ジオン公国軍試作型MS ヅダ EMS−10

所蔵&撮影:八十八舞太郎


○基本データ

 一年戦争時にジオン軍が使用したMS。ツィマッド社が開発したもので、ジオニック社開発のMS-05ザクと正式採用の座を争った、人類最初のMSになりえたかも知れないもう一つの存在。しかし、トライアウト中に機体が暴走、爆散してしまったことで問題が露呈し、ザクに正式採用の座を明け渡すことになってしまったという不遇の機体である。
 ただし、開発自体は打ち切りにはならず、機体は存続となった。
 試験支援艦ヨーツンヘイムに配備され、ザクを凌駕する新型MSとして宣伝された。
 


 主な登場作品:機動戦士ガンダム MS IGLOO
 八十八所員より:プラモデルにおける可動域は普通。ザクTより後の発売なのに腕に二重関節が使用されていないのは、特殊な機構が腕に仕込んであるからです。頭部は一般機、隊長機、予備機の三機分仕様があり、写真上は一般機仕様、写真左下がアンテナのついた隊長機仕様となっています。
 武装はザクと同様のマシンガンにヒートホーク、シールド先端部の打突用ピック、投擲弾頭シュツルム・ファウストなど。
 シールドは左肩上部に沿ってレールが設けられていて、かなり自由に位置を調節することが出来ます。


▼ギャラリー
シールド防御
 ヅダ隊長機仕様。
ポージング
 この機体は脚にマシンガンやヒート・ホークをマウントする為、それらを素早くホールドするために腕に伸縮機構が設けられています。二重関節になっていないのはこのせい。
 また、ガブスレイ等に付属の「マトリクスディスプレイ」を転用することも可能。因みにこの写真は予備機仕様の頭部です。
対艦ランチャー発射!!
 ヅダがザクとは大きく異なるのは、最初からこの対艦ランチャーのように局所仕様の武装が用意されていたというところ。
 また推進機周りもかなりオーバースペックなもので、ザクはおろか連邦のMSすらも凌駕するほどの推進力が計上できたとか。
 ただ、それらの仕様がコストの高騰を招いたのか、「量産機」という視点からはハブられることに。合掌。
ザクTと並んで・・・
 で、競合相手のザクと並べてみる。
 どうもヅダには量産機「らしさ」というものがあまり感じられない。どちらかといえば強襲・一点突破のような、単機での能力向上に主眼が置かれた機体だったのかも。
 いわゆる「ワンオフ機」的な色合いが強いヅダ。本当に量産を前提に設計された機体だったのかしら?
ザクTと並んで・・・(2)
 背中のバカでかいブースターがヅダ最大の特徴であり、機体爆散の原因にもなったエンジンであります。なんでも通常の推進剤に使われる物質よりも遥かに重い元素を使用するというシロモノだったとか。そりゃあ事故起こすわ。
 因みに腰についているのは、マシンガン用のカートリッジドラムです。
ドムと並んで・・・
 初代MS開発競争で後塵を拝してしまったヅダ開発元のツィマッド社ですが、後に様々なバリエーション機を生み出した傑作機「MS-09ドム」を開発。
 これでツィマッド社もメーカーの面目躍如、よかったね。

スプリッター迷彩
 色が暗くて見えづらいかとは思いますが・・・。左右非対称に入ったギザギザの迷彩模様。パターンはシールド以外は全機とも一緒ですが、予備機にはありません。この迷彩はヅダの母艦ヨーツンヘイムにも施されています。
(この写真のみロクマルサン様作成&解説)

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