ウイングガンダムゼロ
     XXXG-00W0
●この機体について
 ガンダムWの世界における最初の(兵器としての)モビルスーツは、作中に登場した5人の博士達が作り上げた「トールギス」なのですが、あまりにもブッ飛びすぎた性能(具体的には、乗った人が死ぬくらいの重力がかかる加速性能)もあってお蔵入りと相成り、扱いやすいように各機能をデチューンしたリーオーが大ヒット、一躍時代の寵児としてもてはやされることになりました。

 しかし「自分達が作ってるのは皆に扱われるような『商品』じゃない、戦場で確実に勝てる『兵器』なんや!」という考えがあったのかは知りませんが、開発者5人は所属していた地球連合を出奔、宇宙に上がってしまいました。ここで自分達が求める「最強の機動兵器」を建造するべく研究を続け、それぞれの専門分野を突き詰めたノウハウを一つに凝縮、ついに希望通りの機動兵器「ゼロ」の設計までこぎつけます。

 …が、研究の髄を集めて設計された「ゼロ」は、トールギス以上に扱えないどころか、シミュレーションしてみると
「ひょっとしなくても国の3つ4つは簡単に消し飛ぶどころか下手すりゃ人類全体がヤバい」
というシロモノであったため、これはさすがにあんまりだ…ということで建造されずに封印処置されてしまうことになりました。

 時は流れて、5人の博士がそれぞれの専門分野に特化したガンダムを用いた「オペレーション・メテオ」発動からからガンダムWの話は始まりますが、混迷が深まる中、ひょんな事からかつて封印されていたはずの「ゼロ」が、完全な形でその姿を現してしまうことに。かくしてアフターコロニー史上最強最悪の機動兵器、破壊と殺戮の権化は世界に放たれてしまったのです…。

…多少誇張はあるけど、これ「主人公機」です。ラスボスじゃありませんよ?
(解説&所蔵:八十八舞太郎)

●主な登場作品
 新機動戦記ガンダムW

●八十八所員より
 さてROBOT魂より発売された「ウイングガンダムゼロ」。ウイングゼロといえばナマモノの羽が生えた「Endless Waltz版」がありますが、本来のテレビ放送で出てきたのはこちらです。流麗なデザインのOVA版とは異なり、兵器然としたかなりゴツめのスタイル。

 確かに主役機らしい赤、青、黄のトリコロール色なのですけど、こう見ると結構赤色の範囲が多いという結構派手な配色です。ゼロが現れた辺りは話が結構グダグダしてきた頃なので、待望の二代目主人公機登場か!と多くの視聴者を期待させたのでしょうが
初登場時のどう贔屓目に捉えても「ラスボス登場!」なBGMで「…?」

 必死になって撃ちまくる量産機の攻撃を、微動だにせず仁王立ちで受け続ける(無傷)姿に「………??」
 で、おもむろに反撃で撃ってみたライフルの一撃で資源衛星が一発消滅して「!?!!!??!???」
 …これ普通は「ラスボス」と呼ばれる存在がやることだと思うのですが…

▼ギャラリー

背面

お約束
 OVAのゼロといえば足をピンと立てた「バレリーナ立ち」の姿が印象的ですが、実はテレビ版でもこのポーズをやってます。ただ付属品のスタンドが足を伸ばすのには微妙に高さが足りないため、別商品でディスプレイ。もう1cm高ければよかったのに…。

 付属品は先述のスタンドに、分割可能なツインバスターライフル、ハンドパーツ左右各種、サーベル、差し替え用マシンキャノン。また、変形のための差し替えパーツ(脚、腹部)もあります。今回は変形割愛。


武装
 サーベルは設定では肩アーマー内に内蔵されていますが、さすがにこのサイズで仕込むのは難しいので別パーツ。マシンキャノンも同様に別パーツで、白いパーツを差し替えて再現するようになっています。

 可動に関しては先に発売されたOVA版ゼロとほぼ同等ですが、変形の関係かどうも腹部がゆるく背中側に簡単に反ってしまうのがちょっと残念。特徴的な背中のウイングは、先の写真のように2つにガバっと開くことができます。中にはトールギスを凌ぐ推力が出せるという大型バーニアが。


ライフル、分割使用
 設定どおり分割して両手に持てるバスターライフル。照射しながらブン回すという通称「ローリングバスターライフル」が印象的。この手の大型武器にありがちな問題ですが、やっぱり手のパーツが磨耗してへたれます。軸をちょっと太らせると良いかも知れません。

 大出力ビームを単に照射するだけではなくそのまま「振り回す」という鬼の所業。ゲームでも大概高性能な範囲攻撃として実装されています。

ツインバスターライフル
 ゼロの封印の原因にもなった、一発でコロニーが消し飛ぶ超弩級重火器ツインバスターライフル。何故こんなものを設計してしまったのか。

 両手持ちをするための、両手を組んだようなハンドパーツもあるのですが、グリップの位置が調整できるので別に使わなくても再現はできます。胸の前で構えて撃つポーズが有名ですけど、実は結構片手でもぶっ放してます。フィギュアでも重量的に辛いですが・・・。

 「その危険性ゆえに封印されていた禁断の兵器」という、出自としてはかなり異質なウイングガンダムゼロ。
 ファンタジー作品ではよく見られる設定なのですけど、ことガンダムシリーズにおいては極めて特殊な存在になってます。機動兵器らしくない、という声もありますけど、こんなのが1つ2つは居ても悪くはないと思います。

 キャラ的に強烈なOVA版ばかりが露出していましたが、ここ最近こちらのテレビ版も次々と登場の場が増えています。
 良かったね。