カメラについて語ってみる(26) Booster T Finder攻略
一月はいく、二月は逃げる、三月は去ると言いますが、早いもので、もう二月も終わりに近づいてきました。一応ボクは学生と言う身分なので、現在は春休みです。そのぶん写真の仕事などで、各地を動くことができるのですが。長期の休みが取れたら旅行に行ってみたいのですが、なんだかんだで休みらしい休みがとれずにいます。
さて、今回は「帰ってきたCanon F-1 追加アクセサリー編!?」をおとどけします。
カメラの楽園第20回で、ボクの所有するCanon F-1用のアクセサリーを紹介しました。既にそのときコレクション自慢になっていた気がしますが、ごめんなさい。今回も、あれから買い集めたアクセサリーの紹介になってしまいます。ただ、それだけでは申し訳ないので、Booster T Finder(ブースター T ファインダー)というアクセサリーの使用説明も行います。かなりレアなアクセサリーで、いまさら使う意味がわからないといわれるかもしれません。でも、ブースターですよ、ブースター。すばらしいです。ブースターが装着されるんです。ホント、どうでもいいですね。つまりボクの自己満足です。それでは第26回カメラの楽園「Booster T Finder攻略」編。(←?)はじまり、はじまり〜
Booster T Finder(以下「BTF」と表記)は手元の資料(『キャノンF-1完全攻略』Gakken)によると、「夜間撮影や接写、顕微鏡撮影など、微光量下での測光範囲を拡大するファインダー」とある。つまり簡単に言えば、非常に暗い状況でも露出計が動きますよ、と言うことである。 夜間撮影や、夜景の撮影は非常に難しい。最近のカメラであれば30秒程度の長時間露光が可能なものがほとんどだが、MF一眼全盛期は1秒以上の露出はバルブ開放(シャッターボタンを押している間シャッター幕が開いている状態)などで長時間露光を行っていた。
このBTFは微光量下での測光と、15秒までの長時間露光機能を、CanonF-1に搭載させることができるのである。
このBTF、多少と言うか、使い方が難しい。また、装着の時も注意すべき点がいくつかある。まず本体軍幹部から、アクセサリーを全てはずす。BTFはそれ自身に、ファインダーイルミネーターFやフラッシュカプラーLと同様のイルミネーターが付いている。そのためにフラッシュカプラーD以外ではBTFと干渉してしまうのである。またソフトレリーズボタンなどもBTFと干渉するため外しておかなければならない。
それから本体シャッターダイヤルのISO感度を、使用するフィルムに合わせてセットしておく。
次にBTFはシャッタースピードの連動が60分の1秒以下になる。そのため装着時には、本体のシャッタースピードを60分の1秒以下にあわせる必要がある。
本体へ装着するときは、通常のアイレベルファインダーやウェストレベルファインダーと同様に装着すればよい。その時シャッターダイヤル後ろのロックボタンを押しながら挿入する。
スライドのロックがかかった後に、シャッターダイヤルの同調(出っ張りを噛合せ)しなければならない。
以上で装着は完了。
まずバッテリーチェックを行う。BTFに用いるバッテリーは酸化銀電池「4SR44」。大型店舗のカメラ屋で購入できる。バッテリーを入れたら、右側にある電源スイッチを「c」に合わせる。BTF上部のメーターのライトが点灯し、+側に針が振れればOK.。
その後スイッチを「on」にする。
次にBTFのシャッターダイヤルにあるISO感度を、使用するフィルムに合わせてセットしておく。
さて、実際撮影方法に移ると、60分の1秒から1秒までと、3秒から15秒までで操作法が大きく変る。
まず60分の1秒から1秒まででは、本体のシャッターを使うことになるので、通常のアイレベルファインダーと使い方はほとんど変わりない。
3秒から15秒の間では、本体のB(バルブ)機能とBTFの電子タイマーを併用することになる。このモードでは三脚などの使用が前提となる。三脚に載せ、構図を決め、ピントを合わせる。次にBTFのアイピースシャッターを閉じる。
この作業をしないと、電子タイマーが動作しない。BTFのシャッターダイヤルで3秒に合わせた後、後ろのボタンを押し上げ、15秒までのレンジでBTFのメーターを見ながら露出時間を決める。三脚を使う長時間露光なので、機械式レリーズなどを併用するとよい。
これだけダラダラと、使い方の説明をしましたが、実用性は皆無です。シャッター最高速は60分の1秒まで制限されるし、アイピースシャッターも非常に硬く、3秒以上の長時間レンジでの撮影も使いにくい。しかし、購入した以上使わなければ。
と言うことで、ボクの使い方はこんな感じです。夜景撮影限定です。
フラッシュカプラーDにレンジファインダー用の単体ファインダーを組み合わせています。
これは28mmレンズと、フォクトレンダーの28/35mmミニファインダーを使っています。
前回のCanonF-1紹介以降に購入したアクセサリーを紹介します。
全ての個体に、無調整で装着できるモータードライブとして登場した。当時は一台ごとにサービスセンターなどで、同調のための調整をしなければならなかった。電源は、バッテリーグリップに収納した単三電池10本を使用する。バッテリーグリップは取り外し可能で、専用コードを使えば外部電源としても使用可能である。
1秒間の最大連続撮影駒数は約3.5コマ。
ユーザーからの希望で、ホットシューをファインダー中央部に設置できるタイプ。アイレベルファインダーと併用し、アイピースリングで固定する。
F-1専用アイテムではないが、ファインダー倍率を拡大してくれる。
本当はデジタル一眼のファインダー倍率が低いため、跳ね上げ式のこのマグニファイヤーを購入したのだが、新製品が登場したためお蔵入り。
いかがでしたか?
CanonF-1の記事を見て、F-1や中古カメラに関する問い合わせが寄せられたので、調子に乗って、また書いてみました。BTFの備忘録みたいな意味も有ります。
春、桜の季節になったら、京都の桜の写真を掲載したいですね。
それでは、また。
2007年2月26日
文責 七ノ瀬悠紀
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