ライオン


(写真:よこはま動物園ズーラシア/撮影:裏辺金好)

●基本データ

分類: 哺乳綱 食肉目 ネコ科
学名: Panthera leo
英名: Lion
生息地 :南アフリカ、インド西北部

●解説

 これでもネコ科に属する、百獣の王ことライオン。
 サハラ砂漠以南やインドで棲息しています。ちなみに、まさかライオンの名前を知らない人はいないとは思うほど有名な動物ですが、絶滅危惧種U類(絶滅の危機が増大している種)に指定されています。

 さて、ライオンは頭と胴の長さが1.7〜2.5mもある大型の動物で、加えて、尾の長さが0.9〜1.0mぐらい。さらに、肩までの高さは平均1.23m、そして体重は150〜250kg!!(ちなみに、オスのほうがメスより3〜5割重いとか)

 寿命は自然状態だとオスが12年ぐらい、メスが16年ほど。でも、きちんと飼育されれば30年ぐらいは生きるそうです。
 メスの出産は、自然状態だと2年前後に1回ぐらいですが、飼育されていると毎年子供を産みます。
 1回当たり、1〜5頭(平均2〜3頭)ぐらいが産まれるそうですね。妊娠期間は110日ぐらい。
 生まれた子供は1kgぐらいです。
 
 ちなみに、出産は群れ(プライド/4〜20頭からなる)から離れて行い、子供が歩けるようになると群れに戻ってきます。ちなみに、殆どのネコ科の動物は、単独でいる傾向があるのですが、このライオンは血縁関係のある群れを作るのが特徴だったりします。もっとも、群れからオスは単独で暮らすこともあるようです。ただ、1匹で生き残るのは至難の業・・・。

○ライオンのオスとメス


(写真:よこはま動物園ズーラシア/撮影:裏辺金好)

(写真:よこはま動物園ズーラシア/撮影:裏辺金好)

(写真:よこはま動物園ズーラシア/撮影:裏辺金好)

●インドライオン

 大別すると2種類います。
 1つは、今回紹介しているアフリカライオンで、南アフリカやインド西北部で生息しています。
 一方、インドライオンという種類もいて、アフリカライオンに比べて一回り小型。こちら、今では300頭ぐらいしかおらず、現在はグジャラート州にある保護区「ギルの森」にのみ生息しています。

●オスのタテガミは何のためにある?


(写真:よこはま動物園ズーラシア/撮影:裏辺金好)

 ライオンといえば、迫力あるオスのタテガミが非常に有名ですね。
 ただ生えているわけじゃないのだろう、何か意味があるのだろうとは考えられていましたが、実は謎が解明されたのは2002年のこと。ミネソタ大学のペイトン・M.ウエスト氏らが、タンザニアのセレンゲティ国立公園で実験、観察をじっくりと行い、ようやく解ったのです。では、どんなことが解ったのでしょうか。
 まず、栄養状態がよく、攻撃性が高く、そして男性ホルモンのテストステロン濃度が高いオスほど、タテガミが黒くて長い。そして、メスは長さはともかく、黒いタテガミを持つオスに惚れ込み繁殖相手に選びます。最近の日本では、女の子みたいな男が喜ばれ、脱毛まで推奨されているのとはえらい違いですね(笑)。
 しかし、黒くて長いタテガミを持っていると暑い。さすがのライオンも辛いみたいで、地球温暖化が進むと、次第にタテガミの色が明るく、短いライオンが一般的になっていくかも?と考えられています。メスも我慢するしかない時代になっているかも・・・。

●ライオンはどんな家族なのか

 ライオンは複数の家族が一緒になって生活し、狩や育児で協力し合うという群れ(プライド)を形成します。
 1つのプライドにおける数は色々で、4頭ぐらいのときもあれば、40頭近いときもあり、生息地の状況によって異なっています。
 面白いのはオスで、成長するとプライドを離れて7年ぐらい放浪し、自分を磨きます。そして・・・目を付けたプライドに殴り込みをかけ、そこのボスであるオスと壮絶なバトルを繰り広げます。勝ったらボス交代。負けた前のボスは追い出され、放浪の旅に出ます。おまけに、前のボスの子供たちは殺されることもあるとか・・・。ずいぶんと可哀想な気もしますが、これも強い子孫が生き残っていくためには、やむをえないことなんでしょう。


(上写真:随分と無防備な姿をするメスライオン。よしよし・・・、とオスライオンは襲い掛かりますが、しかし「睡眠の邪魔をするな」と見事に拒絶されていました。哀れ。)

●オスは狩りをしない?

 厳しい戦いを勝ち抜いてボスになるのだから、さぞかしオスは狩りでも力を発揮するのだろう。
 と思いきや、狩りをするのはメスの仕事だったりします。オスは自分のハーレム・・・じゃない、プライドを守るのみで、メスが倒した獲物を食べにやってくる。酷いときには「どけ!」とメスを追い出すことさえあるとか。う、うらやまし・・・じゃない、何でもありません。
 ちなみに、ライオンは1度に40kgの肉を食べるそうなので、狩りも結構大変ですね。
 さすがに、毎日食うわけじゃないようで、まとめ食いのようです。
 なお、好物はインパラなどのレイヨウ類やシマウマなどですが、昆虫だって食べるとか。
 動物園では馬肉、鶏頭、鳥ガラなどを食事として出しています。
 
 【参考】
 マイクロソフトエンカルタ百科事典2004
 動物園ファンのサイト TokyoZooNet http://www.tokyo-zoo.net/index.html
 多摩動物園内 解説板 など
 
 【こちらもぜひ】 TokyoZooNet より
 インドライオンの朝食(動画) http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0406_03/index.html
 インドライオンの赤ちゃん(動画) http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0302_04/index.html

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