栃木県ー地名の由来と市町村変遷
〇地名「栃木」の由来
県名と市名に存在する「栃木」。県名としては明治4年11月に宇都宮県とともに栃木県が発足した際、当時の県庁所在地であった栃木町(現在の栃木市)から採用されたもの。明治6年6月15日に栃木県と宇都宮県は統合され、新たな「栃木県」が発足。当初は栃木に県庁所在地が置かれましたが、明治17年に宇都宮に移され現在に至ります。 さて、その栃木の由来は諸説あります。1つは栃木市の神明宮という神社社殿の屋根にある2組の千木(ちぎ)と8本の鰹木(かっおぎ)が遠くから見ると10本に見えたことから十千木(とおちぎ)と呼ぶようになったというもの。
このほか、トチノキに由来するという説や栃木市内の巴波川がたびたび氾濫し、千切れた地形(浸食された地形)に接頭語の「ト」が付いたという説などがあります。
ちなみに栃木県の「栃」の字は日本で生まれた漢字。また、栃木県が発足した時点では、杤や橡など様々な漢字も使われ、1879(明治12)年に県名の漢字を「栃」で統一するよう正式に決定しています。
〇地名「宇都宮」の由来
市内中心部にある二荒山神社の別名「宇都宮」に由来。一宮が転訛したという説や、宇都宮の二荒山神社は、日光の二荒山神社が険しい山の中にあったことから、お詣りに便利な場所へ内宮(うつのみや)として誕生したことから、これに由来するという説もあります。〇地名「今市」の由来
現在は日光市の一部となった旧今市市。かって6つの村が持ち回りで開いていた市(いち)が、日光東照宮へ向かう日光街道が出来たことで新しい場所に定着したことから、その名前が付いたと云われます。地名「小山」の由来
平安時代の「和名抄」において、下野国都賀郡の11郷の1っとして名前が登場するのが始まり。由来は諸説ありますが、有力な説として市内を流れる思川西部の低地から見ると、東部の大地が小さな山の形をしているからと云われます。〇地名「喜連川」の由来
現在は市町村合併で、さくら市となった喜連川(きつれがわ)。江戸時代は名家である足利氏(小弓公方)の領地となり、名字を喜連川氏としています。 地名の由来は諸説あり、氾濫の多い荒川を地元で狐川と呼んだことに由来する説や、荒川上流に生えていた大木に九尾の狐が住み着き、「狐川」と呼んだという説、シンプルに狐がたくさん住み着いていたから、というなど説、荒川と内川が来て連なることに由来する説などがあります。いずれにせよ、川に由来し、「喜」という縁起の良い漢字を当てたようですね。
〇地名「さくら市」の由来
2005(平成17)年に誕生した新しい自治体名。氏家町と喜連川町が合併した際、勝山城跡や鬼怒川堤防、県道佐久山・喜連川線、お丸山公園など両町に桜の名所があり、桜の花のように美しいまちになってほしいという願いから名づけられ、ひらがなで表現の柔らかさを演出しています。う〜ん…。
〇地名「那須」の由来
那須町、那須塩原市、那須烏山市と3つの「那須」系地名があり、格式の高さが伺える地名。その由来は諸説あり、「那珂川の中州」が短縮して転化した説やアイヌ語説などがあります。
〇地名「日光」の由来
男体山の古称であるニ荒(ふたら)山のニ荒を音読みしたものと云われます。なお、ニ荒山とは補陀落(ふだらく)に由来するという説などがあります。○市町村名の比較(2000年と現在)
市名(2000年) 宇都宮市 うつのみや 足利市 あしかが 小山市 おやま 鹿沼市 かぬま 栃木市 とちぎ 佐野市 さの 真岡市 もおか 今市市 いまいち 黒磯市 くろいそ 大田原市 おおたわら 矢板市 やいた 日光市 にっこう |
市名(現在)
宇都宮市 うつのみや 足利市 あしかが 小山市 おやま 鹿沼市 かぬま 栃木市 とちぎ 佐野市 さの 真岡市 もおか →日光市 →那須塩原市 なすしおばら 大田原市 おおたわら 矢板市 やいた 日光市 にっこう さくら市 |
郡町村名(2000年) (足利郡 あしかが) 河内郡 かわち 河内町 かわち 上三川町 かみのかわ 南河内町 みなみかわち 上河内町 かみかわち 上都賀郡 かみつが 粟野町 あわの 西方町 にしかた 足尾町 あしお 芳賀郡 はが 益子町 ましこ 茂木町 もてぎ 芳賀町 はが 二宮町 にのみや 市貝町 いちかい 下都賀郡 しもつが 壬生町 みぶ 大平町 おおひら 野木町 のぎ 岩舟町 いわふね 石橋町 いしばし 藤岡町 ふじおか 国分寺町 こくぶんじ 都賀町 つが 塩谷郡 しおや 高根沢町 たかねざわ 氏家町 うじいえ 塩谷町 しおや 藤原町 ふじはら 喜連川町 きつれがわ 栗山村 くりやま 那須郡 なす 西那須野町 にしなすの 那須町 なす 烏山町 からすやま 黒羽町 くろばね 馬頭町 ばとう 南那須町 みなみなす 塩原町 しおばら 小川町 おがわ 湯津上村 ゆづかみ 安蘇郡 あそ 田沼町 たぬま 葛生町 くずう |
郡町村名(現在) (消滅・1962年10月) 河内郡 かわち →宇都宮市 上三川町 かみのかわ →下野市 しもつけ →宇都宮市 (消滅) →鹿沼市 かぬま →栃木市 とちぎ →日光市 芳賀郡 はが 益子町 ましこ 茂木町 もてぎ 芳賀町 はが →真岡市 もおか 市貝町 いちかい 下都賀郡 しもつが 壬生町 みぶ →栃木市 野木町 のぎ 岩舟町 いわふね →下野市 →栃木市 →下野市 →栃木市 塩谷郡 しおや 高根沢町 たかねざわ →さくら市 塩谷町 しおや →日光市 →さくら市 →日光市 那須郡 なす →那須塩原市 なすしおはら 那須町 なす →那須烏山市なすからすやま →大田原市 →那珂川市 なかがわ →那須烏山市 →那須塩原市 →那珂川市 →大田原市 (消滅) →佐野市 さの →佐野市 |