生命三十六億年(12) ジュラ紀

○今回ご紹介する時代(赤色部分)

累代
開始年代
顕生代 中生代 白亜紀 後期    9960万年前〜
      前期  1億4550万年前〜
    ジュラ紀 後期  1億6120万年前〜
    中期  1億7560万年前〜
    前期  1億9960万年前〜
    三畳紀 後期  2億2870万年前〜
      中期  2億4590万年前〜
      前期  2億5100万年前〜

○ジュラ紀とは

 ジュラ紀の名前の由来は、スイス北部にあるジュラ山脈に由来します。超大陸パンゲアが分裂し、大陸の間に海水が流れ込んで、海水準が次第に上昇したおかげで、乾燥気候から湿度の高い熱帯気候に変化します。生物層はさらに豊富となり、様々な動物や植物が出現します。

○ジュラ紀の動物


クリオロフォサウルス (国立科学博物館「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」にて)

 この時代の動物は、陸上では獣弓類が完全に絶滅する一方で、その他の哺乳類は小型のものが生き残り、一方で陸上では巨大恐竜翼竜が栄え、さらに鳥類が出現します。上写真のクリフォロサウルスは南極大陸から発掘された獣脚類の肉食恐竜で、頭の上のトサカが特徴的です。

 また、最初のカエル類も登場します。そして海では下写真のような首長竜が特に栄えたほか、真骨魚類が初めて登場。真骨魚類というのは、まさに現在見られる魚類とほぼ同じで、浮き袋が従来に比べて発達しています。

 これらについては次のページで写真をたっぷりとご紹介しますが、ここでは首長竜にスポットを当ててみましょう。



プレシオサウルス (ロンドン自然史博物館にて)

 こちらが首長竜の一種であるプレシオサウルスの化石。長い首で特徴づけられる、いわゆる一般的な首長竜(プレシオサウルス類)です。首長竜には他にも、名前に反して首の短く頭の大きなプリオサウルス類がおり、強力な捕食者として海に君臨していました。



ビシャノプリオサウルス (パシフィコ横浜「ジュラ紀大恐竜展」にて *2005年)

 こちらがプリオサウルス類の一種。中国四川省で発掘された首長竜で、比較的小型ですね。



メアリー・アニング (ロンドン自然史博物館にて)

 ところで、先ほどのプレシオサウルスを発見したのは、メアリー・アニング(1799〜1847年)というイギリスの女性です。当時のイギリスでは博物学の研究で業績を上げた女性が多く、アニングはこの首長竜と、さらに魚竜の全身化石を最初に発見しました。ちなみにこの時発見した魚竜は白亜紀のページで紹介するイクチオサウルスのことで、なんと彼女が12歳のときに発見。


 彼女は、犬を引き連れて犬に化石を探させていました。そうして探した化石を売ることで収入を得ていました。世界初のプロの化石ハンターとも言われます。フィールドは、イギリスのドーセット州にあるライム・リージスの海岸です。ここをベースにした彼女の数々の発掘は、過去に絶滅があったことの証拠として大きな注目を集めます・・・など、色々と書きたいことは多数ではありますが、この辺でおしまい。彼女に限らず、色々な研究者について、機会があれば別のコーナーでご紹介したいと思います。

○ジュラ紀の植物

 ジュラ紀の植物は、シダ種子類が姿を消し、完全に裸子植物の時代となります。大きな特徴としては、この程度。



ザミテス (国立科学博物館にて)
裸子植物の一種。

○ジュラ紀の大陸


 パンゲアが分裂し、ゴンドワナと北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分裂します。このうちヨーロッパは、多数の島々が点在する地域となっており、泳いでわたった恐竜もいたかもしれません。

 そしてゴンドワナと北アメリカの間には、新たに大西洋が生まれつつありました。
 いよいよ、現在の大陸配置に近づいてきています。


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