恐竜は走れたのか?
恐竜のニュースを見ていると、「ティラノサウルスは走れたか否か」「恐竜の速度はどのくらいか」という議論が時々あがってきます。
骨格が丈夫であるか、あるいは早く走れそうな体つきかで、判断します。筋肉がどのくらいつくことができ、どのくらいの力に骨が耐えられたのか、生物力学の専門家が意見を出しています。
たとえば、恐竜は大型の生き物です。このことが、恐竜の速度に影響します。以前もお話しましたが、骨の長さが2倍になれば、骨の断面積は4倍になり、骨の体積つまり重さは8倍になります。骨の強度は断面積に、骨にかかる力は重さと関係があります。大きくなればなるほど、強度に大して骨にかかる力が大きくなってしまうのです。
またティラノサウルスなどは、走るに耐えるだけの筋肉があったという研究者となかっという意見があります。どのくらい筋肉がついていたか、つくことができたのかというのも大きな争点です。
物理など、様々な分野の研究者が意見を出し合っていますが・・・・結論は出ていません。古生物学以外の研究者もたくさん意見を述べている、面白い分野ではあります。
化石は骨ばかりではありません。古代の生き物が残したものであればなんでも化石であり、糞化石、皮膚の印象化石、氷付けのマンモス、そして足跡化石も化石です。足跡化石が、歩行跡をなしていれば、そこから恐竜の行動が推定できます。どこへ向かっているのかはもちろん、そのときの状況も判断できます。例えば走ったのか、そしてその速度など。 *スラトイド長:歩幅(右足から左足)の二倍。右足から次の右足まで。
結局のところ、恐竜は走ることが出来たのか、走れるとしたら、どのぐらいの速度で走ったかについては、明確な答えが出せるわけではありません。何とも歯切れが悪くて申し訳ないですが、色々な科学者たちが、骨格や足跡化石などを見ながら、推定しているというのが現状です。 (執筆:馬藤永徳) |