U.C.0133 機動戦士クロスボーンガンダム
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作品データ DATA |
コミック全6巻(新装版上下2巻) 少年エース1994年12月〜1997年3月連載
原作:富野由悠季 原案:矢立肇
作画:長谷川裕一
メカニックデザイン協力:カトキハジメ
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われわれは木星人なのだよ!
SF映画に出てくる異星人のようにね! |
クロスボーンガンダム1号機 |
ハリソン専用F91。この時代、F91は指揮官用MSなどとして活躍。 |
連邦軍の主力MSはヘビーガンに。ようやく量産され始めたジェムズガンやジャベリンも、ちらりと漫画の中に登場している。 |
フロンティアサイドで発生したコスモバビロニア建国戦争は、クロスボーン・バンガード軍の勝利に終わった。
しかし貴族主義を掲げマイッツアー・ロナが建国した、そのコスモバビロニアは、その孫娘であるベラ・ロナが「貴族主義は間違っている」と訴え、崩壊しまう。そして宇宙世紀128年、ベラ・ロナやシーブック達の乗った旗艦バビロニア・バンガードが何者かによって爆破され、彼らは死んだのであった。
しかし、それからしばらくして宇宙海賊クロスボーン・バンガードを名乗る組織が出現。密かに連邦軍の一機関サナリィから、実戦テストも兼ねて横流しされたクロスボーン・ガンダム、クロスボーン軍のMSとして開発されたゾンドゲーを駆り、海賊活動を行っているのであった。そして宇宙世紀133年。木星への留学生トビア少年が乗った輸送船スマシオン号は、その宇宙海賊クロスボーン・バンガードに襲われた。トビアは、機械工学科の学生であったため木星のMSバタラに乗り込み、ガンダムと戦うが敗北。しかし、命は助けられ、スマシオン号に戻ったところ、毒ガスを積んでいるを見つけてしまう。それをみたトビアの先生カラスは、口封じのために彼を殺そうとするが、ガンダムに助けられ、クロスボーン・バンガードの旗艦マザー・バンガードに連れて行かれた。
マザー・バンガードの艦長は亡くなったはずのベラ・ロナで、そしてガンダムを操るのはキンケドゥ・ナウ、元の名をシーブックなのであった。トビアは何の事かよく理解できなかったが、しかし宇宙海賊クロスボーン・バンガードの目的が、密かにたくらまれている木星帝国の地球侵攻の野望を砕く事であると訊かされると、これに協力することにした。ベラは、木星の基地に忍び込むための人材を必要としていて、輸送船を襲ったのも木星への留学生を捕まえるためであったのだった。木星への留学生なら、怪しまれずに侵入する事が出来る。
そこにハプニングが。何故か地球に行きたかったという女の子ベルナデッドがマザー・バンガードの中に入り込んでいたのだ。困惑するベラ艦長だったが、トビアは置いておいてあげるべきだと強硬に主張し、結局クロスボーンと共に行動する事になる。
そしてキンケドゥが重傷の負傷兵の変装をし、トビアに「この人に宇宙海賊から助けられました」と言わせて木星の基地に侵入。そして木星の指導者クラックス・ドゥガチの居場所のデータを手に入れると脱出。だがその木星の基地の中で、トビアは木星の人々がおかれた、水も空気も作り出さないといけず、資源が殆ど無い厳しい環境を知り、複雑な気分になった。
このデータを元に、ついに木星の衛星で、帝国の本拠であるイオに侵攻。激戦の末、クラックス・ドゥガチの元にたどり着いたが、それはクローンの1人で、基地は爆発する事が知らされる。キンケドゥが爆発を防ごうとするが一歩のところで届かなかった。が、そこにベルナデッドが。彼女がパスワードを入力すると爆発は停止された。彼女は、ドゥガチの一人娘だったのだ。覚悟を決めたベルナデットだったが、ベラは引き続き彼女を同行する事にする。
そして10年にわたり培ってきた地球との友好ムードを表向きに、木星帝国は地球に向けて侵攻を開始した。追うマザー・バンガードだったが、戦争をやめさせたいと願う、そして木星帝国の野望を知らないベラ・ロナの従兄弟であるシェリンドン・ロナはベラ達を地球連邦に売り渡す。やむなくおとなしく従う事にしたベラ達だったが、そこにクロスボーン・バンガードを裏切り木星帝国軍に寝返ったザビーネが、連邦軍に攻撃を仕掛ける。反逆行為ありと見なして連邦軍はクロスボーン・バンガードに攻撃を開始。さらに、木星帝国軍も連邦に協力する形で参戦。
罠にはまったベラ達は、地球連邦と木星帝国の両方を敵に回し、結局マザー・バンガードを爆破する事で目くらましをかけ、脱出ポットで地球へと降下した。だが、戦闘のさなか、キンケドゥはザビーネにやられ、機体は地球へと落ちていったのだった。ベラは悲嘆にくれる。
こうして堂々と地球圏に到着した木星帝国軍は、突如として48時間以内に核ミサイル攻撃で地球を破壊する事を宣言(直ぐに攻撃をかけなかったのは、それを阻止しようとする連邦軍と戦う事で、連邦の兵力を減らすため)。圧倒的な戦力で連邦軍を追いつめる木星帝国軍。しかしその時、地球からクロスボーン・バンガード軍が発進し、連邦軍のハリソン大尉と協力して木星帝国の旗艦ジュピトリス\を撃沈。その中には、奇跡的に生還し復活したキンケドゥもいた。そしてキンケドゥは、ついにザビーネとの決着を付ける。
クラックス・ドゥガチは、7人のクローンと巨大MAを連邦軍にぶつけ、自らの手で地球を潰すべく核を積んで降下。彼は、つまるところ「豊かな地球」の存在が許せなかったのだ。だが、クローン達は連邦と各コロニー軍に敗北し、クロスボーンガンダム3号機に乗るトビアと、キンケドゥによってあと一歩のところで野望は費えたのだった。
そして、トビア達クロスボーン・バンガードのメンバーは再び宇宙へ。キンケドゥとベラは、名前をシーブックとセシリーに戻し、地球に残る事を選択し、物語は終わる。