セクハラ問題と学校

担当:八十八舞太郎

 最近、学生に対する教員の不祥事が多くなっている感がある。少し前にこんな事件が発覚したのを知っている人は多いだろう。

 一橋大学の講師と助教授が、昨年飲み会…講義終了コンパ、という名目らしい…で「王様ゲーム」なる道楽を教授自ら提案して行い、一緒にいた女子学生に「頬に舌で『の』の字を書け」「耳朶をくわえろ」等の不快な命令(?)&行為をさせた。

 被害にあった学生が学生相談室に相談したため事件が発覚、評議委員会が昨年1月に設置され、教授は3カ月間月給1/10、助教授は戒告に処された…とのこと(7/19)。


 また、高校時の先輩に話すと、こんな話も教えてくれた。

 東京芸術大学(東京都台東区)は22日、音楽学部の50歳代の男性助教授が女子学生に強引にキスをしたとして、この助教授を国家公務員法に基づく減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしたと発表した。

 同大の調査によると、助教授は2000年5月、指導を担当していた学生を食事に誘い、食事後の散歩の際、合意がないのにキスをした。学生は、精神的なショックを受け、学校を休みがちになり、今年1月に大学側に相談したという。助教授はセクハラを認め、「誠に申し訳なかった」と話している。処分は18日付で、セクハラが原因で同大が教職員を懲戒処分したのは初めて。

 九州にいる別の先輩は、自分の大学でもセクハラがあった、と言う。無論、わが校の一件も忘れられない。

 いずれも教師という職権を濫用し、立場の弱い学生たちに危害を加えた許されざるべき行為である。彼らは一体学生を何と思っているのだろう。学生は教員の玩具なのだろうか。そこには「学生は教員の言うことを聞かなければならない」という教員の傲慢さが見え隠れしているような気がする。或いはその固定観念を悪用しようという意識も見られる。

 教育基本法の要旨に「教育に当たる者は、国民全体に対する深い責任に思いを致し、この法律(教育基本法)の精神を体得し、相共に、熱誠を傾けてその
使命の達成に遺憾なきを期すべきである
」とある。多くの教員・教授は解っていると思うが、しかしその教育に携る者の、「熱誠を傾けて」教えるという意識のまるでない教育者が、増えているのではないか。


 さて、何故こんなに我々学生、及び生徒、児童は立場が弱いのか、いや、それ以前に学生の立場、権利、その保護を明記している文章はあるのだろうか、とふと思い、「コンパクト六法」を開いてみた。すると、上記の学生の立場、権利、その保護を明記している文章は「一つも無い」のである。ひょっとしたら実はあって、ただ辞書に掲載されていないだけなのかもしれない。しかしそれでも、一般に知られているような有名な法ではないのは明らかだ。

 現在、未成年に対し様々な権利、その保護を明確にする条約、法律ができ、未成年でも権利の主張ができるようになって来た。だが、教育の場という普段の社会からはやや異なった空間にいる以上、そこでの権利も保障する手段も考えなければならないと思うが。保護の概念が明確に定められていない以上、我々学生は「野晒し」にされてるも同然なのだ。一刻も早い対処を取らねば、また一橋や芸術のような事件が起きかねないだろう。


所長注
 まあ、しかし、この問題は今になって始まったことではなく、最近になってようやく明るみに出たと見るべきでしょう。
 昔から、教授になるために色々体を使っての賄賂や、セクハラではありませんが、弟子の論文を自分のものとして発表する教授みたいな噂は、ずいぶん前から漏れ聞こえてきます。
 最近、人々の意識の高まりによって、ようやく今まで泣き寝入りしていた点が見えてきました。
 見えただけで終わらせず、八十八所員も言うように法律の制定・改正も視野にいれて行動すべきでしょう。

 なお、八十八舞太郎の直言でなく、雑学に入れてました。雑学ではありませんが、社会問題と言うことで、お許しください。

棒