福島県ー地名の由来と市町村変遷



○地名「福島」の由来

 1593(文禄2)年頃、会津を治める蒲生氏郷の客将であった木村吉清が現在の福島市にあたる信夫郡5万石を与えられた際、杉目城を福島城に改名したのが始まり。なんとも縁起の良い名前ですが、改名を行った理由は不明だとか。

 ー説によると湿地帯を意味する「フケ」に由来し、阿武隈川周辺に「フケ島」が形成されていたことから、縁起の良い「福」の文字を当てたとも云われます。

○地名「会津」「会津若松」の由来

 会津は古くは相津と書き、伝承では崇神天皇(第10代天皇)の時代に北陸道を下る大彦命(おおびこのみこと)と、東海道を下る建沼河別命(たけぬなかわわけのみこと)の親子が、この地で出会ったことに由来します。

 現在の会津若松市には戦国時代、蘆名氏の拠点である黒川城が置かれ、1589(天正17)年に伊達政宗が蘆名氏を滅ぼして黒川を本拠地に。しかし、1590(天正18)年に豊臣秀吉の奥州仕置によって蒲生氏郷が領有。この際、黒川の地名を蒲生氏郷の出身地である蒲生郡日野町にある馬見岡錦向井神社の参道周辺にあった「若松の杜」から「若松」に改名しました。

 江戸時代には会津藩が置かれ、明治時代に入ると若松県が設置されますが1876(明治9)年に福島県、磐前県と合併して県名としては消滅。

 自治体名としては若松町、のち若松市が置かれたのち、1955(昭和30)年に周辺7村を編入した際に、それまで福岡県若松市(現・北九州市若松区)との混同が多かったために「会津若松市」に改名し、現在へ至ります。

○「阿武隈川」の由来

 福島県白河郡の西甲子岳の山中に住んでいた、大熊(青熊・生態)に由来するという説など諸説あります。また、「隈」とは、曲がって入りくんだところという意味があり、川が蛇行する様子に由来したのかもしれません。

 古来より阿武隈川、大熊川、逢隈川、合曲川など様々な表記がされ、平安時代には「あふくまがわ」として歌枕になっています。

○地名「猪苗代」の由来

 磐椅明神がその昔、野猪に苗代を耕作させたことに由来する説、アイヌ語説などがあります。

○地名「喜多方」の由来

 江戸時代に会津藩内の北部にあったことから、「北方」と呼ばれていたことに由来し、1875(明治8)年に一帯の5村が合併する際に縁起の良い当て字を用い、喜多方町と名付けました。

○地名「郡山」の由来

 701(大宝元)年に制定された大宝律令により、現在の郡山市・田村市・田村郡・安達郡を含む地域に「安積郡」が設置された際、その役所である安積郡衙が現在の「郡山」に置かれていたことに由来します。

○地名「ニ本松」の由来

 室町時代からその名前がみられる二本松。由来は諸説ありますが、1341(興国2年/暦王4年)に奥州探題の畠山高国が塩沢の田地ヶ岡に館を構えた際に、2本の松があったことから二本松と地名を名付けたといわれます。

 1414(応永21)年または嘉吉年間(1441〜43年)に子孫の畠山満泰が白旗ヶ峯に築城した際に城の名前を二本松城と名付け、江戸時代には二本松藩が置かれています。

○市町村名の比較(2000年と現在)

市名(2000年)

いわき市

郡山市 こおりやま

福島市 ふくしま

会津若松市 あいづわかまつ

須賀川市 すかがわ

原町市 はらまち

白河市 しらかわ

相馬市 そうま

喜多方市 きたかた

二本松市 にほんまつ

市名(現在)

いわき市

郡山市 こおりやま

福島市 ふくしま

会津若松市あいづわかまつ

須賀川市 すかがわ

原町市 はらまち

白河市 しらかわ

相馬市 そうま

喜多方市 きたかた

二本松市 にほんまつ

→田村市 たむら


町村名(2000年)

