変わる名前とフクイティタン
馬藤永徳です。写真は、スーパーサウルス・ヴィヴィアナエです・・・。
って嘘です。ごめんなさい。2009年恐竜博でとったディプロドクス・カーネギーです。
で、なんでこんな書き出しで始めたかというと・・・図鑑とかでみるとこの2つって似てますよね?おんなじなんではないでしょうか?・・と、同じになる場合が古生物学ではあるためです。これを「同物異名(シノニム)」といいます。
この問題、実は古生物学では大変な問題になります。理由は簡単。同じ種であるという認定は、「交配して生殖能力のある子孫を残せること」となります。・・・骨だけのやつらだと、似たやつらだとわからなくなるのです。例えば・・・
ティラノサウルス・レックスとディプロドクス・カーネギー
→明らかに交配しないでしょう。
ディプロドクス・カーネギーとスーパーサウルス・ヴィヴィアナエ
→意外と似ていてわかんないかも・・?両方とも「ディプロドクス・カーネギー」じゃ?
細かい精査が必要となります。命名には慎重さが求められるのです。ちなみにディプロドクス・カーネギーとスーパーサウルス・ヴィヴィアナエはちゃんと別種らしいです。
実際にA種の仲間とされていた化石がB種にされた後、またA種に戻るという場合もあります。ある程度、研究が進むにつれて精度が上がって謎だった恐竜がわかった結果でもあるので、それ自体は喜ぶべきです。でもてきとーに名前を付けたばかりに「A種はB種だった。さらにA種がB種に戻されたあとにC種になってD種になる・・・」というのは勘弁していただきたいものです。名前が変わるのはいいけど、てきとーにはしないで・・・というわけです。
で、今回新たな種が恐竜界に仲間入りしました。
フクイティタン・ニッポネンシス
当時、大陸の端である日本が、恐竜の発見地で有名な四川省や黒竜江省と違う独自の自然をもっていたら面白そうですよね。そして、日本から見つかった新たな種は、当時の日本らへんの固有種である可能性があるわけで、面白そうなわけです。
ただ、ここで気になるのが上の問題です。はたして、「やっぱりシノニムだった」と言われないでしょうか?本当に独立種として認められていくといいですね。
(執筆:馬藤永徳)