●はじめに

 1979年に第1作目である「機動戦士ガンダム」がTV放映されてから、今に至るまで数多くのシリーズが製作され、絶大なファンとマニアの支持を集めてきた「ガンダム」。アニメはもちろんのこと、映画や小説、ゲームなど、色々な分野に進出しています。

 一体、この作品は何故こうも長く続き、愛されたのか。それについて、まあここで論じても仕方ないのですので、つまりこのコーナーでは、これらガンダム系諸作品の「あらすじ」と「見所」を紹介することで、ガンダムについて知らない人には「なるほど、こんな作品なんだ〜」、及び「この作品は見ていなかったんだよな〜」という人にも、マニアな人と話をした時に、予備知識として持って頂ければ、と言うのが趣旨です。一般的に紹介されている物以外にも、かなりのガンダム作品を網羅することを旨としておりますので、中堅(?)マニアの方にも満足していただけると思います(漫画・小説のうち短編作品・読み切り作品は除く)。

 というわけで、当然の事ながら「ニュータイプは、こうである」とか、「ジオン敗北の原因」「なぜシャアはアクシズを落としたのか」なんて、そんな一視聴者がインターネット上でわざわざ真面目に考えても仕方のないことは、一切取り扱いませんので、ご了承ください。


 ただそうは言っても、そんなに多くのガンダム系用語を知っておく必要はないですが、ある程度知っておいた方がよいと思われる物6つを、ごく簡単に解説します。あくまで「簡単」ですから、マニアの人は「いや、詳しく言うと・・」なんて語り出さないように!!(笑。

●原作者? 富野由悠季とサンライズ
  一般的にガンダムの原作者として想像がつくのが、富野由悠季氏で、一番最初に放送された機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)のほかにも多くのガンダム作品の監督をやっています。またファーストガンダムでメカニカルデザインを担当した大河原邦男氏が、キャラクターデザインを担当したは安彦良和氏は、その後のガンダム人気に多大なる影響を与えたといえるでしょう。

 ガンダムはその後も様々な作品が現在に至るまで放送されていますが、富野由悠季氏が監督や原案・脚本を書いたのもあれば、まるで関係ない人が監督やストーリーを書いているのも、数多くあります。メカデザインも大河原氏のほかにカトキハジメ氏などが担当することがありますし、キャラクターデザインに至っては作品ごとに色々な人が担当しています。

 ちなみに、製作・配給会社であるサンライズという会社が著作権持っているため、この会社がきちんと認めたものが、正しいガンダムとなるみたいです。また、原作者の欄を注意深く見ると、富野由悠季 矢立肇 となっています。この矢立肇とは、サンライズスタッフ一同と言った意味らしいです。その他、絵コンテの欄に良く出てくる桶谷顕、作詞者として出てくる井荻麟 これらは富野由悠季氏のペンネームだそうです。

 あと、プラモデルはバンダイが一手にに引き受けています。

●MS
 ガンダム世界に登場する人型ロボットのことで、モビルスーツと読みます。ガンダム系作品は、基本的に人は、これらロボットに乗り込んで戦争します。大きさは様々ですが、だいたい15m〜25mぐらいが主流です。それから、当然「戦艦」など艦船が多数存在しており、MSは艦船を母艦にして運用されます。

●宇宙世紀
 読んで字のごとくです。人類が宇宙に進出してから使われている暦という設定です。ただし、すべてのガンダム作品がこの宇宙世紀を使っているわけではなく、一応この暦を使っている作品をガンダム正史、それ以外の作品(Gガンダム、ガンダムW、ガンダムX、ガンダムSEED、ガンダムダブルオーなど)を番外編的な見解とする考えが一般的です。

 ただし、1999年に公開された∀ガンダムでは、宇宙世紀を使っていようが使っていまいが、それらはすべて黒歴史という太古に起こったこととしてまとめて描かれています。

●コロニー

 ガンダムの作品は、人は地球だけでなく宇宙にも住んでいます。宇宙では、「スペースコロニー」とよばれる宇宙空間に浮かぶ建造物に住んでいます。宇宙ステーションの発展的な物と考えてください。代表的な形は丸い筒状の物ですが、大きさも含め、その他にも色々あります。また、月にも人は住んでいます。

