深海2017〜最深研究でせまる”生命”と”地球”〜
2017(平成29)年7月11日(火)〜10月1日(日)に国立科学博物館で開催された特別展「深海2017〜最深研究でせまる”生命”と”地球”〜」。本展覧会は、深海の生物・生態系と日本近海の深海の地質探査(特に地震に関して)の詳細を取り扱っています。解説とともに、大量の生物標本、深海地質調査の機材、地質標本が並ぶ様は圧巻でした。展示で目立ったのは「ダイオウイカ」「オンデンザメ」など深海の巨大生物、海底面から1000mもの深さを採掘した地球深部探査船「ちきゅう」の研究結果。この2つでしょう。
全体として、「深海にも多種多様な生物が生息しており中には巨大なものも存在すること」、「現在は水面下1000mもの深さの地質を調査して地震の初期微動を捉えたり、資源を探したりすることができること」、この2点がよくわかる展示だったと思います。
(解説:馬藤永徳&裏辺金好/撮影:裏辺金好)
〇主な展示物
ダイダラボッチ
ユノザメ
ムラサキギンザメ
ナンキョクオオイチレツダコ属の一種
エゾイバラガニ属の一種
ダイオウホオヅキイカ(腕)
キタノクロダラ
ソコボウズ
ダイオウイカ
オンデンザメ
ダイオウグソクムシ
熱水鉱床の生物圏
無人深海探査機「江戸っ子1号」
日本海の深海生物図鑑
しんかい6500模型
しんかい6500耐圧穀内部
地球深部探査船「ちきゅう」模型
東北地方太平洋沖地震の地震断層
屋久島の鬼界カルデラ噴火による津波堆積物の露頭
下から、 ユニット1(下流からの津波)、ユニット2(火砕流が流水に入り込んだ)、ユニット3(土石流)。ユニットを構成する粒が違うことにお気づきでしょうか?地層を調査すれば、何があったか火山の噴火、津波、土石流の発生)が理解できるのです。なお、津波は、噴火した火山の山体が陥没したことにより起こりました。
これは地表の地層ですが、深海の掘削でも地層の様相によって様々な知識を得ることができます。
マンガンノジュール
マンガンクラスト
レアアース泥