。

棒