 どのコロニーも回転することによって重力を作り出し、太陽光発電でエネルギーを得ており、さらにコロニーの中は人工的に雨が降ったり、雪が降ったりして地球とよく似た環境・気候が再現されている・・という設定です。

 なお、宇宙世紀の作品ではコロニー群は「サイド」と呼ばれる単位に別れていて、その中の1つ1つのコロニーを「○バンチ」と呼んでいます。・・・番地ですかい!(笑。

 この、コロニーという考え方は、記憶が正しければ1970年代に提唱されたものですけど、今はどうなんでしょ?やはり、非現実的なんですかねえ??

●地球連邦(宇宙世紀の場合)

 宇宙世紀において、地球と宇宙(地球圏)を支配する、巨大な組織です。どうも、国際連合が改変され、強力になった組織なようで、昔は英訳を「United Nations」としていました。ただ、ガンダム作品の海外進出に伴い問題となると考えたのか、最近では「Earth Federation」と直訳しています(Federation=連邦)。また地球連邦政府の軍事機関が、地球連邦軍。この軍事組織が物語に大きく関わってきます。

 宇宙世紀における機動戦士ガンダムの世界は、
 @サイド3に誕生したジオン公国が地球連邦政府に対して宣戦を布告
  ↓
 Aジオン公国の敗北と、残党軍の決起及び連邦軍内の内部抗争
  ↓
 Bジオンとは関係ない組織による連邦軍への攻撃

 という流れで、現在のところ宇宙世紀0079年〜0153年まで進んでいきます(小説「ガンダムユニコーン」には宇宙世紀の始まりも描かれていますが)。

 なお機動戦士ガンダムシリーズの面白いところは、この地球連邦は必ずしも主人公側の組織ではなく、また主人公側の組織であっても腐敗した状況が描かれていたり、または完全に弱体化して情けない状態だったりと、あまりきちんとした組織で無いことが大半です。

 ちなみに、宇宙世紀以外の作品の場合は機動新世紀ガンダムX、機動戦士ガンダムダブルオー(セカンドシーズン)にて、地球連邦を名乗る組織が登場します。もちろん、宇宙世紀における地球連邦とは関係ありません。一方、ガンダムW、ガンダムSEEDで登場する世界的な組織は、地球連合という名称です(W,SEED双方全然繋がりはありません)。

●SDガンダム

 主にスーパーロボット大戦などの、ゲームなんかで登場します。本来はMSは馬鹿でかい長身ですが、それを可愛らしく3等身にデフォルメした物です。
 
 またもう一つ、このデフォルメという設定を使って騎士ガンダムとか、武者ガンダムなどの作品も生まれています。これらは、デフォルメキャラクターを、ロボットとしてではなく、あくまで人と同じような種族として扱い、人格を与えてストーリーを作らせています。主にコミックボンボンで連載され、こちらは、小さい子どもに人気です。よって大人は(マニアですら)この世界から卒業すると、今はどうなっているか解りません。なお、2004年1月からは、SDガンダムフォースという作品がTV東京で放映されています。

●ガンダムエース

 角川書店から1999年より刊行中のガンダム専門雑誌です。分厚い雑誌で、山ほどのガンダム漫画が連載されており、これを見た富野監督は「世も末だ」的な発言をしております(とか言いながら、ガンダムではありませんが連載しておりますけど)。目玉は、機動戦士ガンダムでキャラクターデザインや作画監督を務め、アニメ・漫画界の巨匠でもある安彦良和氏による機動戦士ガンダム ジ・オリジン。完全リニューアル版ガンダムと言ったところでしょうか。MSのデザインや設定も大きく話をねじ曲げない程度に変わっています。コミックも登場中なので、非常にお勧めです。

 と、語句解説はこんなところで終わりにします。では、次回から個別に作品を見ていきましょう。