リョコウバト

○いくら数が多くてもあっという間に絶滅することも

 前回は絶滅しそうな動物の話が出てまいりました。悲しい話ですが皆で肝に置いておく必要があります。

 今回はさらに悲しい話。絶滅した有名な動物、リョコウバトの話です。


 この鳥がなぜ有名かというと、「絶滅するなんて考えられなかった」からです。
 なぜ考えられなかったか理由は簡単。「超」たくさんいたからです。


 この鳥は北アメリカの鳥です。このハトのほかにも、この大陸はものすごい数の動物の例があり、
「たらが水中にひしめいていたため、籠で救うことができた」
 などというエピソードがあります。


 リョコウバトの数もエピソードになっており・・・
「冬になると3,4時間の間、空が暗くなるほど密な群れとなって飛んで行った」
「群れを観察したら20億羽(どーやって数えた!?)。誇張だとしても10億。」
「推定生息数50億羽」
「絶滅間際でさえ、営巣地の長さ160km、幅13km、1000万を超える巣」
とか、嘘にしか聞こえないほどの話が存在するのです。これが絶滅するわけです。
 
 理由として考えられるのは、このハトが多産でないことです。

 1つがいのハトは、基本的には大切に年に1羽のひなしか育てません。

 しかし、もっともはっきりした理由は人間にあります。

 なんせこれだけの数。人間に害鳥扱いされてバシバシ撃たれて行きました。群れでないと野生で生きれなかったらしく、いい的だったでしょう。飯にもなるため、それでまた撃たれる。さらにブナ林を人間が伐採したために、住処も食事もなくなったそうで・・・と、これらが原因とか。


 これだけの数を撃ちまくった人間の行為にぞっとしますが、私が考えるに最後がさり気に痛いと思います。
 生息場所が小さくなれば、それに見合った数しか生きられないわけで、せっかくの数が瞬く間に減ります。

 で、こういう大量にいる動物というのは自然界でも大量に食べられるわけで・・・。
 いざ絶滅するまではあっという間、30年であったという事実も理解できるわけです。

 生物の保護を考える際、数だけでなく生態、例えば住処も考える必要があるということを如実に示す例といえるでしょう。


(執筆:馬藤永徳)
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