(安積郡 あさか


(岩城郡 いわき


(信夫郡 しのぶ


伊達郡 だて

保原町 ほぼら

梁川町 やながわ

川俣町 かわまた

桑折町 こおり

国見町 くにみ

伊達町 だて

霊山町 りょうぜん

飯野町 いいの

月舘町 つきだて


安達郡 あだち

本宮町 もとみや

安達町 あだち

岩代町 いわしろ

白沢村 しらさわ

東和町 とうわ

大玉村 おおたま


岩瀬郡 いわせ

鏡石町 かがみいし

天栄村 てんえい

長沼町 ながぬま

岩瀬村 いわせ


南会津郡 みなみあいづ

田島町 たじま

下郷町 しもごう

只見町 ただみ

南郷村 なんごう

舘岩村 たていわ

伊南村 いな

檜枝岐村 ひのえまた


北会津郡 きたあいづ

北会津村 きたあいづ


耶麻郡 やま

猪苗代町 いなわしろ

塩川町 しおかわ

西会津町 にしあいづ

山都町 やまと

磐梯町 ばんだい

北塩原村 きたしおばら

熱塩加納村 あつしおかのう

高郷村 たかさと


河沼郡 かわぬま

会津下町 あいづばんげ

河東町 かわひがし

柳津町 やないづ

湯川村 ゆがわ


大沼郡 おおぬま

会津高田町あいづたかだ

会津本郷町 あいづほんごう

新鶴村 にいつる

金山町 かねやま

三島町 みしま

昭和村 しょうわ


西白河郡 にししらかわ

矢吹町 やぶき

西郷村 にしごう

表郷村 おもてごう

泉崎村 いずみざき

東村 ひがし

中島村 なかじま

大信村 たいしん


東白川郡 ひがししらかわ

棚倉町 たなぐら

塙町 はなわ

矢祭町 やまつり

鮫川村 さめがわ


石川郡 いしかわ

石川町 いしかわ

平田村 ひらた

玉川村 たまかわ

浅川町 あさかわ

古殿町 ふるどの


田村郡 たむら

船引町 ふねひき

三春町 みはる

小野町 おの

常葉町 ときわ

大越町 おおごえ

滝根町 たきね

都路村 みやこじ


双葉郡 ふたば

浪江町 なみえ

富岡町 とみおか

大熊町 おおくま

楢葉町 さしま

双葉町 ふたば

広野町 ひろの

川内村 かわうち

葛尾村 かつらお


相馬郡 そうま

小高町 おだか

鹿島町 かしま

新地町 しんち

飯舘村 いいたて

町村名(2000年)

(消滅・1965年5月)


(消滅・1966年10月)


(消滅・1968年10月)


伊達郡 だて

保原町 ほぼら

梁川町 やながわ

川俣町 かわまた

桑折町 こおり

国見町 くにみ

伊達町 だて

霊山町 りょうぜん

→福島市

月舘町 つきだて


安達郡 あだち

本宮町 もとみや

安達町 あだち

岩代町 いわしろ

白沢村 しらさわ

東和町 とうわ

大玉村 おおたま


岩瀬郡 いわせ

鏡石町 かがみいし

天栄村 てんえい

→須賀川市 すかがわ

→須賀川市


南会津郡 みなみあいづ

田島町 たじま

下郷町 しもごう

只見町 ただみ

南郷村 なんごう

舘岩村 たていわ

伊南村 いな

檜枝岐村 ひのえまた


(消滅)

→会津若松市 あいづわかまつ


耶麻郡 やま

猪苗代町 いなわしろ

塩川町 しおかわ

西会津町 にしあいづ

山都町 やまと

磐梯町 ばんだい

北塩原村 きたしおばら

熱塩加納村 あつしおかのう

高郷村 たかさと


河沼郡 かわぬま

会津下町 あいづばんげ

河東町 かわひがし

柳津町 やないづ

湯川村 ゆがわ


大沼郡 おおぬま

→会津美里町あいづみさと

→会津美里町

→会津美里町

金山町 かねやま

三島町 みしま

昭和村 しょうわ


西白河郡 にししらかわ

矢吹町 やぶき

西郷村 にしごう

表郷村 おもてごう

泉崎村 いずみざき

東村 ひがし

中島村 なかじま

大信村 たいしん


東白川郡 ひがししらかわ

棚倉町 たなぐら

塙町 はなわ

矢祭町 やまつり

鮫川村 さめがわ


石川郡 いしかわ

石川町 いしかわ

平田村 ひらた

玉川村 たまかわ

浅川町 あさかわ

古殿町 ふるどの


田村郡 たむら

→田村市 たむら

三春町 みはる

小野町 おの

→田村市

→田村市

→田村市

→田村市


双葉郡 ふたば

浪江町 なみえ

富岡町 とみおか

大熊町 おおくま

楢葉町 さしま

双葉町 ふたば

広野町 ひろの

川内村 かわうち

葛尾村 かつらお


相馬郡 そうま

小高町 おだか

鹿島町 かしま

新地町 しんち

飯舘村 いいたて

*会津本郷町 1992年4月本郷町から改称
*古殿町 1994年4月に東白川郡から石川郡に変更

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