カメラについて語ってみる(27) デジタルカメラBTO考
こんにちは。一年ぶりです。mixiには「一月一度の更新」を目標とか書いていたのは一体誰でしょうか。申し訳ございません。
近況報告としては、進学して研究が忙しくなってきたということでしょうか。まぁ、カメラとは何も関係ありませんが。
それでは今回はパソコンの販売方法であるBTOを、デジタルカメラで考えてみたいと思います。
デジタルカメラの基本的なスペックは必要十分なところに来た、というよりも、オーバースペックなところまで来たといってもいいでしょう。最近の人気のあるコンパクトデジタルカメラ(略:コンデジ)のスペックを例(LUMIX DMC-FX500*1)に挙げると、
画素数 :1070万画素(総画素) 1010万画素(有効画素)
レンズ :25mm〜125mm
シャッタースピード :60〜1/2000 秒
メディア :SDカード/SDHCカード/マルチメディアカード
液晶モニター :3インチ
その他 :動画撮影、手振れ補正、顔認識、PictBridge
です。現在のスタンダードスペックは画素数800〜1000万画素、28mm立ち上がり光学ズーム、SD(SDHC)カード、液晶3インチです。
また手振れ補正機能、顔認識機能などもすでにスタンダードな機能になっています。
ここまでくると、後はデザインや操作性など、スペック表だけで判断できない部分が、購入時の判断材料として大きく影響してきます。メーカーも、ブラックやシルバーなどのレギュラーなものから、ピンクやブラウンなど、いくつかのカラーバリエーションを持たせていることからもうかがえます。
さて、パソコンは今から5年以上前まで、完全なレディ・メイド(規格品)でした。もちろん自作は別ですが。それがパソコン小売店を中心としたパソコンショップで、購入者の希望にあったスペックのパソコンを組み立てる、いわゆるBTO(Built to Order)という販売方法をとるようになって来ました。大手ではDell Computer社などがこの手法で成功を収めたため、他のメーカーも採用するようになりました。
現在はWeb上で、メーカー側が準備した基本スペックをベースに、パーツの変更などが出来るCTO(Configure To Order/Custom to Order)が主流になっています。市場が十分に成熟したこと、ユーザーの知識量が増加したことなどが、このような販売方法が主流になった原因でしょう。
さてデジタルカメラに目を戻すと、BTOまたはCTOといった販売手法が可能になりつつあると考えられます。何種類かのメインボディと操作パーツの材質や色を準備すれば、それを組み合わせてメーカーに注文するなどのシステムをつくれば、自分の好みのカメラができるのです。
もちろん見た目だけではなく、撮像素子やメディアなども、数種類の選択肢があれば自分の必要なスペックを選択できるでしょう。しかし、まだ解像度神話(解像度が高ければ高画質である)がまかり通っているうちは無理かもしれませんね。
個人的にはカラーバリエーションなどの見た目重視の選択肢はコンデジ、スペック重視の選択肢(解像度・防塵防滴など)はデジタル一眼レフといったものになるのではないでしょうか。
今年はオリンピックの年ですので、昨年末から各社新製品が発表・販売されました。CANONはEOS-1D MarkV、EOS-1Ds MarkV、NikonはD3、D300と、魅力のある製品です。
プロ用のモデルがしっかり整えば、すそ野も広がるので、これからも楽しみな状況です。
2008年5月13日
文責 七ノ瀬悠紀
*1 原稿執筆当時、価格.com(http://kakaku.com/)のコンデジ人気ランキングに基づく
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