ガンダムWの世界における最初の(兵器としての)モビルスーツは、作中に登場した5人の博士達が作り上げた「トールギス」なのですが、あまりにもブッ飛びすぎた性能(具体的には、乗った人が死ぬくらいの重力がかかる加速性能)もあってお蔵入りと相成り、扱いやすいように各機能をデチューンしたリーオーが大ヒット、一躍時代の寵児としてもてはやされることになりました。
しかし「自分達が作ってるのは皆に扱われるような『商品』じゃない、戦場で確実に勝てる『兵器』なんや!」という考えがあったのかは知りませんが、開発者5人は所属していた地球連合を出奔、宇宙に上がってしまいました。ここで自分達が求める「最強の機動兵器」を建造するべく研究を続け、それぞれの専門分野を突き詰めたノウハウを一つに凝縮、ついに希望通りの機動兵器「ゼロ」の設計までこぎつけます。
…が、研究の髄を集めて設計された「ゼロ」は、トールギス以上に扱えないどころか、シミュレーションしてみると
「ひょっとしなくても国の3つ4つは簡単に消し飛ぶどころか下手すりゃ人類全体がヤバい」
というシロモノであったため、これはさすがにあんまりだ…ということで建造されずに封印処置されてしまうことになりました。
時は流れて、5人の博士がそれぞれの専門分野に特化したガンダムを用いた「オペレーション・メテオ」発動からからガンダムWの話は始まりますが、混迷が深まる中、ひょんな事からかつて封印されていたはずの「ゼロ」が、完全な形でその姿を現してしまうことに。かくしてアフターコロニー史上最強最悪の機動兵器、破壊と殺戮の権化は世界に放たれてしまったのです…。
…多少誇張はあるけど、これ「主人公機」です。ラスボスじゃありませんよ?
(解説&所蔵:八十八舞太郎)
新機動戦記ガンダムW
さてROBOT魂より発売された「ウイングガンダムゼロ」。ウイングゼロといえばナマモノの羽が生えた「Endless
Waltz版」がありますが、本来のテレビ放送で出てきたのはこちらです。流麗なデザインのOVA版とは異なり、兵器然としたかなりゴツめのスタイル。
確かに主役機らしい赤、青、黄のトリコロール色なのですけど、こう見ると結構赤色の範囲が多いという結構派手な配色です。ゼロが現れた辺りは話が結構グダグダしてきた頃なので、待望の二代目主人公機登場か!と多くの視聴者を期待させたのでしょうが
初登場時のどう贔屓目に捉えても「ラスボス登場!」なBGMで「…?」
必死になって撃ちまくる量産機の攻撃を、微動だにせず仁王立ちで受け続ける(無傷)姿に「………??」
で、おもむろに反撃で撃ってみたライフルの一撃で資源衛星が一発消滅して「!?!!!??!???」
…これ普通は「ラスボス」と呼ばれる存在がやることだと思うのですが…