∀ガンダム

正暦２３４３　∀ガンダム

●見所　Highlight

　Ｖガンダムに続き、これも凄い作品です。そして放送時間の関係で、視聴率は最悪だったのがあまりにも勿体ない。おそらく、これに懲りてサンライズは商業主義の権化、美少年と巨乳のガンダムＳＥＥＤを制作したと思うのですが、それだけのこの作品が見落とされがちなのには、あまりにも残念だと思います。

　この作品では、一般市民の立場とトップの立場と、両面から戦争をかけている点にあります。さらに、混迷する民族対立と通じる点もあります。
　ところが、それでは重苦しい内容なのか、と言うと決してそうではない。どこか、みんな線が一本抜けているというか、ほのぼのしているんです。ほのぼのしているんだけど、何も考えていないのかというとそうではない、この微妙なバランス・・・見て頂けないと解らないと思うのですが、とにかく、見事に調和のとれた作品になっています。

　また、地球側は産業革命の時代。と言っても、文明は崩壊したと言え過去の歴史を引きずっていますので、微妙に歴史で習う産業革命とは異なっているのですが、そんな時代に未来文明がせめてきた、と言う事で、この設定もなかなか素敵。それを、また上手く描くので凄いと思いますよ、この作品は。それからおとぎ話の設定も色々使われているんですよね。これも面白いです。

　賛否両論がありますが、ヒゲの∀ガンダム。見慣れてくると素敵です。昨今の武装を全身に付けた動く重ＭＳみたいなガンダムと違い、ある意味あっさりとしたそのデザインは、私は悪くないと思います。もっとも、一番好きなのはνガンダムですが（笑）。そして、あのザクが、カプールが発掘という信じられない設定で登場。全く姿形の違うムーンレイスのＭＳと戦うのは時代の差を感じさせる点で、非常に大きなインパクトがあります。この他、ズサも登場。
　
　んなわけで、映画版もありますので是非見て頂きたい。
　ただ、映画版は物語に間接的に影響を与えるストーリーを全てカットしてしまっているので（時間の都合上、仕方がない）、できればＴＶ版をレンタルビデオ店で借りて、全話見る事をお勧めします。え、キャラクターデザインが変？　これも見ていれば不思議とその魅力にとりつかれますよ。とにかく、見ないでこの作品を批判する人が多いのですが、やめて頂きたい。これだけは強く言っておきたいと思います。

　地球と月の人々が織りなす一大叙事詩、是非見てください。

●登場人物＆声優　Characters & voice actor

ロラン：朴○美（漢字が出ません）／キエル・ディアナ：高橋理恵子／ソシエ：村田秋乃／キース：福山潤／フラン：渡辺久美子／グエン：青羽剛／ハリー：稲田徹／シド：野島昭生／フィル：小山剛志／ヤーニ：桐本琢也／ミハエル：金尾哲夫／ポウ：中西裕美子／ジョセフ：佐藤せつじ／ミラン：曽我部和恭／コレン：川津泰彦／メシェー：鬼頭典子／メシェー父：沢木郁也／ハイム：長克己など

●関連書籍・ＣＤ／ＤＶＤ（アマゾン書店より購入可）

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