ディプロドクスの魅力を語る
突然ですが、私は竜脚類が好きです。理由は・・・でかいから。だって、恐竜の最大の魅力と言えば「なんであんなでかいもんが地上に存在できたんだ!」という一点でしょう?いや、怪獣とみなしている人もいるかもしれないけど。
というわけで今日は、その代表格ディプロドクス・カーネギーのご紹介。写真は2009年恐竜博のディプロドクスです。
長くて細い頭と首、これまたひょろ長い頭と、ディプロドクス・カーネギーは典型的な竜脚類のイメージに合う恐竜です。同じような恐竜でも、アパトサウルス・ルイサエ(あの有名なブロントサウルス)やブラキオサウルス・マッキントシのほうが頭ががっしりしているんですがねえ。
実際にディプロドクスは他の竜脚類の中でも軽い方です。「恐竜の力学(アレクサンダー,1994年)」によれば、最大で18.5t、最低で5.8tと考えられています。なんかよく図鑑で10tくらいで書かれている気がしますね。一方、アパトサウルスは同資料では33tくらいと推定。全然違いますね。
そのくせ、ディプロドクスの全長は27m。アパトサウルスは21mくらい。実にほっそりした体の持ち主だったのです。体を大きくするための軽量化が進んでいるともいえます。セイスモサウルスやスーパーサウルスといった30m超のジャイアントたちが実はディプロドクスの一種であるという意見もあり、この点ではうなずけるものがあります。
(なお体重算出方法については、同じく動植物・古生物研究所の「恐竜の基礎知識」でも紹介。さらに本格的に勉強したい方は、恐竜の力学を読むとGOODです。)
この恐竜。ちなみに名前の由来は二つの針ですが、ちょっとしたエピソードがあります。
この恐竜の種名(カーネギー)、これは実は19世紀のアメリカの富豪のお名前です。その名はアンドリュー・カーネギー。歴史を詳しくやっていれば出てくるのでしょうか?この人は、スコットランド出身でアメリカに渡ったのちに苦労して鉄鋼王になりました。
その後、彼は慈善事業として様々な施設を建設します。その際、博物館にかざる立派な恐竜化石を求めていたのです。博物館の研究チームに資金援助を行い、その結果見つかった化石に彼の名前が送られたというわけです。
彼は復元されたその化石のレプリカを作り、世界中(ロンドン、パリ、メキシコ等々)に寄贈しました。そのため、有名な恐竜になったんですねー。昔の気前のいい富豪に敬意を表しつつ、今回のお話はこれまで!
(執筆:馬藤永徳)