恐竜博特集:恐竜博2016
2016年3月8日(火)〜6月12日(日) に上野の国立科学博物館で開催された恐竜博。様々な展示物がありましたが、珍しい「皮膜付きの恐竜」、珍しい琥珀内の化石専用のブース、最新の恐竜の「声」の研究成果が紹介されているなど、魅力ある展示が散りばめられている恐竜博でした。一方で、大きなテーマとして7つ(「起源」、「植物食」、「飛翔」、「水中進出」、「赤ちゃん」、「恒温」、「鳴き声」)設定されていましたが、意外とあっさりとした展示だったので、その辺りは恐竜入門編といった展示でしょうか。
(撮影:馬藤永徳)
主な見どころ
@アシリサウルス
日本初公開。恐竜の祖先に非常に近い爬虫類であるシレサウルス類に分類されます。
Aハウスマニア
シダ植物の一種でヤブレガサウラボシ科。見どころとは思いませんが、英語読みすると家マニアという名前は素晴らしいというので・・・。
Bチレサウルス
チリで見つかった獣脚類で、2015年に報告された新種。歯の先端がすり減っていたことから、竜盤類(獣脚類)であるにもかかわらず、植物を食べていたと考えられています。ジュラ紀後期に生息。
Bチレサウルス
先程は産状の状態ですが、こちらは骨格を復元したもの。恥骨が後ろを向いているという、竜盤類(獣脚類)でありながら鳥盤類のような特徴を持っています。なかなかミステリアスな恐竜ですね。
Cイー
2015年に命名されたコエルロサウルス類。皮膜と染筆状突起を持っており、ムササビのように飛んでいたと考えられています。皮膜は翼竜だけでなく、恐竜にも持っていた種族がいたんですね。名前は中国語で翼を意味します。
Dティラノサウルス
今回展示されたのは、スコッティと呼ばれる個体。
Eスピノサウルス
水中で泳いでいる姿で復元されたスピノサウルス。口の先端には穴がありますが、これは水圧センサーだったと考えられています。ワニのように濁った水の中で、魚を探すのに役立ったことでしょう。
Eスピノサウルス
こちらが吻部の実物化石。
Fイクチオヴェナトル
2012年にラオスから発見されたスピノサウルス類で、頭骨はまだ発見されていません。東南アジアの恐竜研究も盛んになってきており、これから続々と新種の恐竜と出会えることでしょう。
Gカスモサウルス(幼体)
1歳未満の赤ちゃんである可能性が高く、大人と比べると頭が小さく、目が大きいのが特徴。フリルは子供の頃から大きかったのですね。
Gカスモサウルス
こちらは成体です。
Hパラサウロロフス(幼体)
Hパラサウロロフス(頭部)
こちらは成体です。子供の頃にはなかった、大きな突起が頭部後方にあります。
Iチンタオサウルス
突起が目を引くハドロサウルス類。しかし、近年この突起は大きな板状の突起の一部であり、しかも後ろを向いていた可能性が指摘されています。ということで、この復元骨格に見られる角度ではないようですな。
Jグリンダドロメウス
ロシアのシベリアから産出され、羽毛跡が見つかっている鳥盤類でジュラ紀中期から後期に生息。鳥類になったグループとは真逆のグループなので、恐竜はかなりの割合で羽毛を持っていたと考えられます。
その他
エオドロマエウス
ヘテロドントサウルス
ジュラ紀の植物化石
ネオカラミテス
カマラサウルス(亜成体)
アパトサウルスの椎体
中が空洞になっていることが、良く解ります。これが体を軽くしていたことの証で、大型化を可能にしたといえるでしょう。
エピデキシプテリクス
ミクロラプトル
ジェホロルニス
中生代の鳥類で最大級。推定全長は約80cmです。
コンフキウソルニス(孔子鳥)
マウソニア
アクセルロディクシス