恐竜・翼竜ガイド(2)翼竜って何だ?

○はじめに

 翼竜(よくりゅう Pterosaur)は、中生代のジュラ紀後期から白亜紀の末期近くまで生息した、空を飛ぶ爬虫類のことで、学術上は翼竜目という一つのグループに属しているものを指します。恐竜と同じ祖先から、2億2000万年前(三畳紀)に分かれて進化しました。


 空を飛ぶ恐竜と思われがちですが、恐竜とは近縁であるだけで、恐竜の一部が空を飛んでいたわけではありません。


 上写真は世界最大の翼竜であるケツァルコアトルス。白亜紀後期の翼竜で、翼を広げると約10mにもなります。


 こんな巨大な翼竜がいる一方で、登場初期の翼竜はハトほどの大きさでした。上写真はジュラ紀後期に生息したプテロダクティルスという、初期の翼竜ですが、小さいものだと翼を広げた大きさが18cm程度。大きいものでも88cm程度です。

2.翼竜の翼の特徴とは?(写真はケツァルコアトルス)


 (1)薬指(第4指)が伸びており、皮膜を張って翼をつくっています。


 (2)翼支骨があります。これが皮膜を支えており、飛行時のバランス調整のために動かしていたといわれています。

3.コウモリとの翼の違いは?

 どちらも皮膜を持ち、空を飛んでいるのが特徴ですが、簡単にまとめると、こんな違いがあります。


 コウモリ・・・親指(第1指)以外の全ての指が膜を支えています。
 翼竜・・・・ 薬指(第4指)と脚の間だけに膜が張っています。(小指は退化しています)
 
 ※上図は世界最大の翼竜展(2008年開催)にて撮影したもの

4.地上にいるときはどんな姿?


 滑空している姿ばかりがお馴染みですが、飛んでいない時には、地上でどのような姿でいたのでしょうか。
 わかり易く示した化石が上写真。ズンガリプテルスの復元骨格です。

 この翼竜は翼を開くと、全長で3m〜4mになりますが、地上にいるときは、何ともコンパクトな姿でいることがわかります。


 足跡はこのようにつくと想定されています。大きいのが後足で、小さいのが前足(というか指?)です。